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IIJ.news vol.167 December 2021
全国津々浦々でユニークな事業を営んでいるIIJのお客さまを紹介する「お客さま探訪」。
第3回は、富山県の産業機械メーカ「株式会社スギノマシン」。
さまざまなモノの製造工程で使うマシンを造る技術志向の企業です。
富山県の人は、真面目で勤勉です。近代以降、富山県では立山連峰の水資源と黒部川などの急流を活かし、水力発電が盛んになりました。こうした人と風土に育まれ、富山県には世界で活躍する企業がいくつも生まれました。
今回のお客さま「株式会社スギノマシン」も、こうした企業の一つです。スギノマシンは、高圧水や精密制御などの技術を駆使した多種多様な産業機械を自社で開発・製造・販売・メンテナンスする企業です。開発と製造のほぼ全ては、富山県の工場で行なわれています。一度でも取引したことのある顧客数は産業機械メーカとしては非常に多い約30000社で、海外向けの売上が総売上の半分を占めています。立山連峰や富山湾の自然豊かな景観が広がるロードサイドに佇む工場に、コロナ禍以前は毎日、3~4カ国の海外の取引先が訪れていたそうです。
各顧客の非常に特異な、しかし製造現場では必須となる要望を叶えるべく、スギノマシンは技術を磨き、自分たちにしか造れない産業機械を多品種・小ロットで造り続けてきました。自社で商品を売り歩き、メンテナンスを行なうことで、顧客の声をダイレクトに聞き、ニーズをつかみ、その情報を開発現場にすぐさまフィードバックします。「スギノマシンは、ニッチな市場でトップをとる会社。成長のためには、国内だけでなく、海外市場に進出するのが必然。我々は富山=ローカルで造り込み、世界=グローバルのニッチ市場でトップをとる『グローカルニッチリーダー』を標榜しています」と副社長の杉野岳氏は語ります。
近年、スギノマシンの顧客から、複数の機械をつなぎ、工程全体を自動化してほしいという要望が増えています。顧客はインプットとアウトプットのみを指定し、過程はお任せというわけです。そうなると、これからは単体の機械だけ造っていても生き残れません。つなぐ役割のロボットやソフトも開発し、ワンパッケージで提案していかなければなりません。スギノマシンはその挑戦のまっただなかにいます。少子高齢化が進むなか、自動化・無人化・ワンストップ化に対する需要が高まっているのは、IT業界でも産業機械業界でも変わりません。
社内に視点を移すと、スギノマシンのなかで流通するデータ量は年々増え続けています。取り扱うファイルのサイズは、3D CADの普及や動画の活用で大きくなる一方です。IoTがバズワードとなる前から実施していた、生産現場のデータを自動収集し、見込予測や生産管理などに利用する取り組みも、規模が日増しに大きくなっています。また、社外とのコミュニケーションのオンライン化の流れは、今後もさらに進むと予想されます。生産性の追求と、それにともない増え続けるデータ量への対応は、世界中の企業が共通で抱える課題なのかもしれません。この点においても、IT業界であれ産業機械業界であれ、課題は同じです。
IIJはスギノマシンの社内ネットワークとして、インターネット接続、WAN、セキュリティなどを提供しています。大量のデータが流れても快適に仕事ができる安全なネットワークをこれからも提供していきたいと考えています。
「切る」、「削る」、「洗う」、「磨く」、「砕く」、「
今、読者のみなさんの手元にあるスマホや、日頃乗っている自動車、使っている医薬品や化粧品は、もしかしたらスギノマシンの超技術が生んだモノかもしれません。
株式会社スギノマシン
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