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IIJ.news Vol.177 August 2023
昨年来、生成AIブームが吹き荒れているが、日本企業のなかには、業務への本格導入に二の足を踏んでいるところも多い。
そこでまずは活用に向けた課題や懸念材料を洗い出したうえで、米国リーディングカンパニーのソリューションを紹介する。
Kore.ai Japan
副社長 執行役員 アジア太平洋技術統括
玉城 久頌 氏
2022年12月、公開からわずか5日間で全世界のユーザ数が100万人を超えたChatGPTは、その後も破竹の勢いを保ち続け、公開から2カ月後には1億ユーザを突破しました。日本でも多くのユーザを獲得しており、国別のアクセスシェアは世界第3位となっています。しかしながら、企業における利用となると、最近の調査で米国では51パーセントなのに対し、日本では7パーセントに留まっています。
マサチューセッツ工科大学の最新の研究によると、ChatGPTを含む「生成AI」を業務に活用することで、フォーチュン500において平均14パーセントの生産性向上が観測されています。今後、日本企業で利活用が進んだ際の伸びしろと効果を鑑みると、生成AIは日本においてもっとも業務に貢献する技術の1つであると考えられます。
米国では、印象的な対話型AIの導入事例が相次いています。例えば、トッピングのパターンや認識すべきエンティティ(情報)が非常に多い「ピザの注文」を電話越しに(注文履歴なども加味して)受け付ける対話型AIコンシェルジュが稼働しています。また、銀行においては「対話型AIバーチャルアシスタント」に100以上の業務を学習させ、年間約2億回のコミュニケーションを任せることで、人材不足対策や、グローバル多拠点における24時間365日のコミュニケーション対応を実現しています。
日本では少子高齢化にともなう「2025年問題」が懸念されるなか、現時点ですでに労働者人口減少による慢性的な人材不足が顕在化している業種・業務が多々あり、この傾向はより拡大していくと見られています。一方、物心ついたころからITに親しんでいるミレニアル世代以降は、消費行動の際、個別にカスタマイズされた商品提案(パーソナライゼーション)を自身の好む手段(オムニチャネル)により得ることを好みます。この特徴は、企業内の情報システムの利用においても、従業員満足度を上げる要素の1つとして考慮する必要があります。
企業では、より少ない人数による既存業務の遂行および改善を求められると同時に、一部業務においては、利用者のニーズの多様化に寄り添う新たな取り組みが急務となっているのです。
こうした現状に加えて、企業活動における生成AIの導入と利活用が新たなミッションとなっているケースが増えています。
生成AIは、利用者が自然言語で問うた課題・命題に対し、幅広いアイデアをもたらしてくれる創造性の提示や、利用者の入力データにもとづいて専門知識を盛り込んだ素案の作成など、人とAIの協働を通して、社員の行動変容を促し、経営リソースの強化をサポートしてくれます。
とはいうものの、実業務においてオリジナルデータとともに生成AIを利用するためには、次の7点の活用障壁に留意する必要があります。
上述の生成AIの本格活用に向けた諸課題は「Kore.ai XO Platform」を導入することで解決され、安心・安全な利用が可能になります。
今後も激しい変化が予測されるAIの企業利用においては、OODAループ*にもとづき、状況に即応しながら利用形態を柔軟に適用していくことが成果を最大化する要となります。そして、時代の変化に追随するには、AIを扱うソフトウェア自体に高い柔軟性と最先端のテクノロジーが最速で提供される必要があります。
Kore.aiはそうした技術革新を下支えする対話型AIの基盤ソフトウェアを米国で9年間、日本で3年間、提供してきました。アジア太平洋地域では、特に日本市場の拡大が著しく、今後も日本市場に特化したさまざまなソリューション、サービスを提供してまいります。
セキュアで拡張性に優れ、顧客と従業員のUXを最適化するプラットフォームソリューション。対話型AIに必要な機能を網羅しており、短期間で高度な対話型AIバーチャルアシスタントを作ることができる。日本では大半の顧客が2~3カ月でカスタマイズしたAIバーチャルアシスタントのローンチに成功している。
“コンタクトセンター as a Service”として、カスタマーサービスと社内ヘルプデスクに特化したエンドツーエンドのオムニチャネル自動化ソリューション。利用者の問い合わせにAIが応対するだけでなく、過去の問い合わせ履歴の引き継ぎも実施。また、利用者とオペレータの会話をリアルタイムにモニタリングし、CRM(顧客管理システム)の操作や質問への回答の特定などをAIが先回りして代行することで、オペレータの負荷軽減、対応品質の向上、平均対応時間の短縮などを実現する「AgentAssist」も合わせて利用可能。SmartAssistとAgentAssistを併用することで、ほぼ全ての利用者接点におけるAI活用を最適化できる。
対話型AIがネイティブに備わった初めてのコグニティブ検索ソリューションとして、社内のさまざまなデータ(Microsoft Office、PDF、テキストなど)、システム(SharePoint、Confluence、データベースなど)の情報を横断的に収集し、利用者が探している情報を提示。収集した情報や利用者の検索クエリに対して、自然言語処理にもとづく意図の理解を補助し、回答の際には要約などを付加することで、UXの最適化と業務効率向上を支援する。
Kore.ai
Kore.ai(コア・エーアイ)は(生成AIを含む)企業における「対話型AI」の利用に着目し、2014年に米国フロリダ州オーランドで設立。全世界の社員1000人のうち800名がエンジニアリング部門に所属し、対話型AIに特化した技術部門としては世界でも最大規模を誇る。グローバル2000社のうち400社(2億人の消費者と200万人の従業員)がKore.aiの技術を活用している。日本はアジア太平洋地域における拠点であり、各業界が多様な場面でKore.aiの対話型AIを利用している。企業における利用価値も実証されており、2022年よりガートナー社が公開している「エンタープライズ向け対話型AIプラットフォーム」において、Kore.aiは2年連続でリーダーの評価を得ている。
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