IIJ.news Vol.177 August 2023
2019年度にスタートしたIIJ Touch & Experience Collegeは、コロナ禍による休止を経て、2021年度にデモルームの拡張工事を行ない、現在に至っている。
ここでは、本プロジェクトの責任者にデモルームの設営経緯や特徴などを聞いた。
お話し
IIJ サービスプロダクト推進本部 営業推進部長
井ノ川 俊次
2007年、IIJ入社。IIJ サービスに関する営業施策の企画推進活動を担当。
IIJ Touch & Experience College の企画者および運営管理責任者。
――お客さまにお越しいただくデモルームを本社に作ろうと思ったキッカケは?
井ノ川:
自動車やマイホームといった大きな買い物をする時、誰もが商品を何度も見て、触って、納得したうえで購入を決断します。同様に、従業員が日々利用するオフィスITサービスの導入は、情報システム部門にとって「大きな決断」になります。よって、オフィスのITサービスを決める時は、自分たちの判断だけでなく、ユーザ部門の声や業務内容を聞き、その後の展開や運用をイメージするなど、悩み抜いた末に決断するそうです。その苦労の手助けをしたいと思い、体感型のデモルームを企画しました。
例えば、「ZTNA体感コース」で紹介する、IIJフレックスモビリティサービスは“速い、切れない”というキャッチフレーズを謳っています。しかし、この“速い、切れない”を言葉だけでお伝えするのはとてもむずかしい。ビデオ会議の通信が遅れたり、途切れたりすると困るということはだいたい想像していただけるものの、実際にサービスを導入すれば、自社の業務で何がどのぐらい改善されるのかを具体的に想像いただくためには、体感できるデモルームを作る必要がありました。
――デモルームは、一見、普通のオフィスのようですが、工夫や仕掛けがあるのですか?
井ノ川:
デモルームは、さまざまな業務・アプリケーション・利用者などを想像できる「仮想のオフィス」を想定しています。デモルームには、品質の悪いネットワーク環境を再現できる遅延発生装置を設置しており、この装置によって、混雑した駅、新幹線のなか、海外ホテルのWi-Fiといった環境を再現し、ネットワーク品質を向上させるサービスの魅力を体感していただけます。
また、「仮想のオフィス」というコンセプトに沿って、使う機材は汎用的なものを揃えています。お客さまはスタイリッシュな環境を見に来るわけではないので、実際の業務環境をイメージしていただけるよう意識しています。運営側としては、かっこいい最新機種を置いて、お客さまを驚かせたいという気持ちがないわけではないですが(笑)、その気持ちはぐっと抑えて、あえて一般的な環境にこだわっています。
デモルーム見取り図
ルータ、Wi-Fi親機、遅延発生装置は、右下の壁の裏に格納。
情報系システムは全てクラウド上にある。
――プログラムの運営で、心がけていることはありますか?
井ノ川:
2つあります。1つは「業務を意識していただくこと」です。プログラムの講師は、「機能」という言葉を使わないようにしています。お客さまにイメージしていただきたいのは、サービスの機能ではなく、自社の「業務」です。プログラムを通じて、「自社の業務をどう変えていくのか」ということを、ワクワクしながらディスカッションしていただきたいです。
もう1つは「シナリオのカスタマイズ」です。デジタルワークプレースの利用者は、一般従業員から役員まで全従業員が対象になります。それぞれの立場の方々に体感していただき、自分自身で魅力を納得していただけるよう、参加者の立場に合わせたデモ・シナリオを毎回用意しています。
プログラム紹介*
IIJ Touch & Experience Collegeで一番人気のあるプログラムは、快適なリモートアクセス環境を体感できる「ZTNA体感コース」です(前稿参照)。ほかにも、デジタルワークプレースを実現するための各種サービス・ソリューションの魅力をご自身の目で見て触れるプログラムが揃っています。ここではその一部をご紹介します。
ZTNA体感コース
速くて、途切れず、ゼロトラストも実現できるリモートアクセスを体感できます。
プログラム |
おすすめ |
概要 |
快適リモートアクセス徹底体感 |
- システム担当者
- 経営層
- ユーザ部門
- 販売パートナー
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- 一般的なリモートアクセスとの違い
- WEB会議の品質、ダウンロード速度の比較
- ネットワーク断後もアプリケーションセッションを維持
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ZTNA徹底体感 |
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- 大容量通信のローカルブレークアウト
- シャドーITを抑止するWEBアクセスフィルタリングと通信可視化
- ローカルブレークアウト通信中でも ZTNA制御や通信可視化が有効な状態
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Microsoft 365体感コース
時・場所・方法を問わず、従業員がデジタルでつながりながら働く世界を体感できます。
プログラム |
おすすめ |
概要 |
アプリケーション徹底体感 |
- システム担当者
- 経営層
- ユーザ部門
- 販売パートナー
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- Microsoft Teamsによるコラボレーション
- SharePointによるドキュメント共有
- Outlookのメール・予定表によるコミュニケーション
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EMS徹底体感 |
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- Azure AD Premium条件付きアクセス
- Microsoft Intuneによる端末・データの管理
- 構成プロファイルやコンプライアンスポリシーの管理
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仮想デスクトップ体感コース
Windowsのデスクトップとアプリケーションを仮想化して、そのままクラウドで使う環境を体感できます。
プログラム |
おすすめ |
概要 |
Citrix Cloud徹底体感 |
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- 仮想デスクトップの使い勝手
- Azure Virtual DesktopとCitrix Cloudの親和性
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DX体感コース
今後のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のカギになるデータ活用。 現場部門のデータ活用の課題や解決策を一緒に考えながら「DX」を体感できます。
プログラム |
おすすめ |
概要 |
データ活用 徹底体感 |
- システム担当者
- 経営層
- ユーザ部門
- 販売パートナー
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- データ活用の必要性を体験
- 将来的なデータ活用のイメージをもつ
- システム間の連携処理・データの匿名加工を実践
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デジタルワークプレースは、社会環境と働き方の変化に応じて進化し続けます。
IIJはデジタルワークプレースの魅力を、お客さまにより深く体感いただけるよう、プログラムの充実と拡張に努めてまいります。
- *プログラムは2023年12月時点の内容です。
申込について
IIJ Touch & Experience Collegeは原則、IIJ本社(東京都千代田区)で開催します。
プログラムは1枠1社の限定開催で、参加されるお客さまのご要望に応じたシナリオを用意して実施します。詳細はIIJの営業担当者にご相談ください。