ページの先頭です
IIJ.news vol.164 June 2021
ここでは、日本の一歩先を行くアメリカのリモートワーク事情を見たうえで、喫緊の課題解決を促すソリューションを紹介する。
IIJ America Inc.
Business Management, Business Operation Manager
大導寺 牧子
2008年にIIJ Americaへ入社の後、IIJ、IIJ Europeを経て、再びIIJ Americaへ。現在は主にデジタルマーケティングを担当。
ビルのエントランス、飲食店や小売店のドア、会計レジ前の床、公園の柵、地下鉄の駅のホームなど、マンハッタンのいたるところで「6フィート(182・88センチメートル)」の文字を目にします。「他者との距離を6フィート空けるように」というサインです。
新型コロナウイルスのワクチンの供給が急ピッチで進むなか、屋内レストランの収容人数が引き上げられたり、CDC(米国疾病予防管理センター)がマスク着用に関するガイドラインを更新したりと、着々と生活が正常化に向かうとともに、パンデミック終息への期待感が高まって、リターン・トゥ・オフィス計画が動き出しています。
これまでのガイドラインでは、オフィス内でも常時6フィートの距離を空けておく必要がありました。人との接触や集まりを極力避けるため、職場時間の調整、エレベータなど閉めきられた狭い空間内の人数制限、エントランスロビーの混雑や地下鉄・バスの通勤ラッシュを避けるための出退社時間シフトなど、きめ細かいガイドラインが定められていましたが、今後は徐々に緩和され、オフィス再開が進むと思われます。多くの人にとって、コロナ禍後の「働き方」が一大関心事となっていて、アメリカではコロナ禍以前よりもオフィスへの出勤とリモートワークのハイブリッド型の働き方が浸透していくと見られています。
このように働き方・働く場所が多様化するなか、効率的に業務を行なうためには、「業務時の通信が快適であること」、「セキュリティが担保されていること」、そして「シンプルに運用できること」が不可欠になってきます。
ニューノーマルな働き方を支えるうえで企業が直面している課題は、以下の三点に整理できます。
これらの課題を解決するソリューションとして、IIJ Americaは、2021年4月19日より、SASE(Secure Access Service Edge)の代表的なプロバイダであるCATO Networks社と提携し、「SASEプラットフォームサービスタイプC」の提供を開始しました。※
このサービスをご利用いただくことで、リモートワーカーが使用するモバイル端末は、世界65箇所以上に設置された接続ポイント(PoP)から最寄りのPoPを自動選択し、SASEプラットフォームに接続します。そして、SASEプラットフォームが稼働するCato Cloudのグローバルプライベートバックボーン内では、複数の機能により最適な経路が適用され、世界中どこからでも快適に社内データやクラウドサービスにアクセスできます。
モバイル端末とPoP間の接続は暗号化され、統一されたセキュリティポリシーが適用されるほか、端末の二要素認証やシングルサインオン、WEBフィルタリングなどの機能でセキュリティを強化できます。
オフィス拠点やデータセンターにはレンタルの専用エッジ端末(Cato Socket)を設置することで、容易に拠点全体をSASEプラットフォームに接続できます。既存のIPsec端末をエッジ端末として利用したり、仮想アプライアンスをクラウドに設定して接続することも可能で、迅速に既存設備を活かした構成をとることができます。また、全てのリモートワーカーおよび拠点に設置したエッジ端末の接続ポリシーやセキュリティポリシーは一元的に設定でき、専用の管理画面からネットワークの利用状況や運用状況をリアルタイムに確認できます。
コロナ禍以前とは一変して、出勤時間帯でも人影がまばらになったニューヨークのオフィス街と、そこを行き交う宅配デリバリにいそしむ自転車の人々を見るにつけ、現状を嘆くのではなく、状況に合わせてより良い方向へ順応していくこと、環境を整えていくことが大切だと感じます。 IIJ Americaはさまざまなサービス、ソリューションを通して、アメリカを拠点としているお客さまの"ニューノーマル"をIT面からサポートいたします。
ページの終わりです