IIJ.news vol.164 June 2021
IIJでは、情シス部門のリアルな事例を聞き、カジュアルにディスカッションできる場として「IIJ Interactive Meeting」を定期的に開催しています。
今回は、2021年3月に行なわれた第2回の内容を抜粋でお届けいたします。
第2回 IIJ Interactive Meeting 出席者
ファイルサーバはいろいろ悩ましい
――皆さんの会社では、ファイルサーバに課題をお持ちですか?
Aさん(小売業)
ずっとCIFSベースのファイルサーバを使っているのですが、容量がどんどん増えています。古いデータの削除をユーザに依頼しても、消してくれないですね(笑)。実は数年前からG Suiteを使い始めたのでGoogleドライブも使える状態ですが、あまり使ってくれません。
IIJ 関
IIJもBox導入を進めています。Box DriveというツールでWindowsエクスプローラーで操作もできますが、フォルダ構成の考え方が違うので、ほかのファイルからのリンクやマクロでほかのファイルとの連携などはうまく動きません。これに関しては、いい解決策はないと思います。
IIJ 向平
私はBox利用者の立場なのですが、慣れないとたしかに操作にもたつくことがあります。エクセルでグラフを作ってパワーポイントにリンクさせたりすることがよくあるのですが、これまではファイルサーバ上でそのまま作業していました。今はローカルに保存・作業して、Boxへはバックアップ的に保存するだけにしています。
Bさん(広告・情報通信サービス業)
弊社も数年前までCIFSベースのファイルサーバでした。ただ、やはり「容量が不足する」→「消してくれとユーザに依頼する」→「誰も消してくれない」のイタチごっこで、情シス側も辟易としていました(笑)。そこでSharePointとGoogleドライブを導入して、これまでのファイルサーバの容量追加はしないことにしました。そしたら自然とユーザが移行していきました。
IIJ 関
弊社のようなファイル同士のリンクは、問題にならないですか?
Bさん(広告・情報通信サービス業)
やはりその点は解決できないので、最初は不満の声もありました。でも、それでも大丈夫なようにファイルを作る際に工夫するとか、ユーザ側がだんだん適応していきました(笑)。旧ファイルサーバは容量追加しないことにしたので、ある意味、あきらめがついたのでしょう。
Aさん(小売業)
なるほど、そんな方法もありますか(笑)。
Cさん(建設業)
ファイルサーバをリプレースする時、現行のファイルサーバからのデータ移行はどうされましたか?
Bさん(広告・情報通信サービス業)
弊社は移行もしていないです。データは参照のみ可能にして、旧環境に残したままにしました。そしたらユーザ側で自然と移行していって、今では、古い環境の利用者はかなり少ないと思います。
IIJ 関
IIJの場合はサードパーティの移行ツールを使いました。トータルで17TBくらいのデータを、そのツールで移行しました。※
IIJ 向平
CIFSベースのファイルサーバだと本文検索などはできなかったのですが、Boxになって検索性が向上したのがとても良いです。あと、弊社の場合は、お客さまとの契約ポリシーによっては、オンプレミスのファイルサーバに保存することもあるので、Boxとオンプレの両方を使っています。
Bさん(広告・情報通信サービス業)
社外とのファイル共有もBoxを使っていますか?
IIJ 関
本格運用はまだです。もう少ししたら、外部との共有も利用推進できればと思っています。
コロナ禍で注目が高まった仮想デスクトップ(VDI)
――VDIを導入している企業に聞いてみたいことは?
Bさん(広告・情報通信サービス業)
VDIの1人当たりの導入コストは、どのくらいになりますか? 現在はFATクライアントなので、20万円前後+ソフトウェア費用くらいなのですが。
Dさん(法人サービス業)
弊社の場合、端末は15~16万円、それに加えてソフトウェアライセンス数万円という感じです。
Bさん(広告・情報通信サービス業)
VDIはサーバ側の費用も要りますね。社員が増えると増設も必要でしょう?
Dさん(法人サービス業)
そうですね。ただ、社員の出入りがあるので、トータルの利用者が大きく増えることはなく、当面は増設しなくてもよさそうです。
Bさん(広告・情報通信サービス業)
クライアント側のスペックはどのくらい必要ですか?
Dさん(法人サービス業)
特にリッチではないですよ。例えば、Chromebookのスペックでも大丈夫だと思います。実際、弊社でも、今後の利用を見据えて Chromebookの検証を始めています。
Bさん(広告・情報通信サービス業)
実際にユーザがクライアント端末を立ち上げてからVDIに接続して、作業を開始できるまでにどのくらいかかりますか?
Dさん(法人サービス業)
1分未満です。VDIの仮想イメージ側は起動しっぱなしです。起動しているイメージに接続するので、そこまで遅い印象はないですよ。
Aさん(小売業)
クライアントにはコアをどのくらい割り当てていますか?
Dさん(法人サービス業)
基本4コア、メモリは8GBを割り当てています。
Bさん(広告・情報通信サービス業)
クライアント端末のキッティングは不要ですか?
Dさん(法人サービス業)
そうですね。新品の場合、基本的にはそのまま渡します。別のユーザが利用していた端末を次のユーザに渡す時は、Wi-Fiの情報を消すなど、ちょっとした作業をしますが、その作業も5分くらいです。
Bさん(広告・情報通信サービス業)
クライアント端末のキッティング作業が楽なのはいいですね。ちょうど新入社員の入社時期でもあるので、キッティング作業が大変で、そのために人員を確保しているくらいなので。
Cさん(建設業)
その点はVDIのメリットですね。
Eさん(法人サービス業)
弊社もVDIを利用していますが、コロナ禍でリモートワークが増えた時、セキュリティレベルを大きく落とさないで、自宅Wi-Fiとの接続を許可できたのが良かったです。
Cさん(建設業)
ちなみに皆さんは、クラウドサービスの利用も検討されましたか? 弊社にはVDI基盤の運用は、ハードルが高くて……。
Dさん(法人サービス業)
各社のDaaSを検討はしましたが、当時はちょっと動作が遅かったり、WEBカメラがうまく動作しなかったり、いろいろ課題がありました。あとはコストですね。クラウドまでのネットワークも考えると、弊社の場合、オンプレミスのほうがコストメリットがありました。
Aさん(小売業)
弊社はDaaSを使っています。さらにWindows Updateなどの運用も含めて、フルアウトソーシングしています。運用を意識しなくていいので、楽ですよ。
IIJ 向平
コロナ禍を機にVDIへの注目が高まりましたね。本日は非常に有意義な情報交換ができたと思います。ありがとうございました!
IIJ Interactive Meeting とは
情シスの皆さんは普段、どんな課題をお持ちですか?「自社の対応が正解なのか、不安になるときがある」、「他社の情シスはどうしているのか、実際の事例が知りたい」、「セミナーで一方的に聞くだけでなく、いろいろ質問もしてみたい」等々。そんな情報システム部門の皆さまを対象に、IIJでは少人数のオンライン座談会を定期的に開催しています。情シスの仲間同士で、リアルな話を聞きながら気軽にディスカッションできる場、それが「IIJ Interactive Meeting」です。ご興味のある情シス部門の方は、ぜひご参加ください!