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IIJ.news Vol.172 October 2022
全国津々浦々でユニークな事業を営んでいるIIJのお客さまを紹介する「お客さま探訪」。
第6回は、プリントシール機の国内シェアNo.1*を誇る「フリュー株式会社」。
女子高生の潜在ニーズを形にし、彼女たちの笑顔を生み出し続けている企業です。
* 2022年夏、フリュー調べ
街ゆく人の大半が、その始まりも終わりも把握していない大規模再開発。ギャルサー、ヤマンバ、ガングロ……等々、テンション高めな女子文化が生まれる「渋谷」は、カオスのなかにあり続け、そこから何かが生まれ、不思議と若者が吸い寄せられる街です。今回のお客さま「フリュー株式会社」(以下、フリュー)は、この女子文化の最先端の地で、プリントシール機、カラーコンタクトレンズ、キャラクター・マーチャンダイジング、ゲーム・アニメなどのプロダクトを通して、「人々のこころを豊かで幸せにする良質なエンタテインメントを創出する」企業です。
フリューの源流は1997年、オムロン株式会社で立ち上がった新規事業部門に遡ります。オムロンが持つ顔画像認識技術を活かして新しいことを始めようと、翌年にはプリントシール機の事業を立ち上げました。創業の地は京都ですが、2003年には渋谷に本社オフィスを構えました。
春休み前、夏休み前、冬休み前と、フリューは年に3回、新しいプリントシール機をリリースしています。リリース後の機種は半年から1年以内にバージョンアップして、顔の写りやメイク機能、コンテンツなどを最適化します。限られたお小遣いのなかから、女子高生(JK)に「友だちを誘って、プリ撮りたい!」と思わせる秘密は、どこにあるのでしょうか。
フリューはかれこれ20年以上、女子高生グループを中心とした、プリントシール機のテスト撮影会・インタビューを毎週実施しています。この会には、プリントシール機のマーケティング担当者、企画者、写真写りを担当するエンジニアなどが参加して、女子高生グループから情報を直接、収集します。
同社のガールズ総合研究所所長の三輪哲也氏によれば、女子高生に「この新機種はどうですか?」、「どんな新機種があればいいと思いますか?」と聞いても、有益な答えは返ってこないそうです。そこで、まずは開発中の機種を女子高生グループに体験してもらい、彼女たちが喜んで遊んでいるかどうかを観察します。そして、体験中に「なんで今までこういうのがなかったの?」と女子高生が言えば、新機種や新機能が潜在ニーズの掘り起こしに成功した! と判断できるそうです。反対に、女子高生から「なんか、ヤダ」という発言があれば、そこには改善のヒントが眠っています。
顔の仕上がり、撮影中の演出、撮影後の写真にメイクやデコレーションを盛る機能 ―― 女子高生グループの力を借りつつ、プリントシール機はさまざまな機能を時代とともに進化させ、市場で愛されてきました。ですが、利用者のお財布事情を踏まえて、最新機種でもプレイ価格は500円程度。コロナ禍で外出規制が出ていた頃は、一時的にプリントシール機の利用は減少しましたが、規制が緩和された今(2022年7月現在)は、回復傾向にあるそうです。
プリントシール機で撮影した写真の生データは高精細・大容量ですが、撮影後にスマホにダウンロードできるデータのサイズはもとに比べるとささやかなものです。美しく撮影したデータを、圧縮して利用者に渡す理由は、現在のIT事情にありました。
「女子高生は高機能なスマホを持っていますが、頻繁に動画を見て、友だちとやり取りするので、毎月20日頃になると通信制限がかかって"パケ死"している子が多い。(通信制限を解除する)課金ができなくても、喜んで遊んでもらえるプリントシール機を、私たちは作らなくてはなりません。そもそもプリ撮影は楽しむためのものなのに、データのダウンロードで待たされるなんて、ナンセンスだと思いませんか?」(三輪氏)。
プリントシール機は"写真を印刷する機械"ではなく、"エンタテインメントを提供する機械"なのです。フリューのプリントシール機は撮影後、簡単にダウンロードできるよう、データは圧縮されます。しかし圧縮データでも、美しさ、かわいさ、プリの世界観が損なわれないよう、企画者だけでなく写りを担当するエンジニアや通信を担当するエンジニアが、日々研究・改良を重ねていて、5Gの普及にも大いに期待を寄せているそうです。
IIJはフリューに有線・無線のネットワークを提供しています。よりユーザーフレンドリーなものへとモディファイされたIIJのネットワークが、女子高生の笑顔を写し撮る技術に貢献しています。
フリュー株式会社
【事業内容】
若年層の女性をターゲットとした「ガールトレンドビジネス(プリントシール事業、コンテンツ・メディア事業)」と、キャラクター、アニメ、ゲームなどの世界観を活かした「世界観ビジネス(ゲーム/アニメ事業、キャラクター・マーチャンダイジング事業)」の二軸で、多様なエンタテインメント事業を展開。
【ブランドストーリー】
「自分だけの世界に浸れる大切な時間、友人や家族といっしょに最高に盛り上がる貴重な時間をお届けすることがフリューの使命です。
私たちは“人生こそが最高のエンタテインメントである”との考えのもと、みなさまにとってかけがえのないPrecious Timeを創り出す企業として、さまざまな工夫と無限の好奇心・探究心で、新しい楽しみ、喜び、驚きを追求してまいります」
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