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パラアスリート 笹島貴明のROAD to PARIS “井の中の蛙大海を知る”国際大会デビュー

IIJ.news Vol.174 February 2023

執筆者プロフィール

IIJ 広報部

笹島 貴明

2013年にIIJに入社したのち、スノーボード中の事故で車椅子の生活に。広報部としての業務をしながら、趣味で始めた車いすフェンシングで日本代表となり、現在は競技活動を中心に広報部で働いています。

趣味で始めた車いすフェンシングでしたが、2年弱で日本代表として初の海外大会へ参戦することになりました。東京パラリンピック開催を前に、メディア露出やイベント登壇の機会も増え、すっかり増長していたところでの国際大会デビューです。

開催地はオランダのスタッズカナールという、石炭業で栄えた郊外の都市でした。着いてまず驚いたのが、国際大会とは思えぬ辺境の地だったことです。現地の方には恐縮ですが、周囲には牧場しかなく、ヤギやリャマが闊歩する非常にのどかな場所でした。また文句は言えないのですが、食事も水に浸したようなスパゲティが出てくるなど、あらゆる状況が牧歌的でした。思い返せば、かなり特殊な開催地だったのですが、当時は衝撃的でした。

さてさて大会開始です。自分はフルーレの男子個人戦のみの出場で、日本で練習した成果を出すために全力で挑みました! が、結果は予選5試合全敗……。世界レベル、高すぎませんか?
週末しか練習しておらず、別に国内でも強いわけではなく、なぜそんな自信があったのかと思うのですが、根拠なく勝てる気がしていたので、とても落ち込みました。

さらに、先輩女子選手の試合で(移動の疲れや時差ボケもあって)ウトウトしていたら、先輩にめちゃくちゃ説教され、申し訳なさでいっぱいになりました。「日本代表としての自覚が足りない!」と怒られたのですが、いろいろな意味でごもっとも……散々な大会でした。(続く)

惨敗した傷心を癒やしてくれた、会場周囲にいたキュートな動物たち


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