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IIJ.news Vol.175 April 2023
IIJ が提供するサービス・ソリューションで、地域社会の暮らしや未来を支える取り組みを紹介します。
北海道の空知総合振興局は、農作業の省力化、労働力不足への対応を目指して、スマート農業を導入。
そこでは、IIJが研究・開発を重ねてきた水田センサや水管理アプリなどのIoT技術が活かされています。
日本における農業人口の減少は著しく、特に北海道では広大な農地を少ない農家で支えていかなければならず、農作業の省力化、労働力不足への対応が急務となっています。そこで空知総合振興局は、スマート農業に注目しました。現在、空知地域に属する岩見沢市、新十津川町などでスマート農業の実証実験が進められています。ドローンによる農薬散布、スマホアプリを使った水管理などを行なった結果、以下3点が、本格導入に際しての共通課題として浮かび上がりました。
実証事業はおもに国の予算を活用して実施されましたが、農家への導入には地方自治体の支援が欠かせません。空知地域の市町村では農家向けの研修会・実演会、また小中学生への出前授業などを通じて、スマート農業への理解を深めています。
「新十津川町 白石農園」を営む白石氏は、「IIJの水田センサ」と「笑農和の自動給水装置」を使って、水田の水をアプリ経由で管理しています。アプリを導入する前、白石氏は毎回、水田に足を運んで水管理をしなければならず、それが日々の負担になっていました。しかし現在は、田んぼ1枚1枚に挿した水田センサから送られてくる「水位・水温」情報をスマホで確認し、直接スマホから水門の開閉指示を行なえます。
IIJは最初「センサなら作れるかな」と、軽い気持ちで開発を始めたのですが、これが大間違いでした。水田センサを実用化するまでに、IIJのエンジニアたちは、文字通り泥まみれになりながら、改善を繰り返さなければなりませんでした。加えて、自治体や農家のみなさんからいただく、利用実態に即したフィードバックがなければ、実用化はできませんでした。
IIJは、水田センサの普及を目指し、技術革新とコスト低減に引き続き取り組んでいきます。同時に水田以外にも、畑作、施設園芸、果樹、さらには防災にもネットを活用し、地域の方が便利に快適に生活できるための仕組みを整えていきたいと考えています。
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