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2014年04月01日
株式会社インターネットイニシアティブ
代表取締役会長 鈴木 幸一
入社おめでとうございます。
学生時代はお金を払って勉強していた皆さんが、1日たつとお金をもらって働く立場に変わります。
「学校と個人」、「会社と個人」、それぞれ責任はありますが、そこにはとても大きな違いがあります。学生時代にはあまり責任がない分、学生時代の充実感は「楽しい」ということに収斂されると思います。これからは社会的に自分が何かを作るとか、実現するといったような充実感、学生時代とは違う喜びや楽しみというのが人生に出てくるものです。これから毎日、仕事というかたちで社会と関わりを持つわけですが、ぜひそれを自覚しながら楽しんでいただけたらと思います。
19世紀に第1次、第2次産業革命がありました。その後20世紀になって、「科学と技術の結合」とか、「軍事と工学の結合」があり、あらゆるものの仕組みが変わりました。基本はエネルギーで、蒸気機関車とか蒸気というものから始まり、工学的にどんどん発展してきました。それから戦争が非常に多くなりました。それは物理的に地球が狭くなったことで、昔だったら帆船で大航海していたところが、即座に移動できるようになった。モノ、経済の世界がグローバル化し、そのなかで戦いが非常に大規模なものになったのです。
インターネットというのは何か、なぜ面白いのかというと、おそらく19世紀最後の大きな技術革新で、技術的に高度かどうかは別として、産業革命に匹敵するようなイノベーションだったからです。それがようやく20世紀の終わりになって実用化されました。21世紀はどういう時代になるのだろうかというと、よくわからない。というのも、産業革命でモノをつくったり、新しい仕組みができたのち、そういったものを利用して多くの戦争を起こしたり、史上類まれな数の人間を一気に殺戮したり、現在も戦争はありますが、それが抑止力になっていたりするような時代、というのが20世紀でした。20世紀の最後に実現した大きな技術革新がインターネットだということは間違いない。しかし、そういった技術が21世紀、どういうかたちで社会を変えたり、あるいは皆さんの生き方そのものも変えてしまうのか、ということはまだわかりません。
次の50年、21世紀半ばまでの間に主導的な役割を果たすのが――産業革命では動力などが果たしたように――インターネットであるということを考えると、皆さんがIIJのような会社でものを考えたり、仕事をするなかで、これから私たちが想定できないようなかたちで技術が変容して、社会を作っていく。そういう意味では非常に面白いのではないでしょうか。
インターネットというものは非常にシリアスで、しかもビジネス上は大きくなる、あるいはそれ以上に今の時代、皆さんが生きている時代をどう変えていくかという意味では、もっとも深刻で、かつ興味深い技術革新であると思います。
インターネットイニシアティブという社名は、舌を噛みそうな名前ですが、変えずにここまで来ました。毎年IIJという社名に変えようと思うのですが、過去22年イニシアティブをとり続けてきたのだから、これからもイニシアティブを取り続けようという思いで、長い名前のままにしています。IIJは、世界のインターネットをリードするという思いがあるなかで、21世紀がどうなるのかを考え、インターネットによって社会やあらゆる仕組みが変わる過程で、新しい技術を作る、あるいはそういう技術をサービスにして、収益をあげていく、という会社です。これまでも日本の、ある意味では世界的にもインターネットの技術をリードしてきました。例えば、電話線でインターネットにつないでいたダイヤルアップという技術、皆さんは使ったことないでしょうけれど(笑)、あれは私たちが作ったソフトウェアです。自分たちが世界の先端を切って、新しいサービスを作る、あるいは新しい技術を作り出す。そのことによって、世界が変わっていく様子を一番先頭に立ったところから見られるという意味では、IIJという会社は非常に面白い会社ではないかと思います。これからどこの部門に配属されてもぜひその思いだけは共有してほしいなと思います。
自分たちが世の中を変えていく、あるいは自分たちの技術なりサービスによって世の中がどういうふうに変わっていくのだろうかということを、いつもどこかで考えてほしいと思います。そうやって考えていることで、皆さんのような新しい世代の人たちが、本当に会社を変えてくれるのではないかと思っています。ぜひ若々しく、明るく頑張ってください。
お金を"払う"、"もらう"の違いというものを少し考えて、責任感を持って、社会人として大きく成長していただきたいと思います。
IIJグループ 広報部
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