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次世代公衆無線LAN技術(Passpoint)を用いた5Gデータオフローディングに関する研究開発を促進

NICT「Beyond 5G研究開発促進事業」に係る令和3年度新規委託研究を開始

2022年2月14日
国立大学法人京都大学
株式会社Local24
国立大学法人東北大学
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所
株式会社インターネットイニシアティブ
株式会社アイ・オー・データ機器

PDF [553KB]

国立大学法人京都大学 学術情報メディアセンター(所在地:京都市左京区、センター長:岡部 寿男、以下、「京都大学」)、株式会社Local24(所在地:京都市中京区、代表取締役会長:廣瀬 丈矩、以下、「Local24」)、国立大学法人東北大学 サイバーサイエンスセンター(所在地:仙台市青葉区、センター長:菅沼 拓夫、以下、「東北大学」)および、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所(所在地:東京都千代田区、所長:喜連川 優、以下、「NII」)は、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、「NICT」)による「Beyond 5G研究開発促進事業」の「Beyond 5G国際共同研究型プログラム」に採択され(※1)、「次世代公衆無線LANローミングを用いたオープンかつセキュアなBeyond 5Gモバイルデータオフローディング」を課題とし、欧州GÉANT(※2)をEU側研究分担者とする国際共同研究を開始しました。本研究開発には、研究実施協力者として株式会社インターネットイニシアティブ(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:勝 栄二郎、以下、「IIJ」)が、また社会実装協力者として株式会社アイ・オー・データ機器(所在地:石川県金沢市、代表取締役社長:濵田 尚則、以下「アイ・オー・データ」)が参画し協力します。

「Society 5.0」社会では、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たなる価値が生み出されます。あらゆるものがネットワークに接続される社会に対応するため、国内外の主要な携帯電話通信事業者(モバイルキャリア)は、LTE/5Gなどのモバイルデータ通信サービスに加え、通信トラフィックが多く発生するいわゆるホットスポットエリアなどにおいてIEEE802.11系の無線LAN技術を用いた公衆無線LANサービス(以下、Wi-Fiサービス)を展開し、データ通信を振り替えて負荷を分散する「モバイルデータオフローディング」を行っています。
モバイルキャリアによるSIM認証と一元化されたセキュアな認証をWi-Fiサービスのローミングにおいて実現する技術であるPasspoint(※3)と、それに基づいたオープンな国際的公衆無線LANローミングの枠組みであるOpenRoaming(※3)では、モバイル端末がPasspointアクセスポイント(AP)からのビーコンフレーム(※4)を受信すると、SSIDに関わらず、ローミングパートナーと認証タイプを確認し、IEEE802.1Xによる安全な認証を経て自動的に接続されます。
本研究開発では、国際学術無線LANローミングの枠組みであるeduroam(※5)を推進してきた欧州GÉANTと共同で、次世代公衆無線LANローミングであるOpenRoamingを、eduroamや、一般の店舗、商店街、施設、地方公共団体などが提供する無料の公衆Wi-Fiサービスにおいて幅広く利用できるようにするための技術を確立し、Wi-Fi接続をどこでも可能にします(京都大学、Local24、東北大学、NII)。その上で、eduroamで培われた認証連携技術を活用し、大学など学術研究機関のユーザの所属機関等で認証とモバイルキャリアのSIM認証を連携させます(東北大学、NII)。また、 OpenRoamingにおいてユーザの所属機関・属性に応じてローカルネットワーク資源へのアクセスを制御し低遅延でのアクセスを実現できるような、Beyond 5Gに相応しいオープンかつセキュアなモバイルデータオフローディングを実現します(Local24)。(研究開発イメージ1をご参照ください)

さらに、岡山大学と連携し、狭域では高速かつ低遅延ではあるが広域では相対的に不安定になりがちなWi-Fi通信をモバイル通信(携帯電話パケット網)と同時利用し特性に応じた使い分けができるように、新世代のトランスポートプロトコルであるQUICのmultipath拡張を利用した動的な通信経路選択機構に着目し、そのmultipath拡張における動的経路選択機構を研究開発します(京都大学)。(研究開発イメージ2をご参照ください)

現在、通信インフラを持つ携帯電話事業者(MNO)と通信インフラを賃借して営業する携帯電話事業者(MVNO)との接続が高度化し、大手MVNOでは自らSIM/eSIMの管理が可能となりました。研究実施協力者として参画するIIJは、フルMVNO(※6)としてモバイルネットワークの提供および、SIM/eSIMの提供・技術支援を行います。一方、OpenRoamingの普及にはPasspoint対応の無線機器の安定供給が不可欠です。社会実装協力者として参画するアイ・オー・データは、技術協力によりOpenRoaming対応無線LANアクセスポイントの製品化へ向けた検討を行います。ともにITの先進技術企業であるIIJとアイ・オー・データの参画により、研究開発が効率よく行える環境を構築しつつ、社会実装も視野に入れた研究開発を進めます。

研究開発イメージ1

研究開発イメージ1

研究開発イメージ2

研究開発イメージ2

  • (※1)詳細は、「白井データセンターキャンパス 」(NICTお知らせ)よりご覧ください。
  • (※2)GÉANTは、欧州各国のNREN(National Research and Education Network)によって構成される組織であり、欧州委員会(EC)の支援を受け研究・教育のための全欧州・世界的なネットワークとサービスを提供しています。
  • (※3)Passpointは、モバイルデバイスがインターネットにアクセスするため、無線LANアクセスポイントを探知して認証できるようにするプロトコルです。無線LAN製品ベンダーの業界団体であるWi-Fi Allianceにより制定され、世界の主要モバイルキャリアを含む公衆無線LANサービス関連事業者の業界団体であるWireless Broadband Alliance (WBA)が共同推進しています。OpenRoamingは、このPasspointを利用した国際的な無線LANローミング基盤で、国内では2020年に東北大学で初導入されました。詳細は、「https://www.wi-fi.org/discover-wi-fi/passpoint/ 」および「https://wballiance.com/openroaming/ 」よりご覧ください。
  • (※4)無線LANアクセスポイントから定期的に送信される識別信号で、ビーコンにはSSIDやアクセスポイントが対応している速度・対応暗号化情報などが含まれています。
  • (※5)eduroamは、大学等教育研究機関の間でキャンパス無線LANの相互利用を実現する、国際無線LANローミング基盤サービスです。 eduroamは世界各国で展開されており、日本ではNIIがeduroam JPを運営しています。
  • (※6)携帯電話網の中心であり認証機能を司る「HSS」を含んだコアネットワークを自社で保有・運用するMVNOをフルMVNOと呼びます。SIM/eSIMを独自に発行するためにはHSSを自社で管理する必要があります。

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