IIJ、DXパートナーとして大和ハウス工業の「デジタルコンストラクション」を支援

DX実現への様々なプロセスをワンストップでカバーするコンサルティング体制により、建設DX推進をIIJがサポート

2022年8月24日
株式会社インターネットイニシアティブ

当社は、大和ハウス工業が「現場の無人化・省人化」をキーワードに推進する建設DXプロジェクト「デジタルコンストラクション」において、IT、ネットワークの運用管理やシステムインテグレーションの実績を活かし、DXパートナーとして同プロジェクトをサポートしてまいります。具体的には、建設プロセスのデジタル化による業務変革施策の投資効果や重要度を整理・精査し、有望な施策については、その実現に向けた評価検証から、導入・展開までの計画を提案するDXコンサルティングを実施していきます。本パートナーシップの最初の取り組みとして、建設工事の現場確認をリモートで実施する遠隔臨場のシステムを共同開発し、今般、全施工現場への本格導入を開始いたします。

背景

建設業界においては現場作業人材の高齢化が進み、人手不足の解消や生産性の向上が課題となっており、従来大和ハウス工業は、デジタル技術を活用した業務の取り組み・改革を積極的に推進しています。2019年からは「デジタルコンストラクション」プロジェクトを開始し、「現場の無人化・省人化」を掲げ、ロボットやAIを活用した施工現場の効率化や、建設プロセスのデジタル化推進による生産性の向上を進めています。

今回共同開発したシステムの概要

IIJはパートナーシップをとおして業務課題をヒアリングし、500以上の施策やアイデアを創出しました。その中から今回、施工業務の課題解決につながる製品として、「デジコンBOX」を開発しました。本製品は建設現場のデータをネットワークに送信するための通信機器（ゲートウェイ）が収納されており、各施工現場に設置して使用されます。デジコンBOXには、360度全方位で撮影可能な魚眼カメラや光学36倍ズームカメラが接続されており、複数の施工現場の映像データはリアルタイムで「統合ビデオ管理システム」により監視・管理できます。施工現場の遠隔臨場を図ることで、作業者の移動負担削減や業務効率向上が可能となり、あわせて工程管理や安全管理の高度化も図れます。

1.デジコンBOX

デジコンBOX

厚さ16.5cm、約30cm四方のサイズで、防水・防塵に対応しています。デジコンカメラのほかに、ビーコン（電波受発信器）や環境センサー（温度、気圧、紫外線、CO2、騒音など）を接続し、データを取得・記録したり、業務と連動したりすることも可能です。

2.統合ビデオ管理システム管理画面（イメージ）

統合ビデオ管理システム管理画面（イメージ）

建設現場のモニタリング運用を統合管理する統合ビデオ管理システムです。画面操作の統一化、データの集約化などにより、担当者の管理負荷を軽減します。例えば、施工現場の安全確認や、部材の設置状況などを遠隔で管理することで、現場監督や担当者が現地に足を運ぶことなく、いち早く施工状況を確認できます。

3.スマートコントロールセンター（SCC）における遠隔臨場の様子

スマートコントロールセンター（SCC）における遠隔臨場の様子

デジコンBOXから収集されたデータは、全国12ヵ所にある、複数の施工現場映像や作業員のデータを一元管理し、モニターを通じて遠隔管理するシステム「スマートコントロールセンター」においても遠隔でモニタリングできます。リモート環境での品質管理や安全管理などを実現し、現場との密なコミュニケーション・作業効率の向上を実現します。

IIJは引き続き施工管理の省力化・生産性の向上に努めるほか、設計段階におけるデジタル技術の導入をとおして、大和ハウス工業とともに建設業界のDXを牽引すべく新たな価値創出に取り組んでまいります。例えば、IoTセンサーやネットワーク機器を設計段階から建物に組み込むことにより、入居者や利用者の安全性向上など、これまでにない顧客体験の提供を目指します。

IIJでは今後も、DX推進コンサルティングの実施体制を強化し、一般的なコンサルティングサービスの提供や、個別のシステム開発だけでなく、開発から運用まで包括的なICTプロジェクト支援を他業界のお客様にも展開してまいります。

報道関係お問い合わせ先

株式会社インターネットイニシアティブ　広報部

〒102-0071　東京都千代田区富士見2-10-2　飯田橋グラン・ブルーム