IIJ、積水化学工業のグローバル認証基盤を構築 | IIJについて

高い技術力とID統合管理の豊富な実績をもとに内部統制の強化と国内外3万ユーザの利便性向上の両立を実現

2023年3月29日
株式会社インターネットイニシアティブ

当社は、積水化学工業株式会社（以下、積水化学工業）の各カンパニーやグループ会社が個々に運用していた認証基盤を統合するため、国内外グループ会社間共通のグローバル認証基盤を構築し、グループ統一の認証ポリシーの導入を支援しました。現在、国内グループ会社約2万人のユーザが新認証基盤を利用し、SSO（シングルサインオン）でITサービスを統合的かつ安全に利用しています。既存認証方式からの切替を同社自身が行うにあたり、当社は作業を実施する上で必要な切替方針や注意事項をまとめた「認証切替ガイドライン」も提供し、移行支援を行いました。

背景

積水化学工業は、カンパニー制のもと多様なビジネスを国内外で展開していますが、各カンパニーや海外拠点が個々に異なる認証サービスを導入・運用していたため、認証方式や手順が多様化し、管理も煩雑化していました。また各認証サービスはカンパニー毎に個別運用されているため本社からの統制が難しく、セキュリティ面でも課題がありました。さらに同社は、近年、グローバル戦略を強化しており、中長期的な経営戦略の一環で積極的なM&Aを推進しているため、新たな会社がグループに加わる際に、運用管理、セキュリティ面で同様の課題が発生する可能性がありました。こうした課題解決のため同社では、乱立する認証サービスを集約して共通のグローバル認証基盤を構築し、グループ統一の認証ポリシーの策定を目指すに至りました。

経緯

同社ではオンプレミス環境で利用しているActive Directoryの統合に加え、Microsoft 365の導入も計画していたため、認証基盤としてAzure ADの採用を決定しました。続いて検証を通じて実際に複数のシステムで認証切替が正常に行えることを確認し、グループで利用している約1,000のアプリケーションの認証について棚卸しも行いました。移行にあたって、旧認証方式からの切替は自社で行うという同社の方針に沿って、当社はアプリケーションごとにAzure ADへの切替に必要な情報（制約条件や認証連携方式の採用方法など）をまとめたガイドラインを作成しました。現在、国内グループの全ユーザに相当する約2万IDがグローバル認証基盤の利用を開始しており、今後は欧州、米国など海外グループ会社の認証統合も順次進める計画です。

効果

グループ全体で認証基盤を共通化することで、各カンパニーが個別に行っていた認証関連作業が不要になり、組織やシステムの追加時にも新しい認証ポリシーを即座に適用することが可能になりました。さらに新認証方式では、ユーザは専用ポータルからアプリケーションを選択し、SSO（シングルサインオン）でアクセスできます。この結果、認証セキュリティレベルが統一され、かつシステムやアプリケーションごとに認証手順を使い分ける必要がなくなり、内部統制の強化とユーザの利便性向上の両立を実現しました。