IIJ、千葉県白井市の圃場でスマート農業の実証実験を実施

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当社は、千葉県白井市より圃場（約68.5a）を借り受け、田起こしや代掻きから、田植え、稲作の生育管理、稲刈りまでの一連の稲作作業において、IoTデバイスや通信に用いる無線技術等の有用性を検証する実証実験を、本年2月から10月まで行います。

具体的には、現在開発中の水位・水温を測定する水田センサー、遠隔で圃場の水位を調節できる自動給水装置、気象センサー等のIoTデバイスを圃場に設置し、LoRaWAN®、Private LoRa、Wi-Fi HaLow™（※1）を用いたデータ送受信の試験等を通じ、現場環境におけるセンサーの正常稼働の確認、稲作作業の労働負荷削減および節水の効果測定、作物の収穫量や品質の評価を行います。

また、白井市では、特産品である梨の収穫量向上や鳥獣害対策、農業就業者の高齢化などが課題となっており、当社は白井市産業振興課と協力し、これらの分野においてもスマート農業による課題解決を進めてまいります。

• （※1）LoRaWAN®、Private LoRa、Wi-Fi HaLow™はいずれも免許が不要な周波数920MHz帯で利用でき、低消費電力かつ長距離通信を特長とするIoT/M2Mに最適な無線通信技術です。Wi-Fi HaLow™はWi-Fiと同様にIP通信が可能であり、汎用性の高い規格です。

背景

当社は、2017年に農林水産省の公募事業に参画して以来、農作物の生産管理、農作業の負荷軽減、耕作地やため池などのフィールド監視・管理等のスマートの農業の推進に力を入れてきました。既に北海道や宮城県をはじめ、全国の50を超える農業法人や自治体でスマート農業の導入を支援しています。そして今年度、農林水産省情報通信環境整備準備会（※2）の事務局を担当することになり、農業農村インフラ管理の省力化・高度化およびスマート農業の実装を図り、地域活性化にも活用できる情報通信環境を整備する取り組みを幅広くサポートしています。

• （※2）農業農村情報通信環境整備準備会：https://nn-tsushin.jp/

実施内容

圃場には、自社開発中および本取り組みの協力会社の製品を使った数種類の水田センサー、自動給水装置、気象センサー、圃場カメラを設置し、主に以下の試験および検証を行います。

• 試験対象デバイスの測定誤差確認、環境に起因する動作不良等の検証
• 水温の高温対策システムの試験
• 稲作作業の削減効果、および節水効果の検証
• 作物の収穫量や品質の評価
• IoTデバイス間のデータ連携
• LoRaWAN®、Private LoRa、Wi-Fi HaLow™の通信環境テスト
• 自社試作品試験、他社メーカー製品の販売前の実地試験

各デバイスから取得したデータは当社の提供する「IIJ水管理プラットフォーム for 水田」等に集約のうえ可視化し、農家、白井市、IIJがスマートフォンやPCなどで閲覧が可能です。また水位や水温調整は自動給水弁を用いて遠隔でコントロールし、現場での作業を必要最低限に抑えて省力化を図ります。

システムイメージ図

作業風景（2024年5月田植え時）

白井市には当社のデータセンター「IIJ白井データセンターキャンパス」があり、2019年より運用しています。 そして今回、新たに取り組む実証実験を通して、さまざまな成果やノウハウを得ることで、 地域の皆さまとともに地域課題の解決や地域の活性化を目指してまいります。

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