IIJ、企業におけるID・組織情報を時系列で管理できる「IIJ IDガバナンス管理サービス」を提供開始 | IIJについて

過去・現在・未来のID・組織情報を一元管理し、人事イベントを起点にしたID管理を自動化

2024年7月31日
株式会社インターネットイニシアティブ

当社は、IDや組織マスタを時系列で一元管理できるクラウド型IDガバナンス管理サービス「IIJ IDガバナンス管理サービス」を、本日より提供開始いたします。本サービスは、社内システムやさまざまなSaaSへのログインに用いるアカウント情報などを管理するID管理機能だけでなく、入退社・異動や組織改編などの人事イベントに対応した日本企業が求める組織マスタ管理および権限管理を有し、なおかつそれらの情報を時系列で管理することが可能です。これにより、ID管理の効率化、コストの削減やセキュリティの強化、組織で使用されるIDと権限情報の一元管理が可能なほか、時系列管理機能により、ユーザの入社から退社までのIDライフサイクルに応じて変化する情報を切れ目なく管理することが可能で、管理者は過去・現在・未来の任意の時点の情報をWeb UI上で確認および調査することができます。

（※）本サービスでは、統合ID管理プラットフォームを提供する株式会社イエソドの技術を採用しています。

背景

オフィス勤務とリモートワークを併用するハイブリッドワークの増加や、SaaSとオンプレの併用拡大を背景に、働く場所を選ばず安全かつ快適に業務ができる環境の整備が求められています。これにより、企業のITシステムがネットワーク利用を前提とする形にシフトしていることに加え、組織や雇用形態の異なる多様なユーザが情報資産にアクセスするようになり、ユーザ認証の要となるID管理には、これまで以上に高度なセキュリティときめ細かな管理・制御機能が求められています。

当社では、お客様のデジタルワークプレース（DWP）（※1）への移行を支援するにあたり、IDセキュリティをゼロトラスト（※2）実現の重要要素のひとつと位置づけ、従来、Active Directory（AD）機能をクラウド型で提供する「IIJディレクトリサービス for Microsoft」、不正ログイン対策とシングルサインオンを実現する「IIJ IDサービス」を提供していますが、この度リリースする「IIJ IDガバナンス管理サービス」により、多様なマスタ情報、連携先サービスのアカウント、権限情報などの統合管理といったIGA（※3）機能も提供し、従来のサービスと合わせて企業のID管理要件にさらに広く対応することが可能になりました。

（※1）デジタルワークプレース：デジタル技術を最大限に活用し、仕事環境を整備することで「人」や「企業」を活かす企業戦略。
（※2）ゼロトラスト：「社外は危険・社内は安全」という境界型防御の考え方と異なり、「すべて信頼できない」ことを前提に常に安全性を検証して対策を講じるセキュリティの考え方。
（※3）IGA（Identity Governance and Administration IDガバナンス管理）：従来のID管理機能に権限管理や監視・制御機能を組み合わせた考え方。

特徴

日本企業で要望の多い人事イベントに対応したID・組織マスタ管理

社員属性や組織マスタ、SaaS連携先サービスのアカウントおよび権限といったID管理に求められるさまざまな情報を統合管理することが可能です。また、従来のIDガバナンス管理サービスでは新たにシステム開発を行い実装する必要があった、入退社、兼務、組織の大規模改編等の人事発令日に登録し、実施日にその結果を反映させるといった日本企業ならではの人事イベント対応機能を、標準で提供します。

IDライフサイクルに応じて変化する情報を切れ目なく時系列で管理

従来のID管理サービスにはないカレンダー機能を搭載しており、任意の過去日・現在・未来日に遷移し、その時点でのID・組織マスタ情報を確認することができます。これにより、インシデントが起きた際は、従来のID管理サービスのようにバックアップやログとして残っている過去の断片的な特定時点ではなく、連続性と整合性を保ちながらその時点前後のIDや権限情報を確認することができ、調査の効率化を図ることができます。また、組織の大規模改編等を予定している未来の時点において、データが正しくID・組織マスタ情報に反映されるかシミュレートする、という使い方も可能です。