ページの先頭です


ページ内移動用のリンクです

  1. ホーム
  2. IIJについて
  3. 情報発信
  4. プレスリリース
  5. 2024年
  6. IIJ、錢高組と建設現場におけるLoRaWAN®を活用した現場環境データの収集・分析システムの実証実験を実施

IIJ、錢高組と建設現場におけるLoRaWAN®を活用した現場環境データの収集・分析システムの実証実験を実施

高所作業車の稼働状況可視化などにより、建設現場の生産性向上が可能に

2024年11月6日
株式会社インターネットイニシアティブ

PDF [568KB]

当社は株式会社錢高組と、同社が建設中の物流施設において、高所作業車の稼働状況や熱中症対策の暑さ指数など、建設現場の様々な環境データを収集・分析するため、IoT向け無線通信規格LoRaWAN®(※)によってセンシングおよびモニタリング環境を構築する実証実験を実施しました。

その結果、LoRaWAN®を活用することで広大な建設現場においても少ない無線基地局で、高所作業車の稼働状況および位置情報の把握、熱中症対策や作業進捗データなどの把握ができ、このような現場環境データの収集・分析により、建設現場の生産性向上が可能であることを確認いたしました。

  • (※)LoRaWAN®(ローラワン):免許が不要な周波数920MHz帯で利用でき、低消費電力かつ長距離通信を特長とするIoT/M2Mに最適な無線通信技術。LPWA(Low Power, Wide Area)の無線通信プロトコルの一種。

背景

建設会社では高所作業車をレンタル会社から借用するのが一般的であり、その借用台数は現場責任者の経験値に基づいて決められますが、工事の状況によっては高所作業車の過不足が発生し、作業進捗のコントロールやレンタルコストの最適化のためには稼働状況の正確な管理が不可欠です。一方で現場の規模によっては数百台が同時に稼働することがあり、アナログ管理では限界があるのに加え、一般的にIoTのセンサー通信で利用されることの多いBluetooth方式では、無線基地局あたりのカバーエリアが狭く基地局台数がかさむため、導入コストや設置作業の負担が増加するという課題があります。こうした課題をうけ、広大な建設現場でも容易かつ低コストに高所作業車の稼働状況をモニタリングし、作業効率の向上とコストの最適化を図ることができる仕組みが求められています。

さらに、建設機械の稼働データ以外にも、近年高温が続く建設現場における熱中症対策のための暑さ指数(WBGT)の計測や、建設機械の鍵の管理、作業進捗状況を把握するための定点写真の記録など、建設現場の様々なデータを収集・分析し、作業効率、安全対策向上を図りたいというニーズが高まっています。

実証実験の概要

当社と錢高組は、同社が建設中の1フロア約30,000㎡の物流倉庫の建設現場において、1台の無線基地局で広範囲をカバーできるLoRaWAN®を使った「IIJ LoRaWAN®ソリューション」を利用し、各フロアに2台ずつ無線基地局を設置することで、現場環境データを収集するネットワークを構築しました。

また、建設工事が進み、屋根や壁面、扉が完成するなど現場環境が変化しても、基地局の設置位置を変更することなく現場の各所に設置したセンサーとの通信を確立でき、建設現場においてもLoRaWAN®を活用することで、効率的なセンシングが可能な無線ネットワークが構築できることを実証いたしました。

さらに、無線基地局とデータ分析を行うクラウドとの間は「IIJ モバイルサービス/タイプI」によるLTE回線で接続し、IIJと錢高組の両社で様々なセンシング・モニタリングデータの可視化および分析を行いました。

実証実験期間

2023年8月~2024年2月

データ収集・分析の詳細

高所作業車の稼働状況・位置状況管理

振動センサーとマグネット開閉センサーを高所作業車のモーター付近に取り付けることで稼働状況を計測し、ビーコンによる位置測位を行って高所作業車の位置情報を可視化しました。また、取り付け方法を工夫することで、マグネット開閉センサーのみでも高所作業車の稼働状況を正確に把握できることを確認しました。

高所作業車の鍵管理

高所作業車用の鍵にBluetoothビーコンを取り付け、LoRaWAN®通信への変換機と組み合わせることで、ビーコン情報収集機が取り付けられた鍵置き場周辺に鍵があるかどうかを判定しました。

熱中症対策

小型の WBGT(暑さ指数)トランスミッタを屋外に設置して WBGT 値を測定したり、心拍数・皮膚温管理が可能なスマートウォッチをガードマンに装着して体調管理をしたりしたほか、建物内に温湿度センサーを設置して環境データを可視化することで、建設現場の熱中症対策を行いました。

作業進捗把握

建設現場では日々現場の写真を撮影することで作業の進捗状況を把握していますが、LoRaWAN®で画像を送ることができる静止画カメラを設置して静止画を自動撮影し、毎日クラウドに保存することで、作業員による手動の写真撮影、保存作業を不要にしました。

以上のように、低コストで導入が可能なLoRaWAN®を活用することで、広大な建設現場においても少ない無線基地局で様々な現場環境データの収集・分析が可能となり、建設現場での作業効率、安全対策向上が図れることを確認いたしました。

イメージ図

イメージ図

各サービス、ソリューションについては以下サイトをご参照ください。

IIJはこれまで、産業、農業、食品など様々な分野において、LoRaWAN®を活用したIoTソリューションを提供していますが、今後も幅広い分野での展開を進めてまいります。

報道関係お問い合わせ先

株式会社インターネットイニシアティブ 広報部

〒102-0071 東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム

プレスリリースのメール配信(報道関係者向け)について

プレスリリース公開時にメール配信を行っています。ご希望の方は以下のフォームよりお申し込みください。

取材のお申し込みについて

取材のお申し込み/お問い合わせは、広報部にお電話またはメールでご連絡いただくか、以下のフォームよりお申し込みください。

  • (※)本プレスリリースに記載されている社名、サービス名などは、各社の商標あるいは登録商標です。

法人サービス 

Get ACROBAT READER

ページの終わりです

ページの先頭へ戻る