上杉氏
当社は以前から「IIJセキュアMXサービス」「IIJセキュアWebゲートウェイサービス」などを利用しています。新たなヘルプデスク体制の構築と運用確立を検討している際、IIJと接点のある担当者から、IIJの子会社であるIIJエンジニアリングが「ヘルプデスクソリューション」を提供していることを教えてもらったのです。そこからコンタクトを取り、サービスを提案してもらいました。
上杉氏
問い合わせ件数を低減するとともに、問い合わせ対応範囲も拡充し、これを全社的な運用最適化につなげたいと考えていました。そのため、定義したKPIの達成に向けてPDCAサイクルを回し、サービスレベルを維持・向上できることを求めていました。AIチャットボットなどの活用による省力化・効率化も視野に入れていたので、新たな技術やツールを柔軟に取り込んで活用できる高い技術力も求めました。
IIJはオフサイト専用型センターを軸にヘルプデスク体制を確立し、トータルにサポートを提供してくれることが決め手になりました。専任スタッフをオンサイトにも配置し、オンサイト/オフサイトの連携でサポート業務やKPIを管理し、マニュアルの見直しなどもサポートしてくれます。
山元氏
問い合わせ対応件数に応じた従量課金制であることも、大きなポイントになりました。ヘルプデスクへの問い合わせは年間を通じて増減がありますが、従量課金なら稼働した分だけのコスト負担で済みます。問い合わせ件数の削減が進めば、サービス全体のコスト低減も見込めます。
山元氏
2021年3月に商談を開始し、同年8月より社内ヘルプデスクと一部の社外ヘルプデスクで稼働を開始しました。開設準備からヘルプデスク実務に至るまで非常に満足のいくものだったため、その後、順次導入領域を拡大しました。現在、社内ヘルプデスクの対象者は本社・支社・グループ会社を含むパソコン所持者約6,000名。社外ヘルプデスクは当社のシステムを利用する販売店やサプライヤーを中心に、約1,000社。それぞれの一次対応をIIJグループに委託しています。
コロナ禍で出社が制限された時は、ヘルプデスク対応ができないといった事態が発生しましたが、オフサイト型になったため、社員が出社しなくても問い合わせ対応を継続できるようになりました。
山元氏
実は従来のヘルプデスクではKPIの設定は行っていなかったのです。KPIの項目と目標値の設定をどのようにするべきか悩みましたが、IIJグループの知見と経験が大いに参考になりました。
またヘルプデスクから情報システム部へエスカレーションする際、Excelの「担当表」に問い合わせ対象のアプリや担当者名を記録するのですが、あるアプリケーションに関する問い合わせでも、機能によって担当が分かれていて、担当表の記載と実際の担当者が異なることがあります。IIJのオンサイト担当者はこのことを部内関係者に相談し、情報の更新とルールの変更まで行ってくれました。大変感謝しています。
山元氏
オンサイトとオフサイトが連携し、KPI項目の内容や目標値、マニュアルの見直しなども適宜行ってくれるので、安心して任せられます。例えば、電話に受話できた割合を示す応答率は月間75%以上を目標としていますが、2022年6月の実績は86.7%。電話件数削減率は月間目標値20件減に対し、実績は320件減。問い合わせメール受信から1次回答まで1営業日以内に回答する割合は月間目標90%以上に対し、ほぼ100%に近い98.2%を達成しています。
上杉氏
毎月目標値を達成しており、素晴らしいと思います。ヘルプデスク利用者を対象に2022年6月に行ったアンケート結果でも「満足している」「どちらかと言えば満足」の合算で81.8%。想定以上に高い数字で、こちらも非常に満足しています。
ユーザからの問い合わせ件数も減少傾向にあります。サービス導入前の2020年10月のヘルプデスク対応件数は月間930件でしたが、2022年10月には626件に減少。エスカレーションされる情報システム部の対応件数も同じく月間1,323件から1,048件に減少しました。
一方、チャットボットの対応件数は2021年10月から集計を始めましたが、その時点で月間185件だったものが2022年10月には487件に増加しています。
チャットボットで解決できるものは電話やメールで問い合わせをせず、自分で解決するというユーザが増えているようです。この取り組みを加速して情報システム部の負担軽減を図り、DX戦略の推進につなげていきたいですね。
山元氏
AIをはじめとする新技術を活用し、チャットボットの高度化やマニュアルレスの問い合わせ対応を進め、スキルの平準化と業務効率化を加速したい。今後も運用改善に向けた積極的な提案をお願いします。
上杉氏
社内/社外ヘルプデスクは現在のところ国内が対象ですが、今後は海外拠点のヘルプデスク対応を巻き取ることも考えています。グローバルに事業を展開するIIJグループの強みを活かし、将来的な展開についても引き続きサポートを期待しています。
※ 本記事は2022年9月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
サービスレベルが安定せず、社員の期待に応えられない
御社の事業概要を教えてください。
オカムラ 上杉英之氏
当社は家具や店舗用什器などを製造・販売する会社です。主力事業の1つがオフィス家具の提供とオフィス空間ソリューション事業です。時代のニーズを捉えた働きやすいオフィス環境づくりに貢献しています。
コロナ禍をきっかけにテレワークが普及し、企業の働き方は大きく変わりました。ハイブリッドワークを支える新しいオフィス案件のご相談が増えています。当社もニーズの変化に応えるソリューション提案に力を入れています。
ビジネスの中でITをどのように位置付け、どのような施策を展開していますか。
上杉氏
多様化するお客様ニーズや社会課題に柔軟かつ機動的に対応するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)を全社的に推進しています。全社員にDX教育を実施しているほか、意欲的な人材を募り、DXによる体験価値の向上を図る製品・サービス開発に取り組んでいます。
当社自身がオフィス空間ソリューションを提供するため、自社の働く環境づくりには以前から積極的に取り組んでいます。ビジネス部門のオフィス環境はフリーアドレス環境を整備し、テレワークによる自由な働き方も推進しています。
2022年6月には情報システム部やDX戦略部のオフィス変革も実現しました。「ユーザへ発信し続ける。ユーザの未来を考える。ユーザの価値を創造する」というコンセプトを掲げ、働く場を「Digital Villa」として再定義。自席を定めないフリーアドレス環境を整備し、在宅勤務も推進するなど「人が活きる」組織づくりを進めています。さらに「守りを固め、攻めを支える。そして、攻めのウェイトを高めていく」という方針の下、部内業務のペーパレス化、ワークフローの電子化、チャットボット活用などを推進しています。
お客様向けソリューションでは、什器の温度管理をリモートで行う保守サービスを提供しています。将来を見据え、メタバースによる新しいワークスペースの開発にも取り組んでいます。
従来のヘルプデスクにはどのような課題があったのですか。
オカムラ 山元崇央氏
社内ヘルプデスクは問い合わせの一次対応を受け付けます。問い合わせで多いのは、社内システムやOfficeアプリの使い方や不具合への対処、パソコンの操作や故障の相談などです。派遣社員3名と正社員2名の体制で運用していましたが、派遣社員は契約期間満了前に離任してしまうことがありました。新たに着任すると1ヵ月程度の研修が必要なため、業務習熟に時間がかかります。経験も浅いためFAQはあっても必要な情報になかなかたどり着けず、サービスレベルは決して高いとは言えない状況でした。
上杉氏
社内ヘルプデスクの一次対応で解決できない問題は情報システム部へエスカレーションされます。またこれとは別に当社のシステムを利用する外部のサプライヤー様向けの社外ヘルプデスクもあります。こちらもシステムの使い方や不具合などの一次対応を行い、それでも解決できない場合は情報システム部へエスカレーションされます。いずれもエスカレーション件数が増えると、本来業務が圧迫されてしまいます。情報システム部の負担を減らし、DX推進のための時間を増やしたいと考えていました。