コロナ禍で働き方はどう変わったのか?
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、私たちの社会や暮らしは大きく変化しています。これまで「当たり前」と思っていた仕事の進め方は数カ月でガラッと変わり、リモートワークの普及、TeamsやZoomなどの新たなコミュニケーションツールの利用が一般化しました。以下は「新しい働き方」の一例ではありますが、デジタルトランスフォーメーション(DX)や働き方改革など、多くの企業が目指してきた方向に向かって一気加速することとなり、コロナウイルスをきっかけとなって企業は大きな変革期を迎えています。
世界的にコロナウイルスの収束が見えない中では、今後さらにこの流れが加速し・発展していくと予想されます。
それに伴って、情報システム部門が担うITガバナンスやセキュリティマネジメントの在り方は、大幅な見直しを迫られています。
新しい働き方例
Before コロナ | After コロナ | |
---|---|---|
リアルオフィスへの出社 | → | 在宅勤務・リモートワーク |
対面による会議・商談 | → | WEB・電話等による会議・商談 |
紙面でのドキュメント管理 | → | 電子化・クラウド管理 |
電話・メール | → | ビジネスチャットの活用 |
書面への捺印・押印 | → | 電子捺印、捺印の廃止 |
時間管理による評価 | → | 成果主義の導入 |
「新しい働き方」はどんな課題点を浮き彫りとしたのか?
「新しい働き方」はよい影響をもたらす一方で、これまで見えてこなかった様々な課題に直面する企業が急増しています。
1. リモートワークの普及に伴う課題
在宅勤務によるリモートワークの普及に伴って、VPNの利用者が短期間で急増しました。その上、WEB会議や音声会議、仮想デスクトップなどといった、よりリアルタイム性が求められる通信の用途が増加し、従来の使い方では見えてこなかったVPNの課題が浮き彫りとなりました。
- 利用者急増によるリモートアクセスサーバのキャパシティオーバー
- WEB会議時の通信遅延や切断
- 社内サーバへのアクセス遅延
- 接続数増加によるネットワーク回線逼迫 等
2. セキュリティの課題
ウイルス対策用品を扱うと称した偽の販売サイトや、不正な定額給付金申請代行サイトなど、新型コロナウイルス感染症の拡大に便乗した悪質なサイトが急増し、クレジットカードや銀行口座番号等の情報が漏えいするセキュリティインシデントが多く発生しています。
さらに、セキュリティ対策が十分でない在宅勤務環境のネットワークや私物のPCなど、これまで想定されていなかった環境から社内ネットワークへのアクセスが増え、社内にマルウェアが侵入する危険性が増しています。
- フィッシング・なりすましメール等によるウイルス感染
- 悪意のあるWEBサイトへのアクセスによる情報漏えい
- フリーWi-Fiなど信頼性の低いネットワークを介したPCのマルウェア感染
- すでにマルウェアに感染した自宅のネットワーク・私物PCを経由した社内情報資産へのアクセス 等
3. 海外拠点の課題
日本と比較して厳しい外出制限がかけられた国も多く、特に海外拠点のリモートワーク需要が増加しています。海外拠点は本社から目が届きにくく、セキュリティ対策や社員に対するセキュリティ教育も十分でない場合が多く、ネットワーク、システムおよびセキュリティの課題解決を検討するだけでなく、グループ全体でITガバナンスをどうしていくべきかをあわせて検討することが喫緊の課題となっています。
- 国内サーバへのリモートアクセス遅延
- 本社が管理していないクラウド利用
- 本社・現法間のITガバナンスの統一性 等
4. 在宅勤務者の勤怠に関する課題
在宅勤務時の勤怠状況は自己申告となり、コロナ前と比較して、勤務時間を正確に把握することが困難になっています。各国の法令に定めた通りにきちんと休憩を取得しているかなどの雇用者側の視点、かかった作業分だけきちんと就業時間を報告できるのかなどの従業員側の視点、両方の視点からみても、在宅勤務の勤怠に関しては多くの課題が浮かび上がっています。
- 在宅勤務時の過重労働
- 法で定めた休憩時間を取得しないことによる法令違反
- 勤務時間を過大に報告することによる、違法な賃金請求
- 勤務時間の申告に関する従業員からのクレームや訴訟
ITの専門家が課題解決を支援
弊社グループは、ネットワーク・システム・セキュリティ等のインターネットサービス基盤を構築のうえ、その規模を順次拡大してまいりました。この国内屈指のインターネットサービス基盤にシステムインテグレーションを併せ、相乗効果を発揮しながら、お客様の課題解決を支援してまいりました。お客様の目指す情報システムの全体像を共に描き、アフターコロナの情報システムの在り方を一緒に実現していければと思います。