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コラム|Column

POINTS
  • 海外拠点の情報セキュリティリスクを理解し、適切な対策を講じたい
  • 顧客や取引先からの信頼を維持し、事業継続に役立つセキュリティ対策を知りたい
  • 社員教育や監査を含む、情報セキュリティガバナンスの具体的な実践方法を学びたい

コロナ禍を経て、グローバルビジネスを再び加速させる企業が増える中で、海外拠点のセキュリティ対策が再び重要視されています。特に、サプライチェーン攻撃による業務停止や、機密情報の情報漏洩などが世界各国で増加しており、適切な対策が求められています。

本記事では情報セキュリティガバナンスの実践方法を分かりやすく解説し、海外拠点のセキュリティ管理を強化するための具体的なアプローチを提案します。ぜひ本記事を参考に、グローバルなビジネス展開を安全かつ効率的に行うための情報セキュリティガバナンスを実践してみてください。

情報セキュリティガバナンスとは?

情報セキュリティガバナンスとは、企業が情報資産を適切に管理し、セキュリティリスクを最小限に抑えるための組織的な取り組みのことを指します。企業全体のセキュリティ環境を向上させ、法令遵守や顧客・取引先からの信頼維持にも繋がる重要な仕組みです。

具体的な方法としては、情報セキュリティポリシーの策定、リスクの管理、セキュリティ統制の実現、社員教育、監査などがあります。特にグローバルにビジネス展開を行う企業にとって、海外拠点を含めた情報セキュリティガバナンスの実践が不可欠となっています。

情報セキュリティガバナンスの重要性

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情報セキュリティガバナンスが重要である理由について、リスクマネジメント、法令や規制への対応、信頼維持の観点から説明します。

1. リスクマネジメントの一環として

情報セキュリティガバナンスは、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクが増える現在において、企業のリスクマネジメントの一環として強化の必要のあるリスク管理です。

具体的には、国内拠点だけではなく海外拠点でもセキュリティ対策を見直し、「侵入を防ぐ」「拡大を防ぐ」「外部流出を防ぐ」「証跡が追える」の4つのポイントに注意することで、サプライチェーン攻撃のリスクを軽減することができます。

2. 法令や規制への対応として

情報セキュリティガバナンスは、法令や規制への対応としても重要です。特に、ASEAN地域や欧米では次々に個人情報保護法が成立・施行されており、法令違反が発生した場合、現地の法令で裁かれる可能性があります。

海外拠点が現地の個人情報保護法に違反した場合、企業は罰金や業務停止、事業ライセンスのはく奪などの制裁を課せられる可能性があり、事業継続にリスクが及ぶかもしれません。

3. 顧客や取引先からの信頼維持として

情報セキュリティガバナンスは、顧客や取引先からの信頼を維持するためにも重要です。企業が適切な情報セキュリティ対策を実施し、リスク対策を適切に管理することは、顧客や取引先の信頼を得る事につながります。

強固な情報セキュリティガバナンス体制を確立することは、現在の情報を守る盾となるだけではなく、今後新規顧客を獲得する上でも重要な武器となってくるでしょう。

情報セキュリティガバナンスの具体的な実践方法

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情報セキュリティガバナンスを実践するための具体的な方法として、まずセキュリティポリシーの策定が重要です。ポリシーの目的と内容を明確にし、策定方法と適用範囲を適切に設定することで、企業全体で情報セキュリティを遵守・管理する土台を作り上げます。

同時に、セキュリティ統制の確立も欠かせません。アクセス制御の実施、パスワードポリシーの策定、システムログの監視と分析を通じて、情報システムやデータの機密性、完全性、可用性を保ちます。

さらに、情報セキュリティガバナンスの実践には、社員の定期的な教育と監査の実施が重要です。社員教育を通じて情報セキュリティに関する知識や意識を高め、監査を実施することは組織の情報セキュリティ対策の適切さを評価し、改善する事につながります。

ここからは、それぞれの具体的な内容について解説します。

1. セキュリティポリシーの策定

情報セキュリティガバナンスを実践するためには、まずセキュリティポリシーの策定が必要です。セキュリティポリシーの目的は、企業の情報資産を保護し、法令遵守や信頼性を確保する事なのでその基本的な方針を定めます。

具体的には、情報セキュリティの基本方針、責任者の役割や責任、従業員の教育や訓練、アクセス権限の管理、データの取り扱いや保存、インシデント対応、定期的な監査や改善などの項目が挙げられます。セキュリティポリシーは、企業の情報セキュリティ対策の基盤となるものであることから、これらの目的と内容を明確にすることが重要です。

a. セキュリティポリシーの策定方法と適用範囲

セキュリティポリシーを策定する際は、企業のビジネス目的やリスク状況を考慮し、関係者全員が参加するプロセスを経ること。また、海外拠点を含めたグループ全体で適用されるように、適用範囲を明確に定めることが重要です。

セキュリティポリシーの策定方法と適用範囲を明確にすることで、海外拠点においても現地の法令や規制に対応したセキュリティポリシーを適用し、それに基づいて従業員の教育や訓練を行うことが可能になります。これにより情報セキュリティガバナンスを強化することができます。

2. セキュリティ統制の確立

セキュリティポリシーの策定に加えて、情報セキュリティガバナンスを実践するためには、セキュリティ統制の確立が必要です。セキュリティ統制とは、情報システムやデータへのアクセスを適切に管理・制限し、機密性や完全性、可用性を維持するための仕組みです。

ここでは3つの具体的な方法を紹介します。

a. アクセス制御の実施

アクセス制御は、情報システムやデータへのアクセスを適切な権限に基づいて管理することです。これにより、従業員が必要な情報にアクセスできる一方で、不必要な情報へのアクセスを制限し、情報漏洩や不正アクセスのリスクを軽減できます。 具体的な施策としては、役職や部署に応じたアクセス権限の設定や、不正アクセスを検出するためのアラートシステムの導入などが挙げられます。

b. パスワードポリシーの策定

パスワードポリシーは、パスワードの取り扱いや管理に関するルールを定めたもので、情報セキュリティの基本的な要素です。強固なパスワードポリシーを策定し、従業員に周知徹底させることで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを軽減することができます。 パスワードの長さや複雑性、更新頻度、再利用禁止などの基準を設定する事。また、パスワード管理ツールの導入も考えられます。

c. システムログの監視と分析

システムログの監視と分析は、情報システムの運用状況やセキュリティ上の問題を把握し、対策を講じるための重要な手段です。システムログには、アクセス履歴やエラーメッセージ、セキュリティイベントなどの情報が記録されており、ログを分析することで、不正アクセスやシステム障害の兆候を早期に検出し、適切な対応が可能となります。 定期的にログの監視により、異常なアクセスや操作を検出した際に速やかな対策を実施でき、問題や脅威の拡大を防ぐことができます。

3. 社員教育の実施

情報セキュリティガバナンスを実践するためには、社員教育の実施も重要です。いくら強固なセキュリティガバナンス体制を構築しても、社員が情報セキュリティに関する知識や意識をもっていなければ、組織全体のセキュリティ対策が脆弱なものとなってしまいます。

そこで、定期的に情報セキュリティ研修を実施し、社員にセキュリティポリシーの遵守やリスク管理、安全な情報取り扱いの方法を理解させることが必要です。社員教育を通じて、情報セキュリティガバナンスの実践を支える人材を育成し、情報セキュリティ体制の強化を行いましょう。

4. 監査の実施

情報セキュリティガバナンスを実践する上で、定期的な監査の実施も必要です。監査は、組織の情報セキュリティ対策が適切に機能しているかどうかを評価し、問題点や改善点を明らかにするための手段です。

内部監査や外部の専門家による監査を実施し、情報セキュリティポリシーやセキュリティ統制の適用状況、社員の意識や行動などを評価することが考えられます。情報セキュリティ上のリスクは日々新しい脅威との戦いでもあるため、監査の結果をもとに、情報セキュリティガバナンスの取り組みを見直し、改善しつづけることが重要です。

海外拠点のセキュリティ管理

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海外拠点におけるセキュリティ管理を強化することで、サプライチェーン攻撃や情報漏洩などのリスクを軽減し、事業継続や顧客・取引先からの信頼維持に繋げることができます。

ビジネスのグローバル展開を安全かつ効率的に行うためには、グローバルな視点の情報セキュリティポリシーの策定と、現地の法令や規制を考慮した対策が重要です。海外拠点におけるセキュリティ上のリスクや、具体的な対策については、こちらのコラムでも詳しく紹介しています。

(参照)海外拠点におけるセキュリティのリスクと対策を徹底解説

1. グローバルな情報セキュリティポリシーの策定

海外拠点のセキュリティ管理を強化するためには、まずグローバルな情報セキュリティポリシーを策定し、本社と海外拠点で一貫したセキュリティ基準を持つことが重要です。これによりグループ全体で情報セキュリティリスクを低減することができます。

グローバルな情報セキュリティポリシーでは、データ保護の方針やアクセス制御、セキュリティ対策の遵守など、国や地域を問わず適用可能な共通のルールを定めることが求められます。策定したポリシーは、海外拠点の従業員にも適切に周知し、理解と実践が徹底されるように取り組むことが必要です。

2. 海外拠点におけるセキュリティ管理の強化

さらに、海外拠点におけるセキュリティ管理を強化するためには、現地の法令や規制を考慮した対策を行わなければなりません。各国や地域によっては、個人情報保護法やサイバーセキュリティ法など、異なる法令が存在するため、その法令に合った対応が求められます。

現地の法令を調査し、データ保護要件に対応したセキュリティサービスの導入や、現地従業員に法令遵守を徹底させる教育を行うことだけでなく、定期的に監査を実施し、海外拠点のセキュリティ状況を把握し、適切な改善を行うことが必要です。

海外拠点におけるシステム運用や対策支援は、拠点システム運用担当者とのコミュニケーション課題や運用のリソース不足など多くの問題や課題が発生します。 このような場合に適切なセキュリティサービスを導入する事で、国内と海外拠点の情報管理の一元化だけでなく日々の監視運用や脅威対策も可能になります。 IIJでは、ファイアウォールの導入から運用までをサポートするフルマネージド型サービス「IIJ Firewall Management Service」を提供中です。

(参照)IIJ Firewall Management Service

まとめ

本記事では、情報セキュリティガバナンスの重要性と具体的な実践方法について説明し、特に海外拠点におけるセキュリティ管理の強化に焦点を当てました。

情報セキュリティガバナンスは、リスクマネジメントの一環、法令や規制への対応、顧客や取引先からの信頼維持のために重要です。

実践方法として、セキュリティポリシーの策定、セキュリティ統制の確立、社員教育の実施、監査の実施などが挙げられます。特に海外拠点においては、グローバルな情報セキュリティポリシーの策定と、現地の法令や規制を考慮した対策が重要となります。

海外拠点のセキュリティ管理を強化することで、サプライチェーン攻撃や情報漏洩などのリスクを軽減し、事業継続や顧客・取引先からの信頼維持に繋げていきましょう。

組織全体で情報セキュリティガバナンスを実践することで、グローバルなビジネス展開を安全かつ効率的に行うことが可能となります。情報セキュリティガバナンスの重要性を理解し、適切な対策を講じることは、事業の成長と競争力の向上に繋がります。