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受講生インタビュー

ー Interview ー

IIJアカデミー受講生に、応募した理由やきっかけ、実習の様子や成果などについてお話を伺いました。

「ネットワーク技術への探究がもたらした新たな視点と実践力」

第3期生 A.H.さん(20代)

(普段のお仕事)
小売り業界の企業でアプリケーションエンジニアをしています。内製開発にあたり、外部ベンダーと協力してシステム開発をしています。受講当時は、POS関連のシステム更改の要件定義で自社の要望をまとめて外部ベンダーに依頼したり、リリースの立ち合いをしていました。

IIJアカデミー受講のきっかけと選択したカリキュラム

もともとコンピューターをいじるのが大好きで、IPAのネットワークスペシャリストの資格なども持っているのですが、自らスイッチの設定をするような機会がほとんど無かったので、実際に手を動かしたり、詳しくなりたいと思い受講しました。ネットワーク技術の習得に明確な目標があったわけではなく、何となくネットワークに詳しくなれたらいいなと思い、受講しました。
自分の興味や探究心が受講の動機だったので、会社の業務で活かすことはあまり意識していませんでした。強いて言えば、会社にネットワークに関する課題があるので、ネットワークの知識を身につければ、ベンダーさんとの会話がスムーズになるといった期待はあり、詳しくなって損はないと感じました。

実習で印象に残っていることや苦労したこと

OSPFやBGPといったルーティングプロトコルの設定を実践できたのがとても楽しかったです。GNS3のようなネットワークシミュレーターを知り、使えるようになったことで、今後、何か自分で検証したい時の選択肢を持てました。ネットワーク関連の書籍を購入し、Docker上でちょっとBGPの設定をしたことはあったのですが、実際のネットワーク環境で設定したことはありませんでした。今回のIIJアカデミーでは、そのパケットの中身を見たり、RFCを読んだり、色々な設定をしたりとより深く理解することができました。また、講師の方に色々な事例を紹介いただき楽しかったです。現場経験がないので、資格試験を通して学んだことが、実際の現場でも考慮されているのだなと感じました。
実習の前半は会社の繁忙期とかさなり、仕事との両立が大変で時間の抽出だったり、モチベーションの維持に苦労しました。最初の方の課題で、VXLANを調べるときに、実際にプロトコルを動かすわけではなかったので、どうまとめればいいか戸惑った記憶があります。JUNOSの扱いも最初は苦労しました。ガイダンス用の資料を最初にもらっていたのですが、慣れてきたタイミングで改めて見返したら為になりました。そのあとは、操作がしやすくなり、生産性が上がった記憶があります。あと、OSPFのタイプを一つずつ調べるのも、すごく地味な作業で大変でしたが、楽しかったですね。

IIJアカデミーの課題に費やした時間

後半の方は会社の業務も落ちつき、毎日、平日の業務後に1時間~2時間程度、課題に取り組んでいました。業務が忙しい時期は土・日などの休日に一気に進めていました。最初の頃は家のノートPCで取り組んでいましたが、途中で新しく大型モニターを購入し、家の作業環境を整えたところ、取り組みやすくなり、課題もはかどりました。

IIJアカデミーがご自身のお仕事やスキルアップにどのように役に立ったか

課題でネットワークの設定をたくさんやったおかげで自信がつきました。例えば、AWSのルートテーブルなどを見ても気後れしなくなりました。私はネットワークエンジニアではないので、具体的な設定などですぐに役立つことを挙げるのは難しいですが、コンピューター好きとしては、実習に取り組んだ結果、今まで見えていなかったことが見えてくるようになったのがすごくよかったです。例えば、普段、ISP同士がBGPを結ぶときにセキュリティを確保したり、優先度を決めたりすると思うのですが、(アプリケーションエンジニアは、普段の業務でBGPを使うことが無いのでそういうところがなかなか見えないのですが)そういうところが見えてきたりしました。
私はプログラミングが好きなので、プログラミング時にIIJアカデミーでの経験が役立つといいなと思っています。

以上

「知識から実務へ、課題を通じて得た現場力」

第2期生 M.Y.さん(20代)

(普段のお仕事)
IIJアカデミーを受講した当時は大学生で、情報系の学部でおもにネットワークやサーバについて学んでいました。現在は、地方のIT企業(SIer)で、ネットワーク関係の仕事をしています。具体的には、行政機関や金融機関のネットワーク更改プロジェクト、無線LAN更改プロジェクトで、試験仕様書やシステム構築にあたってのデザインシートなどの資料を作成しています。

IIJアカデミー受講のきっかけと選択したカリキュラム

たまたまX(旧Twitter)でIIJアカデミーの告知を見かけた友人に勧められたのがきっかけでした。当時の私は、IT企業から内定をもらっており、将来的にITインフラの道に進むことにも興味があったので、ちょうどよい機会だと思いました。また、IT系の資格取得に向けて勉強中で、実務経験が不足していると感じており、ITが実際にどのように使われているか、実務経験を積んでそのギャップを埋めようと本科(※)の受講を決めました。

  • (※)本科:「動的経路制御を用いたネットワークの設計と構築」、「クラウド基盤のためのデータセンターネットワークの設計と構築」

課題を通して感じた手ごたえや、実習で印象に残っていること

学生だった当時、普段の学習では専門書を読んで、その構成通りにネットワークやサーバを構築して、「ふーん」で終わってしまうことがほとんどで、実際にその機能がどういうシーンで使われているのか、背景まで理解できていませんでした。一方、IIJアカデミーのカリキュラムでは、構築した後、講師とのオンライン面談で、問題の背景や課題の意図を直接聞くことができました。具体例もたくさんあり、どういう考えでこの構成や機器を使っているのかを実際に運用しているエンジニアに聞く機会もありました。その結果、自分の取り組んだ課題が実務にどう結びついているのか理解が深まり、大きな納得感を得ることができました。

IIJアカデミーの課題に費やした時間

一般的に大学4年生は卒論などで忙しいのでしょうが、私の場合、大学の卒業制作が終わっていたので、空いている時間はすべてIIJアカデミーの課題に費やしていました。しかし実務経験や知識がほぼない状態でのスタートだったので、特に本科の「動的経路制御を用いたネットワークの設計と構築」を理解するのには時間がかかりました。想定の範囲内ではありましたが、1カ月近く取り組んだ課題もあったと思います。ただ、あらかじめ講師の方からも「カリキュラムの後半は時間がかかる」と聞いていたので、取り組む時間をやりくりして何とか期間内で終えることができましたが、正直に言うと、もう少し時間が欲しかったです・・・(笑)。
課題への取り組み方ですが、休日も近所のカフェで丸一日やることもありました。特に、調べることに多くの時間を費やしました。じっくり時間を使ってトライ&エラーを繰り返すことで、「この機能はこういう用途で使うんじゃない・・・」と理解が深まったり、自分で調べる力が身につきました。

IIJアカデミーがご自身のお仕事やスキルアップにどのように役に立ったか

IIJアカデミーで理解を深めたものの一つに、ネットワークの冗長化や負荷分散でも重要な考え方になる「ロンゲストマッチ(longest match)」という概念があるのですが、最近業務で、その設計思想が取り入れられた現場に遭遇し、理解の助けになりました。冗長化して設計した部分の切り替え作業が発生し、その際に一方の経路が障害で落ちた場合にもう一方の経路が有効になるという設計が実際の現場で使われていることを実感し、感激しました。 あとは、機器に設定をする際に、メーカーの実装の違いにより細かな挙動が異なるため、デフォルトの設定を理解することが重要だと課題を通じて理解できたので、現在、実務に取り組む上でも意識しています。また、カリキュラム全体を通して、課題の背景や構築思想を知ることができたので、普段の学習や実務で現状説明を受けたときの理解度・解像度が上がり、実務でも役に立っています。 最後に、「ネットワーク」といっても、様々な種類や目的に応じて、いろいろなものがあることを知り、今まで知らなかった分野に興味を持つことができました。現在は金融機関のデータセンターネットワークを手掛けていて、カリキュラムで取り組んだISPのネットワークはまだ実務では触れていませんが、視野が広がったおかげで、将来的にこういう仕事にも携わってみたいと思うようになりました。

以上

「新しい課題に直面した時にどうやって立ち向かえばいいのかが身についた」

第1期生 Y.N.さん(40代)

(普段のお仕事)
大手物流企業のIT子会社でネットワークの運用部門に所属しています。主にデータセンターのネットワークの運用保守や既存ネットワークの設定変更を行なっており、機器としてはファイアウォールやL3スイッチ、DHCP、Webフィルター、プロキシサーバー、DNSサーバーなどをあつかっています。また、ユーザーサポート部門が別にあり、そこからの問い合わせ対応やネットワーク機器の障害対応も行なっています。企画と運用でチームが分かれており、私は主に運用を担当しています。

IIJアカデミー受講のきっかけと選択したカリキュラム

過去に他社の研修に会社から行かせてもらったこともあるのですが、座学がメインだったり、機器を触る機会があったとしてもハンズオンで決められたシナリオ通りに操作することが多かったです。一方で、IIJアカデミーでは、出された課題に対して自分で解決方法を考える自由なスタイルで、すごく魅力的に感じたのが受講のきっかけです。普段からネットワークを運用しているので、最初はネットワークに関するカリキュラム「動的経路制御」を選びました。次に、クラウド関連の部署とも仕事で関わりがあるのでクラウドに関連するカリキュラムを選びました。

課題を通して感じた手ごたえや、実習で印象に残っていること

一つ目は、「動的経路制御」のカリキュラムで、原理を基にどうすればいいのか考えをめぐらせなければ解くことができない形になっていた点です。特に、トラフィックエンジニアリングの課題でメインになっていたBGPについて。私の職場ではクラウドサービスとの接続にeBGPを使っていて、メンテナンスでBGPの操作を行なう必要があります。手順書が整備されているので業務ではその通りやればできてしまうのですが、それ故にあまり原理を考えないでやってしまっていた部分がありました。課題を通じて、たとえば経路分割や経路制御は実際に検証作業をやらせてもらい、改めてBGPがこういう動きになっているんだと考えるきっかけになりました。BGPに対する恐怖感がなくなり、自信につながりました。

二つ目は、「大規模なクラウドIaaSを構築するためのネットワーク技術」のカリキュラムに含まれていた「EVPNマルチフォーミングのLAG(リンクアグリゲーション)の検証として障害試験を行なう」という課題です。トラブルシュートがなかなかうまくいかず印象に残っています。LAGなので本来であれば障害発生時も数秒程度の通信断で済むはずが、実験してみると30秒程度の通信断が発生してしまいました。講師はすぐには答えを教えてくれず、それよりも、やり方やどんなふうに考えればいいのかプロセスをすごく細かく教えてもらいました。ちなみに、原因はSTP(スパニングツリー)がdisableになっていなかったことで、これはCumulus Linuxのバグだったようです。STPをdisableにすることで通信断時間を想定通り短くすることができました。この課題には1.5日くらいかかりました。そこはすごく印象に残っています。OSのバグですが、ヒントが全く無かったわけではなく、講師の方は自分でバグを検証し答えが分かったうえで、もう少し考えてみてくださいと指導してくださいました。

講師からのサポート

カリキュラム「動的経路制御」の担当講師の方から「検証と技術書を何度か往復してみてください」とアドバイスをもらいました。実際に検証してわかった後に技術書を読んでみると今まで読めていなかったことが見えてくるような経験をしました。例えば、リカーシブ(再帰)ルーティングは今回のカリキュラムで初めて聞いた言葉だったのですが、『マスタリングTCP/IPルーティング編』などすでに持っている自分の技術書を改めて読み直すことで「そういうことだったのか!」と。検証と本に書いてあることがつながるという発見がありました。技術書はこうやって読むのかと改めて技術書の読み方を知りました。
「動的経路制御」の担当講師の方とは、毎週、課題が終わるごとにテレビ会議をやらせてもらいました。チャットメインの講師の方もいらっしゃいましたが、相談すると例えば「JANOG(ネットワーク運用者のカンファレンス)のこの時の資料が参考になるよ」などと教えてくれたり、とても手厚く教えてもらいました。

IIJアカデミーの課題に費やした時間

在宅勤務ができる環境だったので在宅勤務のできる平日は週3日、1日3時間くらいやっていました。アカデミーの検証環境に接続するためのVPNが用意されていて、いつでも・どこからでも検証環境を利用することができたので、就業(9時)前の時間に課題に取り組むことが多かったです。土・日は合計で10時間くらい費やしました。すごく楽しくてあっというまでした。

IIJアカデミーがご自身のお仕事やスキルアップにどのように役に立ったか

BGPやOSPFは実際のネットワーク運用で使っているのですが、今回のカリキュラムを通して動作がある程度理解できるようになったので、トラブルシューティングで今までより対処しやすくなっていると思います。 「大規模なクラウドIaaSを構築するためのネットワーク技術」で学んだVXLANやEVPNは企業ネットワークではあまり使っておらず直接的には活用できていませんが、何か新しい技術的な課題が出てきたときのアプローチの方法を教えてもらいました。例えば、本はもちろんインターネットでも日本語サイトでもまだ出ていない技術について、RFCなど一次情報を探して読むなど、新しい課題に直面した時にどうやって立ち向かえばいいのかが身についたと思います。 特に社会人でエンジニアの現場に出ると、誰かに見てもらいながら何かを学習する機会はほとんど無いので、先生・・・というより現役のエンジニアから教えてもらえるすごく貴重な機会になると思います。

以上

実践的な課題を通じて実務で使えるスキルやノウハウが学べた

第1期生 A.Eさん(30代)

(普段のお仕事)
大手通信キャリアに勤めており、主な業務は電話関連装置の保守・設計開発です。具体的には、電話装置のソフトウェアの更改作業や運用部門からの問い合わせ対応を行なっており、交換機やその間のネットワーク部分でスイッチ・ルーター等の機器を触っています。業務全体の中でインターネット(IPネットワーク)に関わるのは半分くらいです。

IIJアカデミー受講のきっかけと選択したカリキュラム

IIJアカデミーのことはインフラ周りに詳しい知人に教えてもらいました。将来キャリアグレードのネットワークのプロジェクトマネージャーを目指しているのですが、これまでインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)の業務を経験したことがなかったので、そういったノウハウを学びたくて受講しました。

「動的経路制御」と「クラウドのネットワーク構築」に関するカリキュラムを選択しました。内容は想像していたイメージと非常に近く、実践的で実務で使えそうなスキルやノウハウを学ぶことができました。

課題を通して感じた手ごたえや、実習で印象に残っていること

手ごたえを感じた所は、動的経路制御のカリキュラムで普段の業務ではあまり触れることのない大規模なネットワークに触れることができたことです。OSPFを使ったネットワーク等、小規模なネットワークを構築した事はありましたが、BGPを使ったキャリアグレードのネットワークは構築したことはありませんでした。実際にASを構築してBGPで経路制御することができ、大きな学びとなりました。次にクラウドのネットワーク構築で、これまでほとんどやったことのなかった性能の計測ができたことです。具体的には、fioというツールを使ってネットワーク越しに接続されたディスクの入出力の性能を測ったりしたのですが、全くノウハウが無い中で実務を経験させてもらえてとてもよかったです。趣味で試してみるのと業務で求められるものの違いを感じました。趣味ですと、そもそも性能をあんまり意識しないで自分のやりたいように作って「動けばいいや」となりますが、業務では求められる要件があり、それをどうやって担保するのかしっかり考えなければなりません。課題を通して実践させてもらえたことは、今後自分にとって大きな財産になると考えています。

印象に残っていることとしては、ある課題(「このトポロジーで性能を上げるためにはどんなことをすればいいですか」)で、意外なところ(「物理配線を追加する」)に答えがあったことです。私はこの課題を見て「トポロジーが決まっている状態」を前提に考えてしまったのですが、前提からしっかり考え直すような答えで面を食らったと同時に、言われてみれば「そういう考え方も全然ありだな」と自身が凝り固まった考えで課題をとらえていたことに気がつきました。しっかりと前提を見直したり、やり方に縛られずに考えることの重要性を学ばせてもらいました。

講師からのフィードバック

講師の方からフィードバックで特に学びになったのは実際の商用ネットワークの運用業務についてですね。ネットワーク利用についてのTipsや技術的なノウハウを教えていただきました。実際の生きたノウハウ話を聞けたのが一番ありがたかったです。

IIJアカデミーの課題に費やした時間

平日は大体1時間、多くて2時間くらい、仕事の後の時間を使って取り組みました。追加で土・日に4・5時間やっていました。順調に進めば1つの課題で1週間、途中でうまくいかないと2週間くらいかかることもありました。多忙な方は大変になる可能性はあると思いますが、私の場合は、期間は長かったですが趣味の範囲で取り組むことができました。

IIJアカデミーがご自身のお仕事やスキルアップにどのように役に立ったか

冒頭でお話したキャリアグレードのネットワークを構築するということを考えたときに一番大きく役に立ったのは、ISP、通信キャリアとしてネットワークを運営する際に、技術的なところだけでなくエンジニアコミュニティや会社間の政治が重要な事や、人脈を広めていくことが大事だということです。講師の方から私が知りたかったことを(直接課題に関係のないことでも)いろいろと教えてもらいました。

これからの受講者にアドバイス

これから受講する方にアドバイスするとしたら、自分の知識だけでなく幅を広げてみたり、基本に立ち返って「こんな機能があったな」というのを念頭に入れて受講すると理解が一層深まるのではないかと思います。今回の受講で難しかったのが、動的経路制御の課題で普段使っているものと異なるメーカーの機器を使ったことです。実装の面で違いがあり、その差分に気が付かずに1週間くらいハマってしまいました。あのメーカーの機器でできたのだからこのメーカーの機器でもできて当たり前と思い込んでいて痛い目を見ましたので、そういったことを意識して受講すると良いかもしれません。

以上

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