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IIJ 代表取締役社長 勝 栄二郎より、塚本 隆史 社外取締役へ伺いました。
変化の非常に速いIT業界のなかで、鈴木会長と勝社長との経営トップが強いリーダーシップによりグループ全体を掌握し、各役員は担当所管をしっかりと遂行され、結果として事業の持続的成長が図られている状況と認識しています。このような事業状況の下で、取締役会は当社グループの安定的な成長と企業価値の向上を支えるためのモニタリングを中心に有効に機能していると評価しています。
開催頻度は原則一ヵ月に1度、開催時間は1~2時間程度と決して長くありませんが、事業の状況が一目瞭然に把握できるフォーマットで様々な経営指標が示されるとともに重要な論点・リスク等が明示され、非常に効果的かつ効率的に報告・意思決定が行われています。審議においては発言がとてもし易い雰囲気で、社外取締役からは自らのバックグラウンドを活かした多様で忌憚のない議論が活発になされています。質疑では以前は経営トップから回答がなされることが多かったのですが、最近は各所管役員からの発言が増えて議論に厚みが増しています。
実効性評価についてはコーポレートガバナンス・コード制定以降、手作りで実施してきましたが、年度単位で内製にて全役員へ約30項目の質問と自由意見からなるアンケートが行われており、その評価結果の年次推移をモニタリングしています。そこで出された指摘等は次年度までに改善対応されており、着実にレベルアップしてきていると評価しています。この辺りも過度に手続きにリソースをかけるのではなく、実質的に改善を図っていくことこそが重要であるという会社姿勢が表れており、非常に良いサイクルが回っていると思います。
取締役の報酬の決定においては、まず報酬決定方針について指名報酬委員会に対して原案が諮問されますが、審議にあたっては、当社は拡大を続ける市場において成長途上にある企業グループであるとの認識のもと、取締役の報酬は、過度に短期志向の業績連動とはせず、固定・業績連動とのバランスを取りながら長期的な業績と企業価値向上を後押しする設計としています。
また取締役候補者の指名については、候補者選定基準に基づき代表取締役が指名報酬委員会に指名案を提示します。指名報酬委員会においては経営理念の実現に向けて求められる取締役の要件に相応しい豊富な経験と高い専門性に焦点を当てた協議が行われます。常勤取締役については創業期以来のメンバーを含めIT業界に精通するとともに当社の理念を体現しうる人物を候補者として選任しています。
当社が掲げている経営理念を継続して充足していくとの考え方が、当社のガバナンスのベースにあるものと認識しています。そのためには、規模を含む事業成長が大前提であり、同時にガバナンス面をしっかりと具備することで中長期の成長を支えていきます。このような当社の統制環境の根底にある基本的な考え方はグループ内に周知されており、必要十分な内部統制の体制が築かれ有効に機能していると評価しています。
社外役員に対しては、毎回取締役会後に各事業状況等の説明会が行われており、事業動向・背景の理解に非常に役立っています。また最近、イントラネットに各経営情報が集約掲載された「取締役会ダッシュボード」の機能が実装され、有効なツールとして社外役員も活用しています。これらは取締役会のより良い運営を支える重要な仕組みであると考えます。
当社は拡大を続けるIT市場の中で、インターネットの技術力、高度な専門性を有する人材層の厚さ、そして法人顧客基盤をもとに着実に成長を遂げてきました。取締役会においては、これをさらに盤石なものにして持続的な成長を続けるとともに、次代において現在の延長線上にはない新たな成長をいかに実現していくか、どのような将来像を目指していくか、という長期的視点からの議論が求められるフェーズに差し掛かっていると考えます。取締役会は、事業執行のモニタリングやリスク管理を行うとともに、業績が好調な今こそ次の大きなステップについての議論を深めていければと思っています。
塚本 隆史 取締役 略歴 |
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