ページの先頭です
複数自治体連携による途切れのない医療・介護サービスの提供により、地域包括ケアを実現
2020年5月13日
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝 栄二郎)は、在宅医療介護連携を実現する情報共有システム「IIJ電子@連絡帳サービス(以下「電子@連絡帳」)」を採用する愛知県の35行政が、地域住民に適切かつ迅速に必要な医療・介護福祉サービスを提供するため、二次医療圏(※)範囲を越えた専門職間の情報連携を目的として、2020年4月1日に「電子@連絡帳に関する広域連携協定書」を締結したことをお知らせいたします。
IIJ電子@連絡帳サービスは、名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センターが開発した情報共有ツール「電子@連絡帳」を、同センターとの共同研究によりクラウド型サービスとして商用化したもので、高齢者や児童福祉等の在宅医療介護に関わる専門職(医師、看護師、薬剤師、介護ヘルパー、ケアマネージャー等)が相互に情報連携するためのICTプラットフォームとして、2017年4月より全国に提供しています。電子@連絡帳を導入した各行政は、地域包括ケアシステム推進協議会を立ち上げ、IIJも各協議会(約50団体)に参画し、その運営を支援してきました。
そのうち、46の行政が電子@連絡帳を導入する愛知県では、患者・家族にとって「途切れのない医療・介護連携」を実現するために、近接する複数の市町村が二次医療圏単位での広域連携を行い、地域住民の健康寿命の延伸や介護予防に対応できる専門職ネットワーク形成をすすめてきました。現在では県内の9つの二次医療圏において広域連携協定が締結され、それぞれの二次医療圏範囲内で電子@連絡帳を利用した医療介護福祉連携が行われています。
一方で、数が限られた小児医療拠点が二次医療圏外にあるため入退院連携ができない、二次医療圏の範囲を越えた市町村と電子@連絡帳を使って医療連携したいなど、より広域的な連携を望む声が多く上がってきました。
また現在、感染拡大が深刻な新型コロナウイルス対策としても、異なる二次医療圏における医療介護福祉サービスの運営状況の正確な把握、市町村の枠を越えた各サービスの状況共有、感染予防で患者との面会を禁止している病院とケアマネージャー間での情報共有など、電子@連絡帳を活用して、より緊密かつ広域に専門職が連携できる環境が求められています。
このような各行政のニーズや地域課題を受け、IIJは、従来からのシステム環境づくりに加え、首長レベルの合意形成に向けて、愛知県医師会 野田正治理事を中心に愛知県内の各行政に対し、二次医療圏範囲を越えた、より広範囲での医療介護福祉連携を可能とする「電子@連絡帳」広域連携協定書の締結を呼びかけ、このたびの締結に至ったものです。さらに今年10月を目処に11の行政が参画し、46行政で広域連携協定を締結する予定です。
IIJは、地域包括ケアシステム推進協議会の運営支援を通じて、今後、電子@連絡帳が、在宅医療・介護・福祉領域に留まらず、児童福祉や救急連携、防災時連携など、地域連携のICT基盤として地域の抱える課題を包括的に解決していく「くらしのネットワーク基盤」となるように全力を尽くしてまいります。
IIJでは今後とも、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、人とシステム環境のつながりを提供することであたらしいまちづくりと地域包括ケアシステム推進に貢献してまいります。
在宅医療介護連携において私が最も大切にしているものは「思いやり」と「お互い様」、すなわち共助と互助の精神です。その精神が今、愛知県内35行政による在宅医療介護連携システム「電子@連絡帳」に関する広域連携協定書の締結をもって形になりました。大変喜ばしいことで心から歓迎します。その基盤となった「電子@連絡帳」は私ども名古屋大学で生まれ、医療介護サービスを提供する地域の医師、看護師、薬剤師、保健師、介護事業者をはじめとする医療介護職とそのサービスを受ける患者さんやサービス利用者の皆様、そしてIoT事業者の皆様によって育てられました。その成果は新型コロナウイルス感染症によりぎくしゃくした社会の絆をもう一度リビルドし、人に愛され、人の役に立つ真の地域包括ケアの創成につながるものと信じています。今後も広域連携の輪が愛知県全域に、そして日本全体に、さらには世界に広がり、ひとりでも多くの人の幸せづくりに寄与できるよう邁進していきたいと思っています。
名古屋大学総長補佐
名古屋大学医学部附属病院 先端医療開発部 先端医療・臨床研究支援センター
センター長 水野正明教授
電子@連絡帳は医療・介護連携のICTツールとして愛知県内の約9割の自治体で利用されています。多くの市町村では運用を自治体が行っています。自治体が電子@連絡帳の運営費用を負担するスキームによって地域に安定した医療介護連携サービスを提供できていますが、一方で各市町村単位の運営では利用規約もそれぞれ異なり、患者・利用者と医療・介護は自治体を跨いでいるため、その利用に制限がありました。また、災害対策、感染症対策、救急搬送も自治体単位を超えて広域連携をする必要があります。そこで二次医療圏内で相互乗り入れができるように協定を結んで二次医療圏内の広域連携を進めてまいりました。今回さらに二次医療圏を越えて「電子@連絡帳」システムを県内すべての電子@連絡帳を導入する市町村で広域連携するべく協定を締結しました。新型コロナウイルス感染症の流行などで在宅医療介護連携推進協議会が開催できない等の理由により、若干の自治体は令和2年10月に広域連携に参加する予定です。これにより、医療介護連携のみならず、災害時医療体制、広域救急搬送、さらには感染症対策に役立つことになりました。特に新型コロナウイルス対策で各種カンファレンスも可能な限り対面ではなく、非対面でできることはICTを積極的に活用し感染リスクを削減できることになります。また小児在宅においてはその特殊性から自治体の枠を越えて広域連携を計ることが必須です。広域連携での「電子@連絡帳」活用を積極的に推進し、真の意味での地域包括ケアの実現を推進していきたいと考えています。
公益社団法人 愛知県医師会 理事
野田内科小児科医院 院長 野田正治
(締結された協定書を持つ愛知県医師会 野田正治理事)
愛知県内35市町村による在宅医療介護連携システム「電子@連絡帳」に関する広域連携協定書の締結を心から歓迎します。愛知県瀬戸市では平成25年4月から「電子@連絡帳」を活用した在宅医療介護連携事業に取り組んでいます。現在では、多くの医療関係者、介護専門職、行政職員等が在宅医療介護連携・小児医療連携のツールとして電子@連絡帳を活用し、地域住民はもとより近隣行政との広域連携を行っております。今回の新型コロナウイルス感染症の対策では、県内での広範囲な情報連携が行政、病院で必要とされています。電子@連絡帳は迅速かつ正確な情報連携に欠かすことのできないツールとなっております。今後、瀬戸市ではより一層ICTを活用し非対面で地域住民の介護予防に向けた医療介護職との連携を電子@連絡帳を通じて積極的に行い、地域住民の健康維持や医療介護職の負担軽減につなげてまいりたいと考えております。
瀬戸市 健康福祉部長 中桐章裕
株式会社インターネットイニシアティブ 広報部
〒102-0071 東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム
法人サービス 導入事例
ページの終わりです