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愛知県において46行政に利用を拡大し、広域連携協定締結により実現
2021年4月28日
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学医学部附属病院
株式会社インターネットイニシアティブ
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学医学部附属病院(以下、本院)と株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は、本院が2017年度から健康医療信託事業(※1)の一環として導入を進めている在宅医療介護連携システム「IIJ電子@連絡帳サービス(以下、電子@連絡帳)(※2)」の愛知県における利用が35行政から46行政に拡大し、併せてこの46行政が2021年2月10日に「電子@連絡帳に関する広域連携協定書」(以下、本協定)を締結したことをお知らせいたします。
また、本協定の締結を受け、本院は、東海地域の中核病院のひとつとして、電子@連絡帳のICT地域ネットワーク機能を活用して今後新型コロナウイルス感染症の状況がさらに増悪した場合に感染症パニックから医師、事業所スタッフ、及びサービス利用者を守り、地域の在宅医療・介護の崩壊を回避することを目的とした「新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」(以下、本プロジェクト)を2021年4月より開始したことを合わせてお知らせいたします。
電子@連絡帳は、高齢者の在宅医療介護に関わる行政や各専門職(医師、歯科医、薬剤師、訪問看護、介護ヘルパー、ケアマネジャー等)が相互に情報連携するためのICTプラットフォームとして、2017年4月より全国で利用されています。愛知県では昨年4月に電子@連絡帳を導入する35行政が広域連携協定を締結しており、今般、新たに11行政が参画し、46行政による締結に至りました。本協定により、行政は二次医療圏(※3)にとらわれることなく、地域が抱える課題の解決に向けて、行政、専門職間の横断的な情報連携が可能になります。行政は、広域的な視点で在宅医療介護連携事業の推進を行えるようになり、専門職は、入退院調整など二次医療圏を越えて住民の生活圏にある急性期病院との調整がより簡単に行えるようになります。
本プロジェクトは電子@連絡帳の「ICT地域ネットワーク機能」を活用し、本院が最新の情報を正確かつ迅速に行政や専門職と共有することで、新型コロナウイルス感染状況の悪化による感染症パニックから、医師をはじめとする専門職、在宅介護を受ける患者やその家族を守り、地域の在宅医療・介護体制の維持を目的とします。
具体的には本院が「地域ネットワーク支援窓口」を開設し、コロナ対策における円滑なリスクコミュニケーションとクライシスコミュニケーションを地域ごとに確立、地域に潜在する感染リスク情報を共有する(リスクコミュニケーション)とともに、万一クラスター等が発生した場合、発生元となった事業所やそこを利用しているサービス利用者を地域の力で支えていく(クライシスコミュニケーション)取り組みを進めます。また、専門職への行政通達やワクチン接種会場の調整等での活用も推進します。
その第一号として2021年4月に、瀬戸市、尾張旭市で瀬戸旭在宅医療介護連携推進協議会(事務局:瀬戸旭医師会)が運用する「瀬戸旭もーやっこネットワーク」との連携を開始し、本プロジェクトを推進するための基盤を構築しました。今後、他の市町村にも順次広げていく予定です。
本協定の締結により利用者を取り巻く地域範囲が拡大したことに加え、在宅医療従事者に留まらず地域医療を担う多くの医療従事者に電子@連絡帳の活用を広げる地域がでてきたこと、さらに非対面・非接触を考慮した情報連携が必要になったことなどを踏まえ、行政と専門職の情報連携強化や業務の効率化を目指し、電子@連絡帳の機能を拡充します。新たに提供される機能は、以下のとおりです。
今後も柔軟な情報連携や在宅医療介護連携だけでなく、全世代型の情報共有プラットフォームとしての活用も視野に入れた機能拡張を行っていきます。すでに提供を開始している災害時連携や救急情報連携だけでなく、例えば、不登校児童の支援やネグレクト問題への対応など、教育や家庭における課題に対して地域行政と専門職がより一体的に活動できるよう、ICTの側面から行政や地域の専門職の皆様を支援することを目指します。
本院は、IIJと協働して高度医療だけではなく、介護・福祉に関わる医療従事者やそれを支える支援者、利用者など、社会を構成する様々な方々との連携を通して、地域における社会的課題の解決に取り組んでいきます。
地域における社会的課題の解決に向けた個別プロジェクトでは、本院がもつビッグデータ解析手法を用いて地域における社会的課題の抽出や、課題解決に向けた提言や研究を行います。地域ネットワーク事務局運営支援では、すでに稼働している、あるいはこれから稼働する地域ICTネットワークの運営事務局の支援を行います。そして全世代かつ地域を横断したDX実現を促進することで、行政における「くらしのプラットフォームづくり」を推進し、健康寿命延伸の重要な役割を担ってまいります。
1.ワクチン接種管理記録 (2021年8月提供予定) |
地域行政、専門職との非対面かつ安全な情報連携のため、電子@連絡帳の「患者情報」で、ワクチン接種履歴の記録管理が行えます。ワクチン接種履歴を必要に応じて支援チーム内で共有することで、医療介護従事者の円滑な情報連携を支援します。
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2.ビデオ会議開催支援オプション (仮称、2021年6月提供予定) |
Microsoft Teamsを活用し、電子@連絡帳上で、行政や専門職同士がオンライン会議を簡単に実施できます。電子@連絡帳用にカスタマイズされており、メールアドレスを用いることなくボタン操作のみで関係者に会議開催を案内できます。電子メールを持たない専門職に対しても、安全かつ容易に会議開催の予約、実施、スケジュール管理が行えます。オンライン会議において安全かつスムースに専門情報を共有でき、利便性が向上します。 |
3.介護認定電子審査会システム (本日提供開始) |
介護保険サービスを受けるため要介護度の審査を行う「介護認定審査会」をビデオ会議を活用したオンライン開催(非対面)かつ書類をすべて電子化したペーパーレスで実施できます。現状、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対面式での審査会実施が困難になり、多くの地域で影響が出ています。これらを安全に予定通り開催するためのシステムを提供します。さらに、専門職が不足している地域においては近隣市町から認定審査員を募って審査会を実施することが求められますが、市町村を越えた広域化にも対応できます。 |
日本マイクロソフトは、この度の多職種連携プラットフォーム「IIJ電子@連絡帳サービス」と「Microsoft Teams」の連携を心より歓迎いたします。
マイクロソフトは、パンデミックや他の重大なヘルスケアの課題に対する解決策にテクノロジが果たすべき役割があると考えております。医療従事者と行政と患者との関係構築を強化し、医療チームのコラボレーション、意思決定、業務効率性を向上することは必要不可欠になっております。
Microsoft Teamsは医療情報システムの安全管理に関するガイドラインに準拠し、拠点を越えて互いにつながるという点で、地域医療福祉連携において安心・安全にお使いいただけます。
この度の名古屋大学医学部附属病院とインターネットイニシアティブとのパートナーシップにおいて、医療従事者と行政と患者の関係をデジタルテクノロジーで補完し、COVID-19(新型コロナウイルス感染症) が人々に与える影響を最小限に抑え、この困難な状況を乗り越えていきたいと考えています。
日本マイクロソフト 業務執行役員 医療・製薬営業統括本部長
大山訓弘
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学医学部・医学系研究科総務課
株式会社インターネットイニシアティブ 広報部
〒102-0071 東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム
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