IIJ、TKC事業所のクラウド監視カメラシステム構築を支援 | IIJについて

全国65事業所の監視カメラ映像データをクラウドで一元管理。AD連携により人事システムと連動したアクセス権設定を実現

2022年4月25日
株式会社インターネットイニシアティブ

当社は、会計事務所・地方公共団体向け情報システム開発を手がける株式会社TKC（栃木県宇都宮市、以下TKC）の全国65事業所に監視カメラ計211台を設置するとともに、映像データをクラウド上で一元的に記録・監視できるシステムの構築を支援しました。同社は2022年4月より本システムの本格運用を開始しています。本システムにおいて同社の人事システムに紐づいたMicrosoft Azure ADと、新システム上に構築したActive Directory（AD）を同期させることで、最新の人事情報を反映したアクセス権設定が可能となり、情報管理の安全性担保と効率的な運用を実現しました。

（※）Active Directory : Windows Serverの機能の一つで、ネットワーク上にあるサーバ・クライアントPCなどのハードウェア資源と、ユーザの属性・アクセス権限を一元管理することができるもの

同社は、各事業所が運営するTKC全国会の受付エリアや研修室に監視カメラを設置しているほか、決算関連帳票を大量印刷するシステムの設置拠点にも、国際規格であるISO27001（ISMS）が帳票の印刷・管理場所の常時監視を義務付けていることから監視カメラを設置しています。これまでは各事業所が監視カメラを管理していましたが、従来の仕組みでは、本社で映像データが必要な際は、その都度拠点から取り寄せる必要があったため、2011年の東日本大震災の際には各拠点の状況把握が即時にできないことが問題でした。これをきっかけに同社ではすべての監視カメラデータをクラウドに集め、リアルタイムに監視・管理できる仕組みを構築することになりました。

新システムの導入により、最新の人事情報に紐づいたアクセス権を持った管理者が、全事業所の映像データを一元的に閲覧および保管できるようになったほか、各事業所においても、許可された担当者がネットワーク経由でモバイルデバイスを使って映像データを確認できるようになりました。本システムにはユーザ認証のセキュリティを強化する多要素認証機能も搭載しており、「アクセスすべき人が、アクセスすべき情報に正しくアクセスできる仕組み」を実現しています。

新システムの特徴

クラウド監視システムのアクセス権と人事システムとの連携

同社では、人事システムを、ユーザのIDを管理するクラウド型認証サービスMicrosoft Azure ADと紐づけています。今回は、監視カメラシステムも同サービスと連携できるよう、システムプラットフォームにActive Directory（AD）を構築し、Azure ADと同期を取ることで、人事情報をアクセス権に反映できるようにしました。AD連携することで、異動等に伴うアクセス権限の設定・変更にかかる手間・時間も大幅に軽減しています。

カメラ設置からシステム構築までワンストップで提供

本システム構築にあたっては、カメラ機器の選定・設置、回線敷設工事、AD連携、クラウドサービスの提供まで、IIJがワンストップで対応しています。LANケーブルが敷設できない拠点は、モバイル対応の監視カメラを設置し、IIJの閉域網を経由して、監視カメラシステム（ActivNet）に転送します。このプラットフォームを使って、ユーザはリアルタイムで拠点の状況を把握することができます。

提供イメージ

IIJでは今後も、自社のIoTサービス・ソリューションとIoT製品・技術の総合的な知見を活かし、お客様の事業推進を支援してまいります。

株式会社TKC

1966年設立、栃木県宇都宮市に本社をもち、会計事務所と地方公共団体（市町村）に情報システムを提供しています。全国各地の約11,500名の税理士集団「TKC全国会」を支援し、税務や会計システムを開発・提供するほか、地方公共団体向けには、マイナンバーカードの申請・交付・管理を行うシステムや、新型コロナワクチンの接種予約・受付システムなど、幅広くシステム開発を手がけています。株式会社TKCの詳細については、 https://www.tkc.jp/company/ をご覧ください。