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利用者が任意に接続先を切り替えられ、携帯電話網の障害時でも通信の確保が可能に
2022年10月25日
株式会社インターネットイニシアティブ
当社は、1枚のSIMカードで複数の携帯電話網に接続可能なマルチプロファイルSIMを開発し、今般、IoTソリューションを提供するパートナー企業とのPoC(Proof of Concept、概念実証)を開始いたします。マルチプロファイルSIMによりお客様が任意のタイミングで携帯電話網を切り替えて利用することが可能となります。この機能を携帯電話網の障害時に利用することで、IoT機器や電子決済端末など社会インフラとなっているシステムにおいて、これまでよりも可用性の向上が見込まれます。
なお本SIMはコネクシオ株式会社が実施するPoCに採用され、本年10月26日~28日に開催される「第13回Japan IT Week 秋(IoT&5Gソリューション展【秋】)」の同社ブースにて、エッジコンピューティング・ゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」の活用事例として参考展示されます。
近年発生した携帯電話網の障害では全国的かつ長時間に及ぶ通信の混乱が発生しています。これに伴い、携帯電話網を利用しているIoT機器や、電子決済端末などの利用が困難になり、社会的に大きな問題となりました。こうしたなか、障害時でも通信を確保する技術の活用が求められています。マルチプロファイルSIMは、1枚のSIMカードの中に、IIJに加え別の通信事業者のプロファイル(携帯電話網に接続するための情報)を保持しており、端末機器からのコマンドにより、利用するプロファイルを自由に切り替えることができます。これにより、通信障害時に、サーバとの通信不能を検知した端末機器がSIMカード内のプロファイルを切り替え、異なる携帯電話網に接続することで、通信を確保することができます。
障害時に通信を確保する目的で、異なる携帯電話網に対応した複数のSIMカードを機器に搭載する方法があります(デュアルSIM)。ただ、機器に複数のSIMカードを組み込むためには、SIMカードを取り付けるSIMスロットを複数個用意する必要があり、ハードウェアの設計変更が必要なだけでなく、部品のコストや基板上の実装面積の点で高いハードルがあります。マルチプロファイルSIMでは、SIMカード1枚で複数の携帯電話網を切り替えて利用できるため、ハードウェアの変更は不要であり、また、端末機器に搭載されたプログラムから簡易なコマンドを送るだけでプロファイルの切り替えが可能なため、ソフトウェアの小規模な改修で既存端末を対応させることができます。
なお、携帯電話ローミングの技術を用いることでも、1枚のSIMで複数の携帯電話網に接続することは可能です。しかし、ローミング技術では、当該SIMカードにプロファイルを提供するローミング事業者が運用する加入者データベース(HLR/HSS、携帯電話のコアネットワークの中にあり、SIMカード情報を管理するデータベース)が正常に動作しなくなるような障害が発生した場合は、全ての携帯電話網を利用することができなくなります。マルチプロファイルSIMではそれぞれのプロファイルの加入者データベースは独立しているため、片方のプロファイルを管理する加入者データベースに障害が発生している場合でも、もう片方のプロファイルに切り替えて通信を継続することが可能となります。
ローミング接続のサービスは利用料が高額になりがちですが、ローミング接続ではないIIJプロファイルをメインで選択することで、リーズナブルな料金でご利用いただけます。
このたびPoCを開始したマルチプロファイルSIMは、IIJの法人向けMVNO通信サービス「IIJモバイルサービス」活用ソリューションとして提供する予定です。また、IoTソリューションの提供事業者と連携したサービス開発・提供についても積極的に進めてまいります。
第13回Japan IT Week 秋(IoT&5Gソリューション展【秋】)について | |
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会期 | 2022年10月26日(水)~28日(金) 10:00~18:00(最終日のみ17:00終了) |
会場 | 幕張メッセ |
ブース番号 | 16-20 (コネクシオ株式会社ブース) |
入場 | 無料(事前登録入場制) |
イベントの詳細 | https://www.japan-it-autumn.jp/ |
株式会社インターネットイニシアティブ 広報部
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