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(2017/11/16掲載)
9月23日土曜日、神楽坂サイエンスアカデミーの研究発表会が行なわれ、3ヵ月におよぶ研究成果を全10チームが発表しました。各チームの発表について簡単にご紹介します。
気になる大賞をとったのはどのチームだったのでしょうか・・・。
会の冒頭、IIJ 取締役 CTO 島上の挨拶では、「Fail Fast(フェイルファスト)」(早めに失敗しておく)というお話がありました。「とにかくやってみる」という姿勢は、今時のIT業界でも取り上げられることの多い考え方です。
中間報告会同様、まずは北海道から参加している2チームがTV会議システムを使って発表を行ないました。
頑丈なフレームや発電機の再制作などの作業を行いましたが、作業時間の都合で当初予定していたラチェットの取り付けができないなど「考えたこと」と「実行できること」のギャップに苦しんだようです。
研究期間中は様々な困難に直面しながらも、他のチームのレポートや「同じ研究をしている仲間がいる」という事実に励まされ、刺激をもらったそうです。
校舎が丘の上にあり、普段から強い風が吹くため、校舎の屋上に設置した風車が風に吹き飛ばされないように工夫する必要があったそうです。そのため、廃材を用いて頑丈なフレームを作成していました。安全性を考慮することも実験の重要な要素ですね。
研究発表会当日はちょうど学校の文化祭ということで、IIJグローバルソリューションズ協力のもと、TV会議システムを学校に設置し、北海道の2チーム同様、TV会議で研究発表を行なってもらいました。画面越しに文化祭の賑やかな様子も伝わってきます。
先行研究の調査では、日本語の論文だけでなく英語の文献にもあたり調査を行ないました。そして、上下で反転して回転する形の大型風車の作成に挑戦しました。
ここからは東京会場での発表です。
縦型の風車にもいくつかのバリエーションがあります。このチームでは、複数の風車を作成し、発電効率を比較する実験を行ないました。東京理科大学の飯野先生からは、さらなる風車の改良についてのアドバイスもありました。
こちらのチームも風車の形に着目しています。羽根の形や位置を変えた多数の小型モデルを作り、扇風機で一定の風を当てることで風車の善し悪しを評価していました。地道な作業ではありますが、とても重要な研究活動といえるでしょう。
こちらのチームは、残念ながら風車が未完成の状態での発表となりました。それでも、発電機に用いるコイルを巻く「コイル巻き機械」を独自に作るなど、研究過程ではいろいろな工夫を試みていました。今後も制作途中の風車を完成させるべく作業をして研究を続けるそうです。
通っている学校によって使用できる工作機器や環境にはどうしても差が出てしまいます。このチームが通っている東京都立三鷹中等教育学校も工作機器や制作環境が十分とは言えない学校のひとつで、パソコン教室の片隅で作業を行なったそうです。また材料を選ぶ際にも、自分たちが持っている身近な道具で加工可能なものを選ぶなどの工夫をしていました。
複数の風車を作って比較するということは他のチームでも行なっていましたが、このチームでは、きちんと条件を揃えて正確なデータを取ることを行なっています。また、その結果の考察も発表してくれました。
発表の冒頭で風力発電の必要性を表現した「小芝居」を見せてくれるなど、エンタメ性を意識した発表で会場を沸かせてくれました。研究では発電機の効率改善にも着目するなど、様々な取り組みを行なっています。
身近な材料を使用して風車の改良を行なうという点に着目した研究で、手に入る材料を使いながら羽根の形を変えてみるなどのチャレンジを行なっています。
全10チームの発表が終わりました。
気になる審査結果は──
今回の研究では、「発電する電力を大きくする」という目標を設定していますが、審査においては電力を大きくできたという「結果」だけでなく、どのような「過程」で取り組んだのか、そしてそれをどのように「報告」してくれたのかという総合的な視点で評価を行ないました。
その上で、「IoT」の活用に積極的に取り組んだという点を評価して、IIJ大賞はチーム7 三鷹中等教育学校のみなさんに決定いたしました。
続いて、正確なデータを取得し研究経過を詳しく報告したという点を評価して、東京理科大学 大賞をチーム8 鎌倉学園高等学校のみなさんに決定いたしました。
両チーム、おめでとうございました。
最後に、TV会議で参加している3チームも含めて記念撮影。
6月からおよそ3ヵ月間、学校の勉強や文化祭、夏休みなどで多忙の中、全チームの生徒が、神楽坂サイエンスアカデミーの研究課題に熱心に取り組みました。また引率の先生方にもサポートいただき、無事に終えることができました。誠にありがとうございました。本イベントはこれで終了となりますが、嬉しいことに、今後も研究を続けるチームがいくつかあるようです。
今回、神楽坂サイエンスアカデミーで生徒が触れたのは、風車(サイエンス)やIoT(ICT)のほんの一部分かもしれません。ですが、高校生というタイミングでこのような体験をしたことが、今後の進路選択を考えるひとつのキッカケや材料になればいいなとスタッフ一同考えています。
(2017/9/1掲載)
早いもので研究発表会まで1ヵ月をきりました。中間報告会以降、東京理科大学のスタッフ飯野さんが自分たちの研究の一環で各チームを訪問し、参加者の高校生にインタビューを行なっています。今回はその様子をご紹介します。
8月10日に行なわれた佐倉高校でのインタビュー。
(会話の一部を抜粋)
その後、材料の調達方法や今回の研究を通じて風力発電に対するイメージや価値観に変化があったかどうか、参加するきっかけや実際に参加してみた感想、さらには今後の進路についてなど、色々と踏み込んだ質問を行ないました。生徒の皆さんは個々の思いや素直な感想を聞かせてくれました。
報告会の発表や、週に1度各チームに提出してもらうレポートでは読み取ることのできない、普段の研究の様子の一端をこのインタビューで感じることができました。
(2017/8/18掲載)
8月のこの時期、夏本番といいたいところですが、ここ1週間ほどは雨や曇の天気が続き、まるで梅雨が戻ってきたかのようです。各チームの研究に影響がでないと良いのですが・・・。さて今回は初参加の2チームをご紹介します。
まずは、「鎌倉学園高等学校」科学部に所属する高校2年生・1年生。プロペラ式の大型風車は音が大きく騒音問題となるため、今回の研究で静音性の高い風車を作りたいと考えています。
8月に入って本番用風車の1号機を作り、学校の屋上に設置して実際に発電量を計測しました。グラフの最後のほうを見ると風速センサー・電力センサーの値がともにゼロ──途中で風車が倒れてしまいました。そこで今後は土台を強化したり別の形の風車の作成に取り組むそうです。どんな2号機ができるのか楽しみです。
続いては、「ぐんま国際アカデミー」に通う高校1年生 4人組。 学校のある群馬県は「からっ風」と呼ばれる特有の風(強く乾いた風)が吹くため、このエネルギーを有効に使える風力発電機を作りたいと考えています。
中間発表会の後、これまでの実験結果や海外の論文を参考にして最終的な風車の形を決めました。それがこちらのトルネード型と呼ばれるものです。風車は2段・4枚羽を想定していて、試作品で検証を行なった後、本番用の風車を作るそうです。どんな素材を使って本番用の風車を作るのでしょうか。
今回で全10チームの紹介が終わりました。9月23日の研究発表会に向けて、引き続き、各チームの研究進捗についてレポートしていきます。
(2017/8/10掲載)
中間報告会を無事に終え、研究も後半戦に突入しました。今回は、関西から参加している2チームをご紹介します。
まずは「京都市立伏見工業高等学校」に通う高校3年生。
環境問題について考える学校の授業で「風力発電班」に所属している4人組。昨年参加した先輩の背中を追って、風力発電の知識や技能をもっと深めたいという理由で参加。将来はIoTを活用した、誰でも簡単に使える風力発電システムを作る! という目標に向かって研究を進めています。
中間報告会後、風車の羽根や土台づくりに着手。土台には、風車をしっかりと固定できるラック型を採用。火の粉を飛ばしながらスチールラックの支柱を裁断し、組み立てました。
続いては、「大阪医科薬科大学 高槻高等学校」の高校2年生 。
SSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)の活動として、これまでにもRaspberry Piを活用した「6脚ロボット」や、AIを利用した「自然会話ロボット」を制作するなど、ITを用いた研究経験をもつ3人組。今回は、実用性のある風力発電システムを構築し、エネルギー問題を解決する一助になりたいと応募してくれました。
こちらのチームでは、学校で使われなくなった勉強机を風車の土台として利用。軸がぶれないようにしました。学校ならではのアイディアで、東京理科大学の川村先生も「身近なものを利用することは、限られた研究環境においてとても大事なこと」とコメントしていました。
実際に屋外に設置してみたところ、1階でかつ風もあまり吹いていなかったため、風車はあまり回らなかったようですが、風速・発電量ともに計測することができました。
後半戦はまだまだ続きます!
(2017/7/27掲載)
7月24日(月曜日)、真夏の日差しが照りつける中、IIJの会議室にて中間報告会が行なわれました。北海道の2チームはIIJ札幌支店に足を運んでいただき、TV会議システムを使っての参加。どのチームもしっかりした発表で、動画や写真を用いたり、笑いを誘う小ネタを挟んでいるところなど、発表レベルの高さに驚かされました。ここでは各チームの発表の様子を簡単にご紹介します。
発表のトップバッターは北海道のチーム。TV会議システムを使っての発表がはじまりました。
札幌開成中等教育学校は風車についての先行研究の調査状況などが発表されました。今までにどのような研究がなされたかを調査し、自分たちがこれから取り組む内容の参考にすることも重要です。その調査を元にして、この先自分たちが制作する発電機の方針について、3Dモデルを交えて報告がありました。
札幌日大高校は昨年に続き本イベントへの参加は2回目。メンバーは交代していますが、昨年制作した風車を使い実際に学校の屋上で風を受けてみるなど、実践的な予備実験の模様を報告してくれました。
ここから東京会場での発表がはじまりました。
ぐんま国際アカデミーは、土地柄気温が高くて風が強いという特徴があります。このような環境で風車に求められる特性はどういったものがあるか──まずはそこを整理してチームの方針を検討するという着実な進捗です。
6月に開催された開会式・制作実習では、東京理科大学・川村研究室が用意した部品を使って発電機のプロトタイプを制作しています。プロトタイプはある程度の実績があるとはいえ、組み立ての難易度など改善の余地は色々あります。佐倉高校では3D CADを用いて発電機の部品の改良版を検討。早速3Dプリンタを使って改良した部品を出力し、プロトタイプ発電機の改良に取り組んでいました。
発電機の改良という点でさらに進んでいたのは、日本工業大学駒場高校です。学校に様々な工作機器があるというメリットを活かして、発電機をほとんど作り替える勢いで部品を新たに作りました。さらに風車の設置場所を確保するなど、この先の研究についても検討が進んでいました。
風車・発電機の製作作業を先行させるチームが多い中、学芸大付属国際中等教育学校ではIoTキットのセンサーを用いて、設置予定場所の風速の観測に挑戦していました。どのぐらいの風が吹くのかを数値として押えておき、この先の計画に活かそうという試みです。さらに発電機のコイルを巻くための治具を3Dプリンタで設計するなど、周辺部分をきっちり固めていくという方向性がうかがえます。
三鷹中等教育学校は研究方針を検討する上で、制作時の材料の加工のしやすさという点にも注目していました。学校によって利用可能な設備が異なる中、自分たちが扱える範囲の材料を選ぶというのも、地に足のついた計画として立派です。
いくつかのチームでも試作に取り組んでいましたが、鎌倉学園高校では小型の風車を多数作って違いを評価したのが特徴的です。大きな風車をいくつも作るのは大変です。写真に写っている以外にも「たぶんだめだと思う」というものまで一応作ってみたとのこと。様々なアイデアにトライする積極性を見せてくれました。
6月11日に作製したプロトタイプの発電機は短時間で製作したもののため、やはり色々な不具合があったようです。その修正に時間を使ったチームもたくさんありました。伏見工業高校では、風車だけでなく電流・電圧を測るIoTセンサーにも不具合が出ていた模様。スタッフと連絡を取り合って状況を確認することになりました。
今回の研究では、「発電機」と「風車」の2つのユニットに取り組む必要があります。両方に一斉に取り組むと、なかなか成果が上がりません。高槻高校では、思い切って発電機に既製品を使い、風車の研究を先行させることにしたようです。プロジェクトを進めるために、何に着目するか。技術だけではなくマネジメントも重要な視点ですね。
各チームからの発表には、スタッフからのコメントが入ります。十分な検討ができていないと思われるところには今後の検討方針を問い、迷いがあるところにはサジェスチョンを伝え、そして、素晴らしい着目点は賞賛する。発表しているのは高校生のはずですが、スタッフの指摘は鋭く、まるで大学のゼミを見ているようでした。
今回、初の試みとして東京─札幌の2拠点をTV会議システムで繋いで発表会を開催しました。実際にやってみるまでは不安も大きかったのですが、3時間半と長時間におよぶ発表会もおおむね無事に終えることができました。
事後のアンケートでは、他のチームの発表が今後の自分たちの研究によい刺激になったという感想が寄せられました。9月23日の研究発表に向けて各チームがどんな工夫をして風車風力発電機を完成させるのか──今回の中間報告会により、後半戦はさらに盛り上がりそうです。
(2017/7/14掲載)
6月末~7月上旬にかけては学校の定期試験で、研究を一時ストップしているチームもあったようです。そして明日から三連休、来週からは学校が夏休みに入るところも出てくる中、中間報告会に向けて、各チームの研究は順調に進んでいるのでしょうか? 今回は東京から参加している3チームをご紹介します。
まずは「東京学芸大学附属国際中等教育学校」に通う高校1年生 3人組。
学校の授業でも普段からインターネットを活用する機会があるそうですが、インターネットは「パソコンの中の限られた空間」という認識だったため、神楽坂サイエンスアカデミーのテーマとなっている「モノ(=風車風力発電機)」と「インターネット」が結びつくIoTという新しい発想・技術に心惹かれて応募してくれました。
最近は、コイル巻きの開発に取り組んでいるようです。無料で使えるCADソフトを自分たちで探し、使い方に慣れるところからはじめているようです。6月11日の製作実習では発電機の製作にかなり手こずっている様子でしたが、研究期間に入ってからは順調に研究を重ねているようです。
続いては、「東京都立三鷹中等教育学校」の高校1年生 4人組。
学校としては今年で2回目の参加です。
昨年参加した生徒のみなさんは3年生なので(今年3月に学校を卒業)、このイベントについて直接話しを聞く機会は無かったと思うのですが──、先輩達が作った風車風力発電機が倉庫から出てきたのをきっかけに、先輩の意思を受け継いで応募してくれました。
部活動が週1回と少なく、また最近まで定期試験もあったため、現在、巻き返しを図るべく、急ピッチで研究を行なっています。中間報告までには風車を形にしたいと、この三連休中には臨時の部活を入れて頑張るそうです。
最後に「日本工業大学駒場高等学校」の1年生、8人チーム。
こちらの学校もメンバーは違いますが、昨年に続き2回目の参加です。将来、東京理科大学で研究がしたいと応募してくれました。
研究がはじまった当初は、チーム内での研究に対する意識が統一されておらず、あまり活動を進められる状態ではなかったとのこと。6月末にチーム全員で会議をひらき、チーム内の意識を再確認して今後の予定を立てたそうです。
(1日限りのワークショップでは、こういった経験もなかなかできないと思うので、良い経験だったのではないでしょうか?! )
今週は、ベアリングを加工したり、新しくコイルを巻くなど、新しい発電機を製作したそうです。
チームで話し合った後は順調に研究を進めているのでしょうか──、中間報告会での発表が楽しみです。
(2017/6/29掲載)
東京は本格的に梅雨入りし、先週は豪雨、今週に入ってからはジトジトとした雨や曇で湿度の高い日が続いています。そんな中、今回は梅雨のない北国、北海道から参加している爽やかな2チームをご紹介します。
まずは「市立札幌開成中等教育学校」に通う高校2年生 4人組。
もともと学校のある課題研究がきっかけで「再生エネルギーの将来性を考える」という意見が一致して集まった4人組。課題に取り組む中で、IoTを活用して風力発電機の発電効率向上を目指すこの神楽坂サイエンスアカデミーに出会い、魅力を感じて応募してくれました。
応募当初から風車の改良イメージを持っていたためか、開始直後には風車の部品を注文するなど、10チームの中でもかなりスピーディーに風車の設計に取り組んでいます。風車の模型をつくり、そこで何やら問題点を発見するも、すぐに解決策を見つけて講じるなど、順調に研究が進んでいるようです。一体どんな形の風車になるのでしょうか──。
続いては、「札幌日本大学高等学校」の高校2年生 4人組。
学校としては昨年の第1回にも参加いただき、今年で2回目です。先輩の研究する姿を見て、今年は新しいメンバーで応募してくれました。
学校のある札幌市郊外は、かなり強い風が吹くようで、昨年は、それに耐えられる風車づくりに悪戦苦闘。さらに台風が3度も上陸。思うように発電効率を上げることができなかったようです。そこで今年は、強風に耐えられる風車風力発電機の改良に取り組みたいと意気込んでいます。
こちらのチームでは、まず発電機の修正やセンサーとの接続不良の改善に取り組んだようです。接続不良に関しては、コイルの向きが逆になっていたことが原因であると突き止めたり、電流が観測できないときも、スタッフに質問を投げかけながら、ひとつずつ問題点を洗い出して最終的に解決している積極的な姿がレポートやdirectを通じて伝わってきます。
研究はまだはじまったばかりですが、早くも3週間後の7月24日には中間報告会を行ないます。今回ご紹介したこちらの2チームは、IIJ 札幌支店の会議室からTV会議システムを利用して中間報告の発表をしてもらいます。
来週も引き続き、参加チームをご紹介していきます。
(2017/6/23掲載)
早いもので、開会式から2週間が経過しようとしています。
嬉しいことに、開会式の次の日から研究に取り組んでいるチームや、今週に入ってからは3Dプリンタでこの部品を作って欲しいと部品の改良データを自分たちで作成して送ってくるチーム、その他にも積極的な質問や要望がスタッフあてに毎日のように届いています。
そこで今回は参加チームのひとつ「千葉県立佐倉高等学校」について紹介します。
「世界一の風力発電機をつくりたい!!」という熱い想いを持って応募してくれました。以前から再生可能エネルギーによる発電方法に興味関心があり、実際に模型用モーターを用いた風力発電機を作ったこともあるそうです。
開会式の2日後には、卓上サボニウス型風車のキットを組み立てて発電。
また今週に入ってからは、発電機改良のためコイル用治具の3Dモデルを自分たちで作っておくってくれました。
新しいコイルで発電効率は向上するでしょうか──乞うご期待!
来週も引き続き、チームの紹介や研究の様子をレポートしていきます。
(2017/6/13掲載)
6月11日 日曜日、東京理科大学 神楽坂キャンパスにて開会式と製作実習が行なわれました。北は北海道から西は大阪まで、全10チームの参加者が各地から続々と会場に到着。
開会式は、東京理科大学の浅島副学長と弊社 取締役 CTO 島上のご挨拶からはじまりました。
今回の研究期間中、(遠方の参加者は、中間報告会と研究発表会は、TV会議で参加のため)参加者が一堂に会するのはこの6月11日が最初で最後。
そのため、このタイミングで集合写真を撮影しました。総勢約60名、撮影するのも一苦労です。この頃には緊張もほぐれてきて、ところどころで笑顔が見えますね。
その後、川村研究室の飯野さんが今回の研究課題であるでサボニウス型風車の仕組みについて解説。続いて、弊社の青戸がIoTの講義を行ないました。
講義後、いよいよ製作実習です。今回、メインの風車はこの場では作らず、学校に戻ってから各チームで一から設計し製作してもらいます。そしてここでは、その風車に取り付ける発電機とIoTセンサモジュールの製作を行ないます。
2チームにつき、川村研究室とIIJのTA(ティーチング・アシスタント)が一人ずつついて指導にあたりました。まず、取り掛かったのは発電機に使うコイル巻き。1個につき250回、エナメル線を巻きます。これを18個作る必要があるので、腕が痛くなるまでひたすらグルグル巻き続けます。
発電機が完成に近づいてきたら、今度は、IoTセンサモジュールの取り付け作業に入ります。しかし──ほとんどのチームがこの工程にたどり着く頃には、製作実習終了予定の17時をまわっておりました。。。
想定以上にコイル巻きやそのとりつけ作業に苦労しているチームが多かったようです。
そして完成した製作物がこちら。
6月11日の製作実習はここまで。ここからどんなオリジナルの風車ができあがるのでしょうか。
これから3ヵ月の研究期間中、各チームの研究の様子をこのページで少しずつご紹介していきますので、どうぞお楽しみに。
(2017/6/9掲載)
ここ神楽坂サイエンスアカデミーを開催する東京は今週水曜日に梅雨入りし、ジメジメした日が続いています。しかし──、そんなジメジメを吹き飛ばす勢いで、東京理科大学 川村研究室とIIJのスタッフが準備を進めております。
開催前の今回は、準備の様子を少しだけご紹介します。
まずは、風車に取りつける発電機の巻線選定の試作をしている川村研究室 修士2年の飯野さん。風車風力発電機製作のリーダーで、研究期間中は講師として参加者の指導にあたります。
こちらは、各参加チームにお配りする予定の発電機のパーツを3Dプリンタで出力しているところです。
続いて、今年の風車に取り付ける予定の風速計(風センサ)の評価をしている、川村研究室 博士2年の櫻井さん。
昨年はカップ式の風速計を使っていましたが、今年は昨年の反省を踏まえて熱線式でモジュール化された風センサを採用しました。ただ、こちらはこちらで取り付け方などに課題があり、川村研究室のスタッフを中心にIIJや風センサのメーカーも交えて試行錯誤しています。
こちらが、先ほどの風センサをIoTモジュールに繋げてみたところです。実際には、もうひとつ風センサを繋げます。(※開催直前に、少し仕様が変更となりました)IoTモジュールの隣にある黒いお弁当箱のようなものは、モバイルバッテリーです。
昨年は、IoTセンサモジュールを動かすのに100V電源を使っていましたが、風車風力発電機は屋外に設置するため、電源を確保するのも一苦労。これが、先ほどお伝えした「昨年の反省」です。そこで、今年はバッテリーでIoTセンサモジュールを動かせるよう、マイコンや風速計の省電力化・改良に務めました。
こちらは、IIJ エンジニアの自宅でIoTセンサモジュールの試作品を作っている様子。
先ほど机の中央部分にあったこちらが、今回使用するIoTセンサモジュールの基盤です。
今回ご紹介したのは研究のごく一部分です。6月11日の製作実習では、発電機とIoTセンサモジュールをサボニウス型風車に取り付けて発電できるかどうか試します。
これらのパーツが風車風力発電機にどのように組み込まれていくのか、またきちんと発電し、そのデータをとることができるのか、今からとても楽しみです。
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