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松井証券株式会社 様

デバイスの垣根を越えた画期的な取引プラットフォームを実現
今後の成長を支えるメインチャネルに大きな期待

インターネット取引専業の証券会社として、オンライン証券ビジネスを牽引する松井証券。同社は次世代取引プラットフォーム「ネットストック・スマート」の開発・運用パートナーとしてIIJを選定した。HTML5によるWebベースの取引プラットフォームの開発は業界初の試み。"挑戦"を"成功"へと導いたのは、IIJの高い技術力だ。サービス基盤にネット証券向けプラットフォーム「IIJ Raptorサービス」を活用することで、アプリケーションを含めた柔軟性の高いシステム構築が可能となった。
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課題

  • シニア層にも見やすく、使いやすい取引プラットフォームの提供
  • 株価・保有資産の評価損益状況・取引情報のリアルタイム性向上
  • 端末のOS環境に依存しないマルチデバイス対応
  • オンプレミス基盤のEOSL対応負荷軽減
  • 俊敏なシステムリソース増強

効果

  • HTML5の活用でWebブラウザだけでリッチなプラットフォームが利用可能に
  • プッシュ型の自動更新機能により、最新情報を即座に表示
  • タブレットやMacなどデバイスの垣根を越えた開発が容易に
  • AWSへの移行によりEOSL対応負荷から解放、俊敏なリソース増強も実現

導入前の課題

直感的な使いやすさを追求
新たなプラットフォームの開発を目指す

ネット証券の草分け的存在として知られる松井証券。顧客中心主義に基づき、個人投資家向けに株・先物・FXのオンライントレード事業を展開し、コストゼロの「一日信用取引」や、これまで売建できなかった銘柄の空売りを可能にした「プレミアム空売り」など常に新しいサービス提供にも力を注ぐ。

インターネット取引専業の同社にとって、サービスの運用基盤はビジネスの生命線そのものだ。「一瞬でもシステムにアクセスできないと、ミリ秒単位で価格が動く市場への発注ができないからです。止まることは絶対に許されません」と同社の柴田誠史氏は語る。

そのインフラ基盤の構築・運用を10年以上にわたり支えているのが、IIJである。「インフラの信頼性・安定性に加え、新規サービス導入時の適切なキャパシティプランニングや運用・監視体制の構築、DDoS攻撃対策などにより、安心・安全な取引環境を実現しています」と同社の森龍二氏は評価する。

その一方、新たな取引プラットフォームの必要性が高まっていた。オンライン取引用に以前から提供してきたWebブラウザ型とリッチクライアント型の取引プラットフォームに課題を抱えていたからだ。Webブラウザ型はダウンロード不要で利用できるが、情報のリアルタイム性に欠けていた。自動更新機能を持つ情報ツールは別途提供しているが、情報と取引の連携に課題があったという。一方のリッチクライアント型は情報の自動更新は可能だが、ダウンロード/インストールの手間がかかる。「当社はシニア層のお客様も多く、利用の手間は大きな負担です」と同社の村野知暁氏は話す。

既存のプラットフォームを抜本的に見直した結果、同社はHTML5によるWebベースの次世代取引プラットフォームの開発を目指すこととなった。「Webベースならダウンロードの手間が不要で、リッチクライアント並みの機能が実現できる。しかも、HTML5はマルチデバイス対応が可能であり、タブレットやMacでも利用できる。また、プッシュ型の情報配信基盤を構築することで、株価やチャート、保有資産の評価損益状況など、常に最新の状態で表示が可能となる」と柴田氏は当時の狙いを振り返る。

選定の決め手

アプリケーション開発実績を評価。IIJ Raptorサービスで柔軟性も向上

新たな取引プラットフォームの実現に向け、同社がパートナーに選定したのが、IIJである。10年以上に及ぶ実績に加え、決め手になったのは、ワンストップの対応力だ。サーバ、ネットワークなどのインフラの構築、運用・監視に加え、アプリケーションの開発・運用までトータルにサポートできるからだ。なかでもアプリケーションの開発力は高く評価した。「FX取引システムを一から構築した実績があるため、今回もそのノウハウが大きな力になると判断しました」と柴田氏は述べる。

ただし、同社が目指すのは株取引に対応したシステム。株式はFXより銘柄が多く、板情報の提供が必要なため、より高速な処理が求められる。その点、IIJ Raptorサービスは並列メモリ処理技術を駆使し、大量の情報の高速処理を実現する。取引件数や口座数の拡大に応じて、柔軟にスケールアウトも可能だ。「インフラ基盤の構築・運用に加えて、アプリケーション開発も含めて担当いただくことで、全体として最適化されたシステムが構築でき、仮に問題が発生した場合も速やか、かつ、柔軟な対応ができると考えました」と森氏は語る。

証券業界において、HTML5による株式取引システムの構築は前例がない取り組み。「ゼロベースの開発に"挑戦"してくれるパートナーはIIJ以外にいませんでした。その開発力を発揮してもらうことで、業界に先駆けて革新的なプラットフォームの提供が可能になると考えました」と柴田氏は語る。

事前の検証で、性能を確認できたことも採用を強く後押しした。「事前検証では、24銘柄の上下3本の板を銘柄ごとに秒間5回の更新が可能など、こちらの求める要件を十分にクリアできました」と村野氏は評価する。

導入後の効果

Webブラウザだけでリッチなプラットフォームが利用可能に
更にAWS基盤の採用で容易な機能拡張を実現

こうして同社が2015年5月より提供を開始したのが、次世代取引プラットフォーム「ネットストック・スマート」である。マルチデバイスに対応し、ユーザは専用アプリをダウンロードすることなく、Webブラウザだけで取引が可能になる。メニュー構成をシンプル化し、取引系と情報系を一つの画面に集約することで、利便性の向上も図った。もちろん、情報の自動更新にも対応する。「他社と比較して、ネットストック・スマートのチャート機能が一番見やすいという高評価を得ています」と話す村野氏。ユーザの利用数も増加傾向にある。

同社にとってもメリットが大きい。Webベースのため、クライアント環境を意識せずに開発・改修を行えるからだ。「複数のOSをサポートしなければならないネイティブアプリに比べ、開発コストを大幅に低減できました」(柴田氏)。またIIJ Raptorサービスの活用により、インフラとアプリケーションの監視・運用の手間も軽減できた。長期で利用することで、コストメリットは更に高まる。

また、同社は、社内のメール/Webセキュリティ、標的型攻撃対策の強化のため、IIJセキュアMXサービス、IIJマネージドファイアウォールサービスを導入し、システムの信頼性の強化を実現した。

IIJ Raptor サービスを導入し、プラットフォームの課題を解決した「ネットストック・スマート」であったが、サービス提供から7年目となる2022年に、オンプレミス基盤のEOSLを迎えていた。また、機能追加のためインフラリソースの増強に対して俊敏性が要求されるようになった。

そこで、基盤更改が不要かつ俊敏にリソース増強可能なAWSを採用。移行ベンダーには、アプリケーションの開発・運用実績に加えて、AWS基盤の構築・監視・運用をワンストップで提供可能なIIJを選定。

2021年1月より、AWS基盤上でのシステム稼働開始。結果、システムのリソース増強にかかる時間が数ヵ月から数分へ短縮された。

「IIJは当社の事業を支える重要なパートナー。お客様の声とITの進化に対応し、より良いサービスの実現に向けて共に歩んでいきたい」と話す柴田氏。今後も同社は顧客中心主義を軸に、付加価値の高いサービスで投資家の満足度向上に力を注ぐ考えだ。

松井証券株式会社様へ導入したシステム概要図

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導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

松井証券株式会社
本社:東京都千代田区麹町1-4
創業:1918年5月
個人投資家向けに、株・先物・FXのオンライントレード事業を展開、東証第1部に上場した日本初のネット証券会社として知られる。株式保護預かり料の無料化、国内初の本格的インターネット取引の開始など革新的なサービスを次々と打ち出し、オンライン証券ビジネスを牽引する。

松井証券株式会社

※ 本記事は2016年1月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

※ なお、2022年7月の記事更新に伴い、加筆・修正が行われています。

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