立正大学 様

IIJ GIOビッグデータラボで主要なデータを分析し
大学IR(Institutional Research)への取り組みを強化
今回、同大学は今後のデータ活用の可能性を見出すため、「IIJ GIOビッグデータラボ」を用いて主要3システム(入試、教務、キャリア)のデータ統合と分析検証、更に継続的な取り組みへ繋げるツール群の検証とデータ可視化を実施。大学IR(※1)への取り組み強化に向けた調査を行った。
- (※1)大学の経営改善や学生支援、教育の質向上のため、学内のデータを収集・分析し、改善施策を立案・実施・検証などを行う取り組み
課題
- 部署の壁を越えて、各システム間のデータ連携を行いたい
- 学内の各システムがどこまで連携可能なのか現状を把握したい
- 学生サポートを総合的に強化したい
効果
- 部門ごとのデータ管理方法を把握し、
各システムを連携するためのデータ整備の足掛かりとなった - 学内の各システムがどこまで連携可能なのか判断する糸口が見えた
- 短期間で調査結果を得ることができたため、
該当アウトプットをもとにした議論が可能になった
導入前の課題
かねてから大学IRに取り組むも、システム間の連携が不十分
立正大学では、IRの一環として、学生の入学前から、在学中、卒業後までを一貫してサポートする総合的な学生支援策を実施し、学生の満足度を高めることを計画した。同大学のIRについて学長室 部長の角田晋太郎氏は「当大学では従来の職務分掌の中に『政策の企画・立案・全学調整に関すること』があり、IRについても以前から取り組んできました。教育研究環境の改善を支援するのが『教学IR』、入試に関わるのが『入試IR』ほか、『学生生活IR』『財務IR」『企画・戦略IR』といった具合です。各部署はそれぞれIR基盤を持っており、それを活用して業務効率等を改善。大学の成長に貢献していました」と語る。
しかし、そうした状況の中でも課題は存在した。この点について情報メディアセンター 部長の東川昌之 氏は「各システム間のデータ連携までは積極的に行われておらず、その具体的な手段についても検討を進めることができていませんでした。それゆえ、データを部署の壁を越えて横串で見ること、例えば入学前から卒業後までの一貫した学生像の可視化ができない…などの問題があったのです」と述べている。
導入後の効果
各システムのデータ連携の糸口が見えてきた
立正大学では各部署に点在していたデータを統合し、活用するための足掛かりとして2015年5月末、「IIJ GIOビッグデータラボ」の導入を決定。わずか2ヵ月で学内主要システムの分析検証が行われた。結果、各部署が独自にデータを作成・保存していたためデータの仕様が散逸していたこと、そのような状態のデータを集めても場合によっては活用が難しいことなど、学内の各システムを連携する際の課題と判断の糸口が見えてきた。
また、学生が入試から就職に至るまでの流れを可視化したことで、学生の所属学部と成績、就職先との関係性など、各データの相関分析が可能になった。更に、成績や学部、課外活動の情報などを分析し、退学予測モデルの検証・構築も実現。そして、今回の検証をきっかけに、学内においてデータ活用に対する議論が活発になったという。
「今回の検証結果だけでなく、学内の様々なデータを分析し、今後IRを進めていく上で有効に活用したいと考えています。例えば、朝食の摂取状況と、成績の相関性が読み取ることができれば、『学生食堂で安価に朝食を提供する』といった施策を打ち出すことができるのです。こうした様々な分析を行うことで、より効果的な支援が可能になるのではないでしょうか」(角田氏)
なお今回の検証と並行し、2015年10月1日付で大学の事務局を改組。学長室に「政策・IR担当」が新たに配置された。その目的は企画部署と各部署でのIRの限界を払拭することにあるという。また、各部署によるデータ活用の工夫、例えば他部署所管のデータを利用した取り組みなどを支援していくのも役割のひとつだそうだ。
今後、どのようなかたちでIR活動を進めていくのかという問いに、角田氏は「当大学では、政策・IR担当が指導するかたちの組織作りではなく、現場で本当に必要なIRを支援する担当部署の構築を目指したいと考えています。そのために必要となってくるのが、各部署における大学人の養成です。ここでいう大学人とは、『教育関係法規』『学校会計』『データ分析』などの基本的な知識を身につけた人材のこと。業務に取り組みながら見えてくる課題に対し、上記の知識とデータの裏付けによって解決または進むべき道を立証する。IRではこうしたことも可能と考えていますので、学内データをさらに蓄積・活用することで、その活動をよりよいものにしていきたいと思います」と語っている。
選定の決め手
ビッグデータ解析における豊富な実績、セキュリティへの配慮などを評価
導入にあたり立正大学では、複数のベンダーに提案を依頼した。その中でIIJの提案が選択された理由は大きく2つある。1つはIIJがビッグデータ解析において豊富な実績を持っており、ビッグデータ検証基盤など各種サービスを活用することで課題解決の糸口を発見できると判断したこと。そしてもう1つが充実したセキュリティだったという。
「分析には学生の情報を用いますので、セキュリティ対策は必須でした。その点、IIJの提案ではマスキングなど、情報の取り扱いについて慎重な配慮がありました。また、我々のシステムの大部分が既にIIJのデータセンターに置かれており、セキュアでスムーズなデータ連携ができると判断しました。更にいえば、検証に必要なシステムが短期で利用でき、サーバなどの資産を新たに購入する必要がないのも大きかったですね」(東川氏)
なお、導入に際してはIIJがデータ授受や認識合わせなどについて積極的に調整を行ったことで、2ヵ月という短納期にも関わらずスムーズに検証結果を得ることができた。
最後に、学長の山崎和海氏は、IRに対する期待を次のように語った。 「当大学の意義は、真実・正義・和平の建学精神を体現し、自ら問題を見つけて解決できる人材を社会に送り出すことにあります。そのためにも、学生の特色を把握し、大学運営や学生支援に役立てられるデータ活用の環境を整備したいと考えておりますし、全ての職員にIRへの意識を持ってもらうことを目指しています」
今回の検証結果を足掛かりに、立正大学独自のIR活動をより強化していく考えだ。
導入したサービス・ソリューション
お客様プロフィール

立正大学
所在地:東京都品川区大崎4-2-16
開校:1872年
※ 本記事は2016年2月に取材した内容を基に構成しています。 記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
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