DX時代のIT・デジタル基盤は、大都市圏の郊外や海外のハイパースケールデータセンターにホストされているようなクラウドコンピューティングと利用者の近くまたは現場で処理を行うエッジコンピューティングのハイブリッドな利用になると考えられます。
ハイパースケールデータセンター
ハイパースケールデータセンターとは、大量のデータを潤沢なコンピューティングリソースや機能を使って処理する大規模なデータセンターです。クラウドサービス事業者の利用を前提としており、大都市圏(東京、大阪)の郊外に多く存在します。
エッジデータセンター
エッジデータセンターは、エッジコンピューティングの特長を生かして分散処理を分担します。利用者のオンサイトまたは近い距離に置かれ、小規模であることが多いです。複数のエッジデータセンターをつないで一つの仮想的なデータセンターとして、地域のIT・デジタル基盤のレジリエンスの向上を実現することもできるでしょう。
リージョナルエッジデータセンター
リージョナルエッジデータセンターは、地域単位でのエッジデータセンターです。たとえば通信キャリアのコアネットワーク内でのMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)として配置されることも想定されます。
ローカルエッジデータセンター
ローカルエッジデータセンターは、これまで端末内部で行っていた処理を外部にオフロードします。利用者の生産制御システムやスタジアム、自動運転のように低遅延、セキュリティ、可用性が求められる処理をオンサイトで
クラウドの普及以降、広帯域なネットワークを介してデータをデータセンターへ"集中"させて処理することが一般化しました。一方、端末や利用者に近い場所で処理したいというニーズも存在するのです。"分散"させることで応答・処理速度の向上や負荷の低減などを図れるからです。
過去、ITのアーキテクチャは集中処理と分散処理のトレンドが繰り返されてきました。日本では、集中処理であるクラウドの波が進んでいるところですが、欧米では分散処理であるエッジコンピューティングがトレンドとなりつつあります。
とはいえ、分散処理アーキテクチャであるエッジコンピューティングが、集中処理のクラウドと対立するものではありません。エッジデバイスやエッジサーバでの処理とクラウドでの処理を適材適所の役割分担することで、効果的なIoTやデジタル環境が実現できます。