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インターネットはいまや産業や暮らしに欠かせない重要なインフラです。このインフラが自然災害や事故、サイバー攻撃などによって断絶されれば、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。産業、教育、暮らしの基盤となる強靭なネットワークを構築し、24時間365日安定したサービスを提供し続けることが、日本のインターネットのパイオニアであるIIJの責務と考えています。
IIJのバックボーンネットワークは、国内主要エリアに多数の拠点が配置され、その拠点間は大容量の回線で結ばれています。また、日本のみならず、アジア、北米、ヨーロッパにも展開し、世界各地で海外の主要ISPと相互に接続することで、高品質で到達性の高いネットワークを構築しています。
自社のバックボーンネットワークだけでなく、インターネット全体の安定性向上のため、DDoS(※)や経路の不正操作などのサイバー攻撃、ネットワーク機器の脆弱性など、インターネット上で日々発生する様々な脅威にも対応し、世界中のインターネットコミュニティと連携しながら日夜取り組んでいます。
2024年7月現在
IIJは、災害などの予期せぬ事態が発生した際でもお客様にサービスを提供し続けるため、災害対策を重視してきました。更に、東日本大震災での教訓を活かし、2011年にBCP(事業継続計画)運用体制を見直すための3ヵ年計画を立て、全社で取り組みました。BCP運用体制の再整備後も、過去のインシデント(※)も参考にした訓練シナリオの設計・訓練・振り返りを定期的に行い、改善を重ねています。また、従業員の危機対応意識向上のため、BCPに関する情報をイントラネット上に掲載し周知徹底するとともに、有事の際のバックアップ体制も整えています。
IIJは様々な災害・障害を想定し、バックボーンネットワークを複数の通信回線や機器で構成する冗長化を行っています。
拠点間を繋ぐバックボーン回線として利用する回線事業者やその物理的なケーブルルートから始まり、国際区間の海底ケーブルシステムやその引き上げ場所に至るまで、可能な限り複数系統を用意することで、単一箇所の障害でサービスの停止を招かないよう様々なリスク分散を行っています。
バックボーン概略図
また、東日本大震災のように甚大な災害が広範囲で発生した場合を想定し、主要ハブ拠点を東京・大阪・名古屋に分散配置する構成をとっています。仮に、そのうちの1拠点が大規模な災害で機能を停止した場合でも、残りの2拠点で通信経路を確保し、日本全国、そして海外への通信が可能です。併せて、各拠点間のルートも、日本海側ルート、内陸ルート、太平洋側ルートに分散させ、広域災害が発生した場合でもできるかぎり光ファイバーが切断されないよう設計しています。
これらにより、大規模な災害が発生してもバックボーンネットワークの機能を維持することができます。
データセンターは、IIJの提供するサービスの基盤となるサーバや、お客様が利用するクラウドの基盤が設置された重要な拠点です。大規模震災発生時でも事業を継続できるよう、地震・停電対策を備えたデータセンターにてサービス設備を稼働しています。
IIJが保有する白井データセンターキャンパス、松江データセンターパークは、第三者による地震リスク算定で、それぞれPML(Probable Maximum Loss)6.4%、1.2%と高い評価を受けました。また、変電所から複数回線で受電することで送電線の障害に対応するとともに、停電時に備えて非常用発電機及び蓄電池を配備し、大規模災害などの有事にも事業継続ができるよう備えています。
近年、日本国内では災害が頻発化、激甚化し、さらに将来高い確率で大規模地震の発生が想定されるなど、これまでにない災害リスクの高まりが指摘されています。国の災害対策方針においては、災害時に迅速に回復可能な国土・地域・経済社会システムの構築(国土強靭化)が掲げられており、政府が推進する「公共安全LTE(PS-LTE)」に対応するサービスとして、一般ユーザによる設備混雑の影響を受けにくく、マルチキャリア及び災害時有線電話に対応した「IIJ公共安全モバイルサービス」を提供しています。
また、昨今では全国的かつ長時間に及ぶ携帯電話網の障害が発生し、利用ユーザだけでなく携帯電話網を利用しているIoT機器や電子決済端末にも影響が出ており、災害時のみならず、障害時でも通信を確保する技術の活用が求められています。IIJでは1枚のSIMカードで複数の携帯電話網に接続可能なマルチプロファイルSIMを開発し、社会インフラとして重要性が高まるインターネット通信の確保に対応しています。
IIJは災害時のライフラインとなり得る通信サービスの提供者として、また、地域社会の一員として、災害により被害を受けられた皆様への支援を行っています。これまでの災害では、被災地域の公共機関への通信機器の貸し出しや、被災地にお住まいの個人への通信料金の一部減免などを実施しました。
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