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2011年8月12日 更新
IPv6とは、現在インターネットで使われているIPv4の次期バージョンにあたるIPプロトコルですが、IPv4アドレス空間が2011年2月にIANA中央在庫で、同年4月にはAPNICの在庫でも枯渇し、いよいよIPv6への移行が急務となりました。
IIJでは、次世代の情報基盤技術となるIPv6の開発、サービス化において国際的なイニシアティブをとってきましたが、今後も同分野における運用技術を確立していくとともに、インターネットの持つ可能性を切り拓いていきます。
※ /48を割り当てた場合の例です。
IPv6はIPv4アドレスと比較するとほぼ無尽蔵であり、広大なアドレス空間です。その他、Stateless address autoconfiguration(SLAAC) と呼ばれるIPv6アドレスとデフォルトルートの自動設定やヘッダ長が40Byteに固定化されている等の特徴があります。
イーサネット等のリンク層の上で、直接IPv6ネットワークを利用することです。IPv4ネットワークに影響されないIPv6だけのネットワークを構築することができ、プロトコルスタックがシンプルなのが大きな特徴です。IIJバックボーン内は、ネイティブ方式のIPv6/IPv4デュアルスタック環境になっています。このような専用線やデータセンター接続での利用に加えて、今ではNTTのフレッツでネイティブ環境を気軽に利用できるようになりました。
トンネル方式として、IPIPやPPTP、L2TP等を利用して、IPv6 over IPv4トンネルによるIPv6ネットワークを利用することです。広く普及したIPv4インターネット接続を利用することで、容易にIPv6ネットワークを構築することができます。手軽に導入できることが大きな特徴ですが、プロトコルスタックが複雑で、カプセル化するためのオーバーヘッドが必要なため通信効率が悪くなります。また、トンネル部分ではMTUサイズが小さくなるため、IPv6 Path MTU Discoveryの挙動に注意する必要があります。
なお、この方式は、IPv4インターネット接続が必須となるため、IPv4アドレスが入手できない場合には利用できません。IPv6への移行期においては有効なソリューションとなりますが、IPv4アドレス枯渇対策にはならないことに注意する必要があります。
サーバ自体でIPv4とIPv6の両方を扱えるため、運用面を考慮すると最適な方式となります。主要なサーバOSやサーバソフトウエアの多くは、既にIPv6に対応しています。
トランスレータ装置によってIPv6パケットをIPv4パケットに変換する方式です。サーバには一切手を加える必要がありませんが、サーバのアクセスログにはトランスレータのアドレスが保存され、ログ解析が複雑になる等、運用面での負荷が大きくなります。
執筆者プロフィール
小野原 雄平(おのはら ゆうへい)
IIJ サービス本部 ネットワークサービス部 サービス開発課
2007年IIJ入社。専用線接続サービスの導入・運用業務を経て、現在はブロードバンドサービスのサービス開発及び運営に従事している。
執筆者プロフィール
宮本 外英(みやもと そとひで)
IIJ サービス本部 ネットワークサービス部 サービス開発課
1999年IIJ入社。専用線接続サービスの導入・運用業務を経て、ネットワークインテグレーション業務に従事し経験を積む。その後、VPNサービス、モバイルサービス等の法人向けネットワークサービスの開発を担当。
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