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2010年のUSENIX HotCloudで発表されたMirageOSは、当初Xenハイパーバイザ上で通常のOSの介在なしに動作するOcamlランタイムとして研究開発が進みました。イギリスのケンブリッジ大学の研究者らを中心に研究開発がされています。
彼等の一番の貢献は、この縮小化されたソフトウェアについて、OcamlやXenといった技術に依存しないUnikernelという概念(名前)を生んだことです(※2)。
ほぼ同じ時期にマイクロソフト研究所の研究者らによる、DrawBridgeと呼ばれる技術がACM ASPLOSで発表されました(※3)。DrawBridgeはWindowsカーネルのソースコードをユーザ空間が利用できるライブラリとして移植することで、アプリケーション固有のカーネル機能を実現しました。これらの成果は今日のWindowsの仮想化機能として利用されています(※4)。
Rump kernelは、フィンランドのAntti Kantee氏らにより研究開発がされた、NetBSDカーネルへの機能拡張です。Rump kernelは、Anykernelという仕組みのもと設計されました。Anykernelは、1つのソースコードをモノリシックカーネルとしてだけでなく、ユーザ空間ライブラリや、Unikernelとして再利用可能なものとすることを特徴としています。
この他にも様々なライブラリOSが研究開発されており、ライブラリOSやUnikernelなどの技術への期待は大きなものとなっています。次節では、筆者も開発に参加している、Linux Kernel Library(LKL)と呼ばれる、Linuxカーネルを元にしたライブラリOSについて紹介します。
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