ページの先頭です
Q1. 自社を「トータル・ネットワーク・ソリューション・プロバイダー」と呼ぶのはなぜですか。
IIJグループはインターネット接続サービス、アウトソーシングサービス、WANサービス、システムインテグレーション(システムの構築・運用保守)をワンストップで複合的に提供しており、そのような形態を「トータル・ネットワーク・ソリューション・プロバイダー」と表現しております。
Q2. 競合状況について教えてください。
法人向けネットワークサービスの主な競争相手は、NTTコミュニケーションズ及びKDDI等を含む通信キャリア及びそれらの関係会社等であり、また、システムインテグレーションにおける主な競争相手は、日本電気㈱、富士通㈱、㈱エヌ・ティ・ティ・データ及びそれらの関係会社等を含むシステムインテグレーター等です。クラウドコンピューティングサービスにおける競争相手は、上記の競合先の他にAmazon Web Services, Inc.やMicrosoft Corporationを含む外資系等です。個人向けモバイルサービスの主な競争相手は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク㈱を含むモバイル通信キャリア及びそれらの関係会社等並びにMVNO事業者です。
IIJグループは、インターネットに関連する技術力の集積を事業基盤とし、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対して、信頼性及び付加価値の高いネットワークサービス(インターネット接続サービス、WANサービス及びアウトソーシングサービス)の提供、システムインテグレーションの受託及び機器販売等の多様なネットワーク関連役務を、複合的に組み合わせ提供しております。
Q3. ターゲットとするお客様層を教えてください。
IIJグループは、ネットワークを事業に活用される大企業や官公庁を中心とする、約15,000社のお客様にサービスを提供させて頂いております。IIJのインターネット接続サービスのお客様には、 インターネットサービスプロバイダー(ISP)やケーブルテレビ事業者、映像配信事業者、オンラインゲーム提供事業者等の個人向けに事業を展開するお客様も多く含まれております。また、IIJの一部サービスにて、SIMカードによる高速モバイルサービスを含む個人向けインターネット接続サービスの提供も行っております。詳しくはこちらのページをご覧ください。
Q4. IIJは、特定業種・特定顧客に売上を依存しているでしょうか。
IIJは、日本のインターネット普及の初期段階から、幅広い業種のお客様にインターネット接続サービスを継続的に提供させて頂いております。お客様の業種は日本の全産業を網羅していると言っても過言ではありません。2024年3月期において、売上高の業種別・顧客別分布は以下のようになっております。
顧客業種別売上分布
顧客別売上分布
Q5. IIJグループの事業は景気変動の影響を受けるでしょうか。
IIJ連結売上の8割超は、月次で継続的な売上計上が期待できるストック売上(*)であり、このストック売上は、比較的に景気変動の影響を受けにくいものと想定しております。 システムインテグレーションにおけるシステム構築及び機器販売は、案件毎に売上を一括計上するものであり、景気変動の影響を受けやすいものと想定しております。
Q6. ストック売上の原価構造について教えてください
ストック売上の原価は、主として、回線料、ネットワーク機器及びサーバ等の減価償却費、データセンター関連費用、人件関連及び外注関連費用等のストック売上の増減に直接的に大きくは連動しないネットワークやシステムの運営維持に関わる費用により構成されます。概して、ストック売上の増加が強まると粗利率が向上し、一方で、売上が減少すると粗利率が低下する傾向があります。
Q7. インターネット接続サービスの厳しい価格競争の中で、IIJはどのようにして生き残ったのか教えてください。
2000年頃から2004年頃にかけては、インターネット接続サービスの価格競争の激化により、インターネット接続料金は継続的に低下しておりました。その結果、日本のインターネット接続サービスの価格は、世界でも最も低い水準にあると言われています。 IIJは、信頼性の高い接続等の高品質サービスを必要とする企業の需要にフォーカスすることで、厳しい競争を生き抜いてきました。
Q8. 技術力が高いとは具体的にどのようなことなのでしょうか。
IIJはインターネットが普及する以前の1992年に、日本の中心的なインターネット関連技術者が集まって設立された会社であり、現在も国内トップクラスの優秀なインターネット関連技術者を数多く擁しております。会社設立以来、ファイアウォールサービスやIPマルチキャスト配信サービスなど、現在では当たり前となっている様々なインターネット関連サービスを開発のうえプロトタイプ(原型)として提供することでマーケットを牽引し、日本のインターネット普及の中心的な役割を担ってきたものと認識しております。国内最大級のバックボーンネットワークを自社にて構築し、安定的に運営管理をしており、官公庁等のネットワーク運営管理も数多く任されております。クラウドサービスでは、従来培ってきたネットワーク運営のノウハウを基盤に、他社に先駆けてサービス提供を開始いたしました。インターネット関連技術の研究開発にて業界で主導的な役割を果たしており、政府関連各種委員会、各種業界団体にても技術的観点から携わりリーダーシップを発揮しております。
当社の技術力の高さを定量的に示すことは困難ですが、創業以来、優良顧客を維持できていることは、当社のサービスの質に満足していただいていると考えています。
Q9. 「インターネット接続サービス」とは、どのようなサービスですか。
お客様のネットワークをインターネットのネットワーク網につなぐサービスであり、継続的にサービス提供を行い月次にて売上が計上されます。 具体的には、
等、様々なインターネット接続サービスを提供しております。
お客様によって、通信量の多い本社では広帯域の専用線接続を利用し、複数の拠点においてはブロードバンド接続により社内情報ネットワークシステムを構成するような、複合的なご利用事例も多数あります。主力のIPサービスは、ご利用帯域に応じた契約であり、総じて通信量の増加に応じて契約帯域は増加(「増速」と称します。)されていきます。
Gbps、 広帯域、 IPアドレス、 専用線接続サービス(IPサービス) 光フレッツ、 ブロードバンド対応型サービス、 LTE
Q10. 「WANサービス」とは、どのような内容ですか。
WANはWide Area Networkの略で、専用線、インターネット回線等を使って、本社と支店・支社間など地理的に離れた地点にあるコンピュータ同士を接続し、データをやり取りするネットワークのことを言います。
当社グループでは、イーサネット技術や専用線等のネットワーク接続を用いた閉域網でのネットワークのご利用を提供しています。
WANサービスは、子会社の(株)IIJグローバルソリューションズ及びIIJによって提供されています。
Q11. 「アウトソーシングサービス」とは、どのようなサービスですか。
アウトソーシングサービスには、ファイアウォール・不正アクセス対策等のセキュリティ関連サービス、迷惑メール対策・メール監査・メールアーカイブ等の電子メール関連サービス、インターネットVPN・ルータの運用管理等のネットワークアウトソーシング関連サービス、データセンターにおけるラック提供・運用保守・ディザスターリカバリー等のデータセンター関連サービス、Webホスティング・フィルタリング・ストレージ提供等のサーバアウトソーシング関連サービス、レディメード(既製品)型のパブリッククラウドサービス等が含まれます。IIJグループは、インターネットをより便利かつ安心安全にご利用頂くにあたり必要となる様々なネットワークサービスを自社開発し、提供しております。
ファイアウォール、 不正アクセス、 迷惑メール、 メールアーカイブ、 インターネットVPN、 ルータ、 データセンター、 ラック、 ディザスターリカバリー、 ホスティング、 フィルタリング、 ストレージ、 クラウド
Q12. 「システムインテグレーション」とは、どのような内容ですか。
IIJならではの高品質なネットワークサービスを組み合わせたネットワークインテグレーションを得意としております。例えば、企業の社内情報ネットワークシステムに向けた最適なネットワーク構成のためのコンサルテーション、設計、ネットワーク機器の設定、ネットワーク及び各種サーバ構築、ネットワーク関連アプリケーションの導入、セキュリティシステム構築、ネットワーク運用管理等を行なっております。また、オンライン証券・インターネットショッピング等のECシステム、Web関連業務システムの開発、構築とそのネットワークシステムを構成するサーバ、ストレージ、ルータ等ネットワーク機器の構築、導入及び運用保守等を行っております。2010年より、企業の個別ニーズに応じて必要なリソースを自由自在に組み合わせて使えるオーダーメード(注文品)型のプライベートクラウド(売上はシステム運用保守に計上)を提供しております。
IIJの提供するシステムインテグレーションは、例えば数年がかりでの100億円超規模の大規模な基幹業務システム開発というものではなく、比較的中小規模のネットワークインテグレーション案件が中心です。
システムインテグレーションには、自社でファームウェアを開発している高機能顧客用ルータ「SEIL(ザイル)」の販売やネットワーク構築等に伴う機器の仕入れ販売、モバイル端末等の販売も含まれております。詳細はSEILシリーズのウェブサイトのページをご参照ください。
ネットワークインテグレーション、 アプリケーション、 セキュリティ、 オンライン証券、 ECシステム、 ストレージ、 ルータ、 クラウド
ファームウェア、 ルータ、 SEIL(ザイル)Q13. クラウドコンピューティングサービス「IIJ GIO(ジオ)」は、どのようなサービスですか。
IIJ GIOは、「IaaS(Infrastructure as a service)」から「SaaS(Software as a service)」に及ぶサービスラインナップを用意しております。データセンターに、自社設備としてサーバ、ストレージ等を構築し、そのハードウェアとソフトウェアのご利用を月額にて提供しているものです。IIJは「クラウド」というキーワードが普及する以前から、ネットワーク経由でのサービス提供の実績を蓄積しており、多くの法人のITシステムを柔軟にサービス化し運用してきたノウハウを活かし、サービス運営をしております。
企業の基幹システムや業務システムへのクラウド利用は緩やかではありますが堅調に進んでおり、その流れはモバイル端末の普及やビックデータ・IoTの利用拡大等に伴って加速すると予想されます。この需要拡大を取りこむべく、2015年11月より高処理性能のパブリッククラウドと高信頼性のプライベートクラウドを組み合わせて即時利用できる次世代クラウドサービス「IIJ GIOインフラストラクチャー P2」の提供を開始し、2021年10月には、オンプレミスからクラウドへの移行を容易にする次世代IaaS「IIJ GIO Infrastructure P2 Gen.2(GIO P2 Gen.2)」を新たに提供開始いたしました。
IIJ GIOのラインナップには、レディメード(既製品)型で提供するパブリッククラウドサービスと、オーダーメード(注文品)型で提供するプライベートクラウドサービスがあり、前者は「アウトソーシングサービス」売上として、後者は「システム運用保守」売上として計上されております。
2024年3月期の売上高は334億円(2023年3月期 324億円)となりました。一般企業によるご利用にはWebサービス基盤や社内情報システム等への適用があり、業界に偏りなくクラウドの利用範囲が拡大し、徐々に利用が増加しつつあります。
IaaS(Infrastructure as a service)、 SaaS(Software as a service)、 クラウド、 アウトソーシング、 ソーシャルアプリケーションプロバイダー
Q14. IIJが提供するモバイルサービスの内容、モバイル事業戦略について教えてください。
IIJは、法人のお客様に対してモバイルソリューションを提供するために、 2008年1月より㈱NTTドコモのMVNOとして法人向け高速モバイルデータ通信サービスである「IIJモバイルサービス」の提供を開始いたしました。デジタルサイネージ・自動販売機接続等の人を介さずに機器間で通信するM2M関連等の多彩なモバイル関連案件を継続的に積み上げてきました。
また、2018年3月より国内初のフルMVNO(データ通信)としてサービス提供を開始いたしました。従来のMVNOと異なりフルMVNOは、加入者管理機能を直接運用してサービス提供を行うため、ネットワークの柔軟性、契約オペレーション、IoTと親和性の高いeSIM・チップSIM・ソフトSIM等の自由なSIMの形状でのサービス設計が可能となります。このようなフルMVNOとしての強みを活かした新サービス開発・提供を行うことで、多種多様なネットワークカメラの接続案件に加え、工場生産ラインでの各種デバイス接続等の高度なIoT案件獲得を推進しております。
個人のお客様向けには、スマートフォンやタブレット等が一般家庭へ普及してきたことを受け、 法人向けモバイルサービスのインフラを利用し2012年2月より「IIJ mio モバイルサービス」の提供を開始いたしました。また、国内最大級のMVNOであるモバイルのインフラを活かし、他社のモバイル事業構築・運営を支援するMVNEとして「IIJモバイルMVNOプラットフォームサービス」の提供も行ってまいりました。競争環境の変化も踏まえ、MVNO顧客層の需要により応じるべく、2021年4月より「IIJmio モバイルサービス ギガプラン」の提供も開始しております。
今後もますます増加するモバイルトラフィックを法人・個人共通のモバイルインフラにバランスよく収容することで、インフラ稼働効率を向上させるとともに、フルMVNOとしてのポジションを強みにモバイルサービスだけでなく、セキュリティ・クラウド・システムインテグレーションなど様々な既存要素を組み合わせ、増加するIoT案件の需要を取り込むことで、事業成長を図ってまいります。
IIJのモバイル事業戦略は、法人・IoT・M2M・個人等の多種多様なトラフィックを共通のモバイルインフラにバランスよく収容し、インフラ稼働率を向上させ、モバイルサービスの収益性改善を展望していくものです。
Q15. 中長期的な成長に向けて、どのような施策がありますか。
IIJは、2024年5月10日に「IIJグループ 中期計画 FY2024-FY2026」及び中長期ビジョンを発表いたしました。詳しくはこちらのページをご覧ください。
Q16. 持分法適用関連会社である㈱ディーカレットホールディングスについて教えて下さい。
㈱ディーカレットホールディングスは、2021年12月27日の㈱ディーカレットによる株式移転により設立された持株会社で、IIJの持分法適用関連会社です。
㈱ディーカレットホールディングスは、デジタル通貨事業を承継した子会社である㈱ディーカレットDCPを通じて、デジタル通貨の取引と決済を一括して担う金融サービス事業に取り組んでおります。今後、日本においてデジタル通貨が順次普及していくことを想定し、IIJのセキュリティ・ネットワーク及びクラウド等のインターネット関連技術力と、株主を含む事業パートナーとの連携によって、デジタル通貨取引の国内決済基盤として優位性を確立していくことを目指しております。また、民間発行デジタル通貨の実現に向け、デジタル通貨フォーラムの分科会にてデジタル通貨の実⽤化を⾒据えたユースケースの検討等を⾏っております。
なお、2022年2月に㈱ディーカレットホールディングスの暗号資産交換事業子会社である㈱ディーカレットの全株式を暗号資産金融サービス事業者であるアンバー・グループ(Amber Group)の日本法人であるWhaleFin Holdings Japan㈱へ譲渡いたしました。
ページの終わりです