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DNSは多くのアプリケーションで利用されており、インターネットの重要なサービスの1つです。
ここでは最近のTLDの追加で顕在化した名前衝突の問題をはじめ、DNSを取り巻く環境の最新動向について解説します。
DNSは問い合わせに対応するレコードを応答してくれるサービスで、主にドメイン名に対応するIPアドレスを検索する名前解決に利用されています。インターネットでは、ほとんどのアプリケーションがDNSによる名前解決を利用しており、とても重要なサービスだと言えます。DNSでは、ゾーンという単位でドメイン名に対応するレコードを保持する権威サーバと、問い合わせを行うクライアントが登場します。ほとんどの場合、クライアントはDNSの面倒な反復問い合わせをISPなどが用意しているDNSキャッシュサーバに依頼して、結果のみを受け取ります。DNSキャッシュサーバは、rootと呼ばれる頂点のゾーン情報を提供する権威サーバのIPアドレスのみを知っており、そこから得られる情報を手がかりにより詳細な情報を保持しているであろう権威サーバをたどって必要なレコードを探します。また、毎回反復問い合わせを行っているとサーバの負荷や遅延が問題となるため、得られたレコードはしばらくキャッシュしておき、再び同じ問い合わせを受けた場合にはそのキャッシュから応答しています。最近はこの他にもブロードバンドルータやファイアウォールなど、通信経路上の機器にもDNS関連の機能が実装されており、DNS問い合わせの中継や制御ポリシーの適用に関わっている場合があります。
ドメイン名の名前空間は重複して登録されることがないように、トップレベルドメイン(TLD)ごとにレジストリと呼ばれる管理組織が指定されて管理しています。rootのゾーン情報はICANNが管理しており、ここから各TLDのレジストリに権威委任されて登録者からのドメイン名登録を処理しています。新規にドメイン名を登録したい場合は、レジストラと呼ばれる仲介業者を通じて登録したいドメイン名に対応するTLDのレジストリに申請しますが、各トップレベルやそのサブドメインの属性ドメインごとに登録ポリシーがあり、誰がどんな目的でドメイン名を登録できるのかが異なっている場合があります。例えば.jpドメインは株式会社日本インターネットレジストリサービス(JPRS)がレジストリを担っており、汎用jpと呼ばれるセカンドレベルドメイン名は日本に連絡のとれる住所を持つ個人・法人であれば誰でも登録できますが、co.jp属性型ドメイン名は日本に登記された会社組織のみが登録できます。また、特に制限を設けず、誰でも登録できるポリシーで運用されているTLDもあります。登録されたドメイン名の管理は登録者に権威委譲されるため、それぞれの登録者が運用ポリシーを持ち、適切に管理運用していく必要があります。
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