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昨年からはじまったクラウドサービスIIJ GIOの紹介。
第2回目となる今回は、2014年度のサービス利用状況に加え、
大規模インフラの開発・運用・基盤維持の活動について解説します。
これまでクラウド市場の成長・拡大を支えてきた、ソーシャルアプリケーションプロバイダなどのネットビジネス向けの利用が鈍化し横ばいとなる中、大手企業におけるエンタープライズ利用の増加が鮮明になってきていて、今後もその成長が見込まれています。このように利用傾向が変化する中、クラウドサービスは1社単独で賄うのではなく、マルチクラウドサービスとして様々なクラウドとつながる(=連携する)ことが重視されつつあります。IIJとしてもこの流れを重要視し、これまでのマルチキャリアに加え、マルチクラウドの提供に向けた整備を行っています。
2015年4月、「IIJ GIOコンポーネントサービス データベースアドオン インメモリプラットフォーム for SAP HANA®」の提供を開始します。これは、クラウド上でSAP社の提供するインメモリデータベース、SAP HANA®の本番環境を運用することができるサービスです。既に2014年6月に、事前検証用クラウド環境「IIJ GIO for SAPソリューション PoC for SAP HANA®」(図-1)の提供を開始していますが、今回はその本番環境向けのサービスになります。IIJは、「SAP Certified in Hosting Services」及び「SAP Certified in Cloud Services」(※1)を取得しており、SAPの本番環境で安心して利用できる高いサービスレベルと、セキュリティを提供します。初期投資、運用コストを抑え、経営判断に即応するシステムの迅速な開発・展開を実現します。
2015年1月、「IIJクラウドエクスチェンジサービス for Microsoft Azure」(図-2)の提供を開始しました。これはMicrosoft Azureの閉域網サービス「ExpressRoute」を利用したもので、今回IIJが日本初のパートナーして国内に提供します。これまでMicrosoft Azureとの接続はインターネット経由のみでしたが、ExpressRouteによって閉域網での接続が可能となります。このサービスを皮切りに、IIJはマルチクラウドサービスの展開を拡大していきます。
IIJ GIOの2014年度(2015年3月)の設備展開状況としては、2013年度末比で物理サーバ台数ベースで約2割、ストレージ物理容量ベースで約4割増加する見込みです。利用傾向としては、ソーシャルアプリケーションプロバイダ向けでは、主にフロントエンドのWeb/APサーバとして利用される仮想サーバは毎月目まぐるしい増減を繰り返す状況が続く中、主にDBサーバとして利用される物理サーバは、単純なローカルHDDやFCストレージのサーバから半導体ストレージを搭載した、高いI/Oパフォーマンスをもつ物理サーバへのシフト・統合が進みました。エンタープライズ向けでは、サーバ台数以上にストレージの伸びが顕著な1年となりました。ストレージ利用量が大幅に伸びたことで、大容量ストレージを必要とするような大手企業の基幹系システムのクラウド移行や、クラウド上へ移行したシステムの本格利用が進んでいることが窺えます。この傾向は2015年度も継続するものと予想されます。
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