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Internet Infrastructure Review(IIR)Vol.28
2015年8月31日
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目次

エグゼクティブサマリ

今回より、浅羽からエグゼクティブサマリを引き継ぐことになりましたサービスオペレーション本部長の山井美和と申します。今後ともどうぞよろしくお願いします。

日本年金機構の個人情報流出事件は記憶に新しい事件だと思います。この事件をきっかけに、世の中の情報セキュリティに対する認識が高まり、インターネットを使う上での安全対策が、インフラ側だけでなく個人や組織自身の防御にも必要であることがより一層強く認知されたのではないでしょうか。インフラを作って運用する側としてできることは、サービスという形での提供を目指していますが、それを凌ぐスピードで脅威が迫ってきていることは明らかです。提供者と利用者が一体となったセキュリティオペレーションにより、インターネットを守る機運が高まることを期待する今日この頃です。

本レポートは、このような状況の中で、サービスプロバイダとしてのIIJが、インターネットやクラウドの基盤を支え、お客様に安心・安全に利用し続けていただくために継続的に取り組んでいる様々な調査・解析の結果や、技術開発の成果、ならびに、重要な技術情報を定期的にとりまとめ、ご提供するものです。

1章の「インフラストラクチャセキュリティ」では、インターネット内で起こっているHacktivismに基づく攻撃やソーシャルメディアに関連する不正アクセスの事例などを取り上げ解析しています。また、フォーカスリサーチでは、機械学習とセキュリティ、猛威を振るうAngler Exploit Kit、ID管理技術の実際の利用に焦点を当てて解説しています。

2章の「ブロードバンドトラフィックレポート」では、直近のインターネットを流れるトラフィックを分析していますが、ここ数年で伸びてきているモバイルトラフィックについて、IIJの個人及び法人向けモバイルサービスによるトラフィックを取り出し、ブロードバンドトラフィックとの比較を行っています。モバイルトラフィックの傾向を探る興味深い掘り下げになっています。

3章の「技術トレンド」では、ビッグデータを取り扱いました。IoTやCPSというコンセプトが脚光を浴びるようになってきましたが、ソーシャルネットワーキングの世界ではこれらを含む多様なデータが発信されています。一方的に発せられるツイートをはじめ、ソーシャルな集合知とも言えるWikipediaも有力なビッグデータのソースと言えるでしょう。ここでは、研究所で取り組んでいる研究内容をご紹介します。

インターネットインフラストラクチャは、単なる物理的なインフラだけでなくソーシャルな基盤という意味でのインフラへと変化してきていると言えます。本レポートでは今後もこうした広い側面から技術という切り口でレビューしていきたいと思います。

IIJでは、このような活動を通じて、インターネットの安定性を維持しながらも、日々改善し発展させていく努力を続けております。今後も、お客様の企業活動のインフラとして最大限に活用していただけるよう、様々なサービス及びソリューションを提供し続けて参ります。

山井 美和

執筆者プロフィール

山井 美和(やまい よしかず)

1999年6月IIJに入社と同時に株式会社クロスウェイブコミュニケーションズへ出向し、WDM・SONET網構築、広域LANサービスの企画、データセンター建設に従事し、2004年6月に帰任。
帰任後は、IIJサービスの運用サポート部門を統括し現在に至る。
同時にIIJのデータセンター事業を統括し、国内初の外気冷却を用いたコンテナ型の「松江データセンターパーク」の立ち上げを主導している。


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