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前の章でPCとモバイル端末との視聴時間帯及び視聴の長さの違いを見てきましたが、ここでは、クライアント数とアクセス数を元に、PCとモバイル端末との利用方法の違いをもう少し見ていきます。
図-6に1日ごとのPCとモバイル端末のクライアント数の変化を、そして図-7に1日ごとのPCとモバイル端末とのアクセス数の変化を示しました。2つの図は1日ごとのPCとモバイル端末とを比較したものですが、それぞれ異なった傾向を示しています。
まず、図-6のクライアント数で見た場合ですが、この図ではほとんどの試合日でモバイル端末のクライアント数がPCのクライアント数を上回っていることが分かります。上回っていない日でもモバイル端末のクライアント数はPCのそれと拮抗しています。一方、図-7のアクセス数で見た場合は、すべての試合日でPCからのアクセス数がモバイル端末からのアクセス数を上回っています。
このように、クライアント数とアクセス数でPCとモバイル端末を比較すると、一方でモバイル端末が多く、もう一方でPCが多いという結果になりますが、これはPCとモバイル端末とでクライアントごとのアクセス数に違いがあることで理解することができます。
図-8にPCとモバイル端末との各クライアントの1日のリクエスト数の累積度数分布を示します。1日に行われている試合時間は長い場合で10時間以上に及びますが、10時間分のストリーミングをすべて見たとすると4,500個のセグメントファイルをダウンロードしている計算になります。一方、図-8でも緑の縦線が引かれた5,000のあたりで、PCもモバイル端末もほぼ1.0に到達しています。このことから比率は少ないですが、中にはほぼ1日ストリーミングを再生し続けていたクライアントもいることが窺えます。
図-8においてPCとモバイル端末のアクセス数の分布を比べると、アクセス数が10を超えたあたりから、それぞれのアクセス数の分布に開きが見られます。平均で見るとPCでは1クライアントあたり約610となるのに対して、モバイル端末では約158となり、モバイル端末からのアクセス数はPCの1/4程度しかありません。このPCとモバイル端末とのクライアントごとのアクセス数の違いの大きさを理解することで、前述の図-6でモバイル端末のクライアント数がPCのクライアント数より多くても、図-7のモバイル端末のアクセス数がPCのアクセス数より小さくなることが分かります。
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