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SDNとOpenFlowの基礎から、最新のソフトウェアスイッチ「Lagopus」の性能にフォーカスして詳細を解説します。
ネットワーク関連の業務に就かれている方であれば、SDNという言葉を耳にしたことはあるかと思います。ネットワークの構成要素として設置された、ルータやスイッチなど各種専用ハードウェア機器に人手で設定を施す従来の構築作業と比較して、「オーケストレータ」と呼ばれるシステムにより集中管理された情報を用い、ソフトウェアによってネットワークの構成要素に対して設定を投入する、それがSoftware Defined Networking(SDN)の基本的な考え方です。
SDNとOpenFlowを広く推進しているOpen Networking Foundation(ONF)によると、SDNの構成要素はおおよそ3つのレイヤーに分けることができるとしています(図-1)。
アプリケーションレイヤーは、SDNの中核をなす集中管理とユーザインタフェースをつかさどるレイヤーで、ここに位置するものはSDNのみならずクラウド、すなわち仮想マシンについても管理を一手に引き受けます。ソフトウェアで言えばOpenStack、CloudStackといったオーケストレータが該当します。
コントロールレイヤーは、アプリケーションレイヤーとインフラストラクチャレイヤーの橋渡しの役目を担うレイヤーで、アプリケーションレイヤーから見るとネットワークサービスを提供するレイヤーとなります。アプリケーションレイヤーからの処理要求を、具体的な設定指示に置き換えて、インフラストラクチャレイヤーの各コンポーネントに設定を投入するのが主な役割です。ソフトウェアでいえばFloodlight、Ryuといったフレームワークを用います。
インフラストラクチャレイヤーは、文字どおりネットワークの基盤をつかさどるレイヤーで、顧客ネットワークのパケットを送受信するコンポーネントが該当します。広義ではコントロールレイヤーからソフトウェア制御が可能なルータ・スイッチの類となりますが、狭義では「ベンダニュートラルなAPI・プロトコルによって」制御可能なものを指すことになります。
ベンダーニュートラルなプロトコルによって制御可能なスイッチの仕様として広く知られているものとして、OpenFlow Switch Specificationがあります。この仕様ではコントローラとスイッチ間の制御プロトコルも定義されていて、OpenFlow Protocolと呼ばれます。OpenFlowはオープンな標準として定義され、自由に仕様を参照してハードウェアやソフトウェアを実装することができます。OpenFlowに対応するインフラストラクチャレイヤーのコンポーネントとして、ハードウェアスイッチ製品の他にソフトウェアとして実装されたソフトウェアスイッチがいくつも存在しています。
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