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構成要素の改善によってPUEの理論限界値である1.0に近い効率化を実現しつつある最新世代のデータセンターにおいて、より高い効率の実現にはデータセンターの定義の見直しを含むパラダイムの変更が必要です。単なるIT機器の収容設備としてデータセンターを扱うのではなく、データセンターとIT機器が一体化されたシステムとして適用できる技術を模索する必要があります。
IT機器も含めたシステム化を検討できるデータセンターの利用形態は、データセンター運用者とITシステム運用者が密接に関連しているもしくは同一であるデータセンターに限られるため、ここでは簡単に「統合型データセンター」と呼びます。既存データセンターと統合型データセンターの差異を表-1に示します。
統合型データセンターでは、今まではデータセンター運用者が関与できなかったIT機器に対する環境を制御する裁量を得ることができます。また、ITシステム運用者がデータセンターの挙動を制御することも可能となります。既存データセンターで「ITラックの吸気は温度が22-23度、湿度40%RHを満たす」などの静的な運用条件の指定しかできませんでしたが、統合型データセンターでは、ITシステムの稼働状態に応じてデータセンターの運用条件を変更したり、データセンターの運用制約に応じてITシステムの稼働率を制御する、といった相互のインタラクションが可能となります。これらの
の特徴がシステム統合の利点となります。
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