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データセンターとITシステムを相互作用させることでより高い効率を実現するためには、データセンターとITシステムそれぞれを扱うためのソフトウェア的インタフェースが必要です。
ITシステムに関しては標準的なAPIやプロトコルが規定されている場合がほとんどなので、それらを用いれば必要に応じて各種情報の取得や制御ができます。また、ITサーバやネットワークスイッチを自動制御するための仕組みやラック全体を集約して扱うシステム構築技法などの検討や評価、標準化も進んでいるので制御可能範囲は十分に広がっていると言えます。
一方で、データセンター設備の制御に関しては課題が存在しています。最大の問題は、データセンターは「ものと設備の集合」を示す概念であり、情報システム的な実態がないことです。データセンターを制御する、としても制御のためのエンドポイントが定義されているわけではありませんから、実際にはデータセンターのすべての構成要素を個別に扱わなければなりません。また、それぞれの構成要素に関する別の問題があります。データセンター設備に用いられる各種制御システムも情報化は進んでおり、専用ネットワークや専用のプロトコルを用いた情報システムを構築できます。しかし、ITの世界ほどオープン化は進んでいないため、外部との接続や情報交換などのインタラクションに必要な機能に関しては遅れているのが現状です。
IIJ技術研究所ではデータセンターを情報システムの一部として扱えるような抽象化を提供するソフトウェア層を新たに導入することで、これらの問題の解決を図ろうとしています。抽象化に加えて
などを組み合わせることでデータセンターとITシステムの親和性を高める研究を進めています。図-1にデータセンターを扱うためのソフトウェア群の構成要素を示します。
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