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IIJ.news Vol.172 October 2022
前稿では、IIJが実施しているサポート対応アンケートについて述べたが、ここではお客さまのご要望・ご意見を広く聞く「カスタマーアンケート」の活用について紹介する。
IIJ サービス企画推進本部 サービス企画推進部
近藤 将吾
2008年、IIJに入社。営業のほか、パブリッククラウドのプロダクトマーケティングに従事。その後、法人サービス全体のマーケティング・顧客向けアンケートを中心としたカスタマーサクセスの促進を担当。
IIJでは前稿で紹介したサポート直後のアンケートのほかにも、特定サービスの運用管理者向けにアンケートを実施しています。もともとお客さまから頂戴したサービスへのご意見・ご要望は、担当営業を介してサービス開発部門にフィードバックされていましたが、「本音を営業に伝えるお客さまは多くない」、「お客さまの言葉を営業が抽象化して伝えてしまう」といった課題があり、2017年頃からいくつかのサービスを対象に「カスタマーアンケート」を実施してきました。今回は、こうした個別のアンケートを通してわかったことをご紹介します。
アンケートはWEB形式であるため、基本はチェックボックスなどクリックですむ設問がほとんどですが、一部の設問には自由に記入していただける欄があり、そこに多くのコメントを書いてくださるお客さまの割合が高くなっています。これは「これまで言いたかったけど、言えなかったこと」があることのあらわれであり、我々の取り組みを改善・加速させた要因の1つでもあります。
いただいたコメントは、アンケート関係者、サービス関係者が全て拝読していますが、お客さまの声を直接聞く機会の少ない開発メンバーにとっては、営業を介さない言葉に触れる貴重な機会になっています。
IIJのサービスと一括りに言っても、その種類は100を超えます。本来であれば、サービスレベルは均一であることが理想ですが、さまざまな「差」があるのも事実です。そこで、アンケートを通してサービスごとに同一の内容を聞くことで、この「差」を可視化できるように試みたところ、マニュアルが好評なサービス、安定性に不満があるサービスなど、各サービスの傾向や特徴が明らかになり、「均一なサービスレベル」を目指すキッカケになっています。これらはサービスのクオリティを測るうえで、客観的な比較データとして有意義に活用させていただいています。
ご契約サービスをより有効に活用し、自社の課題を解決していただけるよう、IIJではサービス内容を日々、進化させ続けています。機能追加以外にも細かい改善が施されており、アップデート情報を知っていただくために、お客さまにはお知らせメール、ポータル掲載、担当営業を介したアナウンスなどを行なっています。
しかし、そうした情報が全てのお客さまに周知されていないことがアンケートで明らかになっています。あるサービスで過去1年間に行なわれた6つのアップデートについて調査したところ、半分以下しか認知していなかったお客さまが全体の9割にものぼりました。
こうした認知に関する課題はアップデート情報だけでなく、「サービスを活用するうえでの基本情報」についても同様であることがわかっており、IIJではサービス導入時や、ご担当者さまが交代した際にサービス理解を支援する活動を強化しています。
これら以外にも、アンケートを通じてこれまで気づいていなかったさまざまな課題が浮き彫りになっています。先進的かつ斬新なサービスを生み出すだけでなく、ご契約いただいたお客さまに「IIJにして良かった」と言っていただけるよう、サービス開発・改善を今後も進めていきたいと思います。
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