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IIJ Research となりの情シス メールセキュリティへの取り組みに関する調査

IIJ.news vol.163 April 2021

このたび、IIJサービスのさらなる品質向上や新たなサービス開発につなげることを目的に、
企業のメールセキュリティへの取り組みについてアンケート調査を実施しました。
今回は、その結果を見ていきたいと思います。

(実施期間:2021年2月16日~23日/有効回答数:情報システム部門所属の方:513件)

メールボックスの利用状況・満足度

メールセキュリティに関する取り組みを調査するにあたり、まずは各社のメールボックス環境についてヒアリングを行ないました。

全体の約4割がMicrosoft 365(以下、M365)を利用しており、次に多かったのが GoogleのG Suiteでした。従業員規模別で見ると、従業員数が多くなるほどM365を利用している割合が高く、少なくなるほどG Suiteを利用している割合が高いという結果も出ました。

現在のメールボックス環境の満足度について聞いたところ、約半数が「満足している」と回答。「普通」と合わせると、8割以上の企業でほぼ不満なく利用できていることがわかりました。

メールセキュリティへの取り組みと現状

次に、メールセキュリティに関する取り組みについてヒアリングしました。

M365やG Suiteの標準機能が上位にきており、次いでTrend Micro、McAfee、Symantecなどセキュリティベンダが続いています。

およそ半数で危険なメールのすり抜けが発生していることがわかりました。

「現在ご利用中のメールセキュリティ(受信時の脅威対策)の不満点を教えてください」という質問に対し、自由回答していただいたコメントをいくつかピックアップします。

  • 100パーセント検知することは不可能と思っています。厳しくすると問題ないメールもブロックされ、緩くするとすり抜ける。今後はAI化されると思いますが、それでもメールセキュリティのみでは不完全で、端末側でも対策し、利用する人への教育も必要。要は、お金がかかることが不満です。
  • メールボックスから最終的に受信する社員一人ひとりが正しく判定するようにしないと、危険なメールを防ぐことはできない。結局、この点は変わらないと思うが、現メールサーバには、簡単な受信元チェック、迷惑メール判定くらいしかなく、セキュリティ対策としては不十分。自社サーバなので運用に手間もかかる。
  • UTMを経由して、メールやWEBサイトを閲覧しています。クラウドストレージサービスやリンク先にアクセス遮断され、資料のDLや閲覧ができないこともたびたびあります。セキュリティ検知機能で、助かったこともあるので、セキュリティレベルを下げるわけにもいきません。
  • 標的型攻撃メールへの対策が、必ずしも万全でないと感じています。より安全性を確保するために、複数の対策を施していますが、そのぶんコストが高くなるのが不満です。
  • 国内の現存するドメインから送信された「なりすましメール」が、迷惑メール判定されずに受信トレイに入ってしまい、ユーザによっては勘違いしてしまうことがたまにあります。
  • 特に迷惑メールのなかでURLを含んだものがそのまますり抜けてしまう。また、カスタマイズの柔軟性が低いため、どうしてもセキュリティホールができる。

添付ファイルの送信ポリシーと誤送信対策

多くの企業で悩みのタネとなっている「添付ファイルの送信ポリシー」と「誤送信対策」についても聞いてみました。

メールでファイルを社外に送付する時、現状、多くの企業ではパスワード付きZIPファイルで送付していることがわかりました。また、従業員規模が小さくなるにつれ、「ポリシーを設定していない」というところも増えてきます。一方、今後のポリシーをどうするのかについては、検討中という企業が多いなか、パスワード付き ZIP からオンラインストレージへの切り替えを予定しているという企業もありました。

最後に「メール誤送信対策」を従業員規模別で見ると、バラツキはありますが、全体の約3割がシステム導入済みと回答し、約6割が導入していないと回答しました。

今回は、企業のメールボックス環境やメールセキュリティに関する取り組みを見てみました。
これら以外にも、誌面では紹介しきれなかった調査項目もありますので、ご興味のある方は、ぜひ特設サイト「法人IT調査レポート」もご覧ください。
なお、特設サイト「法人IT調査レポート」では、今回ご紹介したメールセキュリティのほかにも、情報システム部門に関係するさまざまな調査結果を紹介していますので、日ごろの業務にお役立ていただければ幸いです。

特設サイト「法人IT調査レポート」

IIJでは、情報システム部門の方々を対象にアンケート調査を定期的に行ない、その内容を特設サイト「法人IT 調査レポート」で公開しています。今回のテーマについてより詳しく知りたい方は、こちらのサイトも併せてチェックしてください。

本連載では、今後も「法人I T 調査レポート」のダイジェスト版を紹介していきますので、ご期待ください!


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