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IIJ.news Vol.165 August 2021
全国津々浦々でユニークな事業を営んでいる、IIJのお客さまを紹介する「お客さま探訪」。
第2回は、北海道を中心に事業を展開している「サツドラホールディングス株式会社」。
北海道民の暮らしを支えている企業です。
美しい自然とおいしい食べ物で、国内外の観光客を魅了する北海道。しかし、北海道は猛烈な勢いで進む少子高齢化と過疎化に悩む「世界の社会課題先進地域」でもあり、2040年には、現在179ある市町村のうち74パーセントが人口一万人未満になると予測されています。人口が減れば、地域の空洞化は加速し、医療・商業・福祉など、暮らしに欠かせないサービスの維持もむずかしくなります。
今回のお客さま「サツドラホールディングス株式会社」(以下、サツドラHD)は、こうした地域の課題に正面から取り組み、北海道民の暮らしを支えるべく奮闘している企業です。
1972年、サツドラHDの母体となる「株式会社サッポロドラッグストアー」(以下、サツドラ)は札幌市西区(現手稲区)でドラッグストアとして事業を開始しました。以来、「健康で明るい社会の実現に貢献する」という企業理念のもと、中核事業であるドラッグストア事業(道内を中心に188店舗を運営)のほか、調剤事業、地域マーケティング事業、卸・PB商品の開発事業、新電力事業などを営んでおり、ほぼ全ての事業ドメインが北海道に密着しています。あらゆる人の暮らしに寄り添い、地域経済の振興を担うサツドラHDを、北海道民で知らない人はいないと言ってもいいでしょう。
サツドラHDは昨年9月、本社社屋を札幌市東区に移転しました。新本社は、オフィスと店舗、社内と社外を一つの建物内に完結させ、あらゆるデータを一箇所に集めることが可能です。またサツドラHDでは、この新本社が北海道の地域課題を解決する場として活用されることを目指しています。
移転にあたり、新本社のネットワークインフラ全般の設計・構築を、IIJがお手伝いしました。新本社では、いつでも・どこでも、安定した高速ネットワークが使えることが大前提になっています。加えて、セキュリティ面の不安がないことも必須です。そこで、新本社のネットワークには、国内最新鋭の機器を積極的に採用しました。IIJの営業担当者が「北海道でいちばん魅力的なオフィス」と絶賛する新本社の様子をご紹介します。
1Fはドラッグストアを中心とした店舗です。ここはサツドラの業務システム部がさまざまな事業化の検証を行なう場でもあります。サツドラは基幹系システムの開発を自社で進めていますが、これはシステム開発の知識やスキルを蓄積することで、消費者のニーズや社会情勢の変化、トップの意向などを事業にスピーディーに反映できるようにするためです。
札幌は世界各国からの観光客が多く、彼らがスムーズに決済できる手段を用意することが、来店者満足度の向上や収益につながります。サツドラの業務システム部は、世界の主要なキャッシュレス決済や非接触型決済方式への置き換えにいち早く対応しました。
昨年からは新型のPOSレジ「セミセルフレジ」の実証実験も進めており、順次、多店舗での展開を検討しています。商品のバーコードスキャンはレジ係員が行ない、支払は来店者が実施する「セミセルフレジ」の導入が進めば、レジ業務を減らすと同時に、接客などをさらに充実させることができます。また、カメラとAIが来店者の情報を自動で判断し、属性に合わせた広告を配信するデジタルサイネージの実験なども、1F店舗で行なっています。
2Fと3Fのオフィスは、働くためだけの場所ではありません。サツドラでは、本社オフィスを「社内外の交わりを可能にし、従業員の学びにつながる場」と位置づけています。
2Fには厳選された約3500冊が並ぶ図書館「BOOK LOUNGE」があり、誰でも自由に本を手に取ることができます。同じ階には、関連会社やベンチャー企業の社員が働くシェアオフィスと、社内外の人々の交流を促すカフェスペース「HUB SPACE」があります。多様な立場の人が混然一体となって過ごすことで、学びや気づき、イノベーションの促進が期待されます。今はコロナ禍の影響でオンライン開催が主体ですが、地域経済振興やDXなどに関するイベントも週に一回ほど実施されており、社内外の人でにぎわっています。
3Fにはサツドラの執務室があり、グループアドレスを採用するなどフレキシブルな勤務が可能になっています。
北海道民の日々の暮らしを物心両面から支えながら、果敢に社会課題に立ち向かい、未来へとつないでいく――地元密着型企業、サツドラの挑戦はこれからが本番です。
サツドラホールディングス株式会社
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