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Technical Now 株式会社プロスパイラマニュファクチャリング 「IIJ PC展開支援ソリューション」を活用したAutopilotキッティングでPC入れ替えを短期間で実現

IIJ.news Vol.184 October 2024

大規模なIT環境の刷新にともない、IIJのサービスを活用して数百台のPC調達やAutopilotキッティングなどを短期間で実現した事例を紹介する。

株式会社プロスパイラマニュファクチャリング
経営管理部 情報システム課 課長
若林 勇樹 氏

株式会社プロスパイラマニュファクチャリング
経営管理部 情報システム課
鈴木 未央 氏

[導入前の課題]

――IT環境の変更が必要になった背景を教えてください。

若林:
当社はもともとブリヂストンエラステックというブリヂストンの100%子会社で、防振ゴムを製造していたのですが、2022年に資本関係が変わり、ブリヂストンが防振ゴム事業を譲渡して設立されたプロスパイラ(本社:神奈川県川崎市)と、製造を担当するプロスパイラマニュファクチャリング(本社:静岡県掛川市)として再出発することになりました。ブリヂストンの子会社時代は、業務システムからネットワーク、セキュリティ、PCまでブリヂストンから提供されていたのですが、全てを自前の環境に切り離す必要が生じました。
ネットワーク機器を取り替えて、セキュリティ、ID管理、Microsoft 365、メールシステムなどを刷新し、契約もネットワーク設定も切り替えるため、時間的余裕はまったくありませんでした。刷新の方針が決まったのは2023年2月で、ブリヂストンのネットワークからの切り替えを同年末までに終える必要があり、実質、10カ月あるかないかという厳しい状況でした。

――2月に方向性が決まってから、どのように進められたのですか?

若林:
さまざまなものを入れ替えなければならなかったので、ネットワークベンダとしてIIJに着目しました。ネットワークの中心になるSD-WANのIIJ Omnibusサービス、ディレクトリサービス、ID管理などです。それまでIIJとは取引がなかったので、3月頃にWEBサイト経由で問い合わせました。
その後、ネットワークの更新についてIIJの担当者と打ち合わせした際、「PCも全部入れ替えないといけない」という話をしたところ、PCの調達、キッティングから運用までをワンストップで提供してもらえる「IIJ PC展開支援ソリューション」を紹介されました。IIJがPCのライフサイクルマネジメント(PC-LCM)を提供していることは知らなかったのですが、短期間で大量のPCを入れ替えなければならない切羽詰まった状況だったので、「渡りに船」という思いで検討を開始しました。

[選定の決め手]

――入れ替えるPCの台数や準備期間はどのようなものでしたか?

若林:
PCはブリヂストングループのPC-LCMを使って利用していましたが、約450台を入れ替えて、年末までに全PC利用者が使えるようにする必要があったので、配布やユーザへの説明などを考えると11月までには納品が終わらないといけない。しかしPC-LCMの検討が本格化したのは6月頃で、残された時間は数カ月しかありませんでした。

――導入するPCのキッティング方法については検討されましたか?

若林:
これまでプロスパイラマニュファクチャリングでは、マスターイメージのもととなるPCを用意し、DVDなどでクローンを作成してクローニングするマスタークローン方式を採用していましたが、今回はプロスパイラの意向もあり、Microsoftのデバイス自動設定ツール「Windows Autopilot」を採用することになりました。デバイス情報とユーザのプロファイル情報をクラウドに登録しておき、ユーザが新しいPCをネットワークに接続するだけで必要な設定やアプリケーションがインストールされる仕組みです。
困ったのが、工場など現場で使うアプリケーションのなかにはAutopilotに対応していないものが少なくないことです。Autopilotを実施しつつ、対応できない部分は個別にインストールや設定作業をしなければなりません。この双方を問題なく実施してもらえるベンダを探す必要がありました。

――(IIJを含む)各ベンダからは、どのような提案がありましたか?

若林:
各社ともにPC自体は11月までに約450台の納品が可能ということでした。ただ、分割配送がむずかしいといったケースや、Autopilotに対応していないアプリケーションの個別インストール作業ができないというベンダ、また、運用保守が別契約になったり、5年一括での支払いを求められたりするケースもありました。
そうしたなか、全ての要件を満たしてくれたのはIIJだけでした。Autopilotに対応していないアプリケーションの個別インストール作業も事前キッティングという形で対応してくれる柔軟性は、選定の決め手として大きなものでした。加えてAutopilotはネットワーク経由のキッティング方式のため、ネットワークが輻輳することもあるのですが、輻輳を回避するためのキャッシュサーバ(MCC〈Microsoft Connected Cache〉サーバ)構築の提案もありました。また、分割配送の要望にも応えてくれ、運用保守についてもワンストップで引き受けてくれました。450台、半年、複数拠点、Autopilot+個別キッティングという困難な要件をクリアできる事業者はIIJのみだったのです。正式な発注は8月になってからと、ギリギリのタイミングでした。

[導入後の効果]

――発注後はどんな苦労がありましたか?

鈴木:
具体的な作業に取り掛かれたのは2023年9月になってからでした。Autopilotで何のアプリケーションを自動配布するか、事前キッティングでどのアプリを入れるかといった見極めが必要でした。社内の全PCを入れ替えるので、ユーザに対してノート型やデスクトップ型といった種類の希望のアンケートを取り、リストを作成して、納品までのスケジュールを組んでいきました。デモ機による動作確認からAutopilotの設定までを短期間で終わらせなければなりませんでした。
若林:
Autopilotの実行にはMicrosoft Intuneの設定をセットで使わなければなりませんが、初めてのことだったので、我流で設定をしてみましたが、わからないことが多く、作業は滞りがちでした。そんな時もIIJに相談すると適切なアドバイスをもらえました。気軽に相談でき、助けてもらえたことで、スケジュール通り、作業を進めることができました。

――「IIJ PC展開支援ソリューション」でWindows Autopilotを利用したキッティングの評価をお聞かせください。

鈴木:
台数が多く、短期間でキッティングしなければならなかったので、Autopilotを使って良かったと思います。マスタークローン方式では期日に間に合わなかったでしょう。IIJには、分割配送や、グループごとの設定のカスタマイズやチューニングなど、細かいところまで対応してもらえて、とても助かりました。
若林:
Autopilotでは、基本的な設定やアプリケーションはゼロタッチデプロイで自動的にインストールされます。以前はDVDからインストールしなければならなかったので、Autopilotにしたことで圧倒的に楽になりました。Autopilotは自分たちだけでどうにかなるものではないので、理解できなかったり、対応できない部分は、IIJがサポートしてくれました。IIJのようなパートナーがいたからこそ、Autopilotでのキッティングを実現できたと確信しています。IIJにはPC故障時の運用保守も依頼していますが、スムーズに対応してもらえて、満足しています。

PROSPIRA

株式会社プロスパイラマニュファクチャリング

  • 所在地:静岡県掛川市千浜4560
  • 設立:1970年2月2日(2022年、現社名に変更)
  • 資本金:1億円
  • 従業員数:837名(2022年12月31日時点)

騒音・振動・衝撃を抑える防振ゴム製品を製造し、自動車を中心に、鉄道、建設機器など幅広い分野に製品を提供している。2022年、ブリヂストンエラステックからプロスパイラマニュファクチャリングへ商号を変更。国内の顧客向けだけでなく、グローバルな防振ゴム会社への飛躍を目指している。

  • ※ 本記事は2024年3月に取材した内容をもとに構成しています。
    記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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