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IIJ.news Vol.184 October 2024
IIJ 広報部
笹島 貴明
2013年にIIJに入社したのち、スノーボード中の事故で車椅子の生活に。広報部としての業務をしながら、趣味で始めた車いすフェンシングで日本代表となり、現在は競技活動を中心に広報部で働いています。
パリ・パラリンピックも終わり、通常の練習に戻って、改めて4年後を見据えた準備期間となります。本連載も心機一転! 新しいタイトルでリスタートすることになりました。“Allez”は、仏語で「Go、頑張れ」を表す言葉で、フェンシングでは「はじめ!」の合図です。応援する時も「アレ! アレ!」と言います。
さて、試合に向けた準備はビジネス同様、短期から長期までさまざまですが、今回「ヒルト」と呼ばれるフェンシングの持ち手の形状を大きく変えました。「えっ、そんなこと?」と思われるかもしれませんが、フェンシングでは他人の剣を触っただけで選手のこだわりや得意技がわかるくらい、持ち手やブレードのしなり具合は、とても重要な要素なのです。これまでは操作性に優れるベルギアンと呼ばれる持ち手を採用していたのですが、今回、操作性を犠牲にしてでもリーチを重視したフレンチと呼ばれる形状の持ち手に変更しました。写真でもわかるように、ただの棒のような形で、指や腕の負担が増大するため、筋トレの必要がありますし、突き方や構え、戦術も異なるので、4年後に向けて再特訓です。
短期的な準備としては、ルーティンとも呼ばれる試合直前のコンディショニングがあります。現地との時差調整のために、国内にいる時から生活リズムをずらして過ごすことに始まり、試合直前のアップの順番、水分補給のタイミング、調子がいい時の動画を見ることでのイメージづくり、音楽を使ったモチベーションアップなど、決まったルーティンを作っています。さらに、特徴的な選手への対策は事前に行ないますが、国際大会でも対戦相手は前日夜に決定することも多く、特定の選手を想定した具体的なプランは試合直前に検討します。対戦が1年以上前であったり、前回は圧勝した選手でも対策されたりするので、さまざまな想定を含む戦略を組みます。
さっそく11月にはイタリアのピサで国際大会が開かれるので、まずは4年後に向けた準備の第一歩として戦ってきます!
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