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業界横断!ハイブリッドクラウド・プラットフォーム DXを支える基盤 IIJプライベートバックボーンサービスの多様な活用可能性

IIJ.news Vol.186 February 2025

本稿では、IIJプライベートバックボーンサービスの特徴を踏まえて、
金融、製造、小売・流通、エネルギー、医療、教育など、各業界における活用の可能性を紹介する。

執筆者プロフィール

IIJ ネットワーク本部
ネットワークサービス2部長

小野原 雄平

デジタルトランスフォーメーション(DX)の波が産業全体に押し寄せるなか、企業のネットワークインフラの在り方も大きく変わりつつあります。クラウドサービスの普及、テレワークの拡大、IoTデバイスの増加など、各業界のITインフラを取り巻く環境は急速に変化しています。このような状況下で、安全で柔軟、そして高性能なネットワークの重要性がかつてないほど高まっています。

そこで注目を集めているのが、IIJが提供する「IIJプライベートバックボーンサービス(以下PBB)」です。最近、地域金融機関のネットワークシステム統合にこのサービスが採用されたことが話題となりましたが、その可能性は金融業界にとどまりません。本稿では、PBBの特徴と、さまざまな業界での活用可能性について探ってみたいと思います。

IIJプライベートバックボーンサービスとは

PBBは、IIJの各種ネットワークサービス、IIJ GIO、その他主要なクラウドサービスと、お客さまのオンプレミス環境を相互に接続する閉域ネットワークです*1*2。このサービスの最大の特徴は、お客さま専用の閉域ネットワークを構築できることです。PBB上にお客さまだけのプライベートな通信経路を構築することで、マルチクラウド環境におけるネットワークのハブとして機能し、堅牢かつセキュアなネットワーク環境の提供を実現します。

地銀ネットワークシステム
統合への活用

最近のプレスリリースで注目を集めたのが、日本IBMとIIJの協業による地域金融機関向けの「分散基盤共同プラットフォーム」です*3。このプラットフォームでは、IIJのインターネットバックボーンと同等の品質と可用性を持つPBBを通じて、堅牢性の高い最新のデータセンターで運用される分散系システムのリソースを利用できます。この取り組みは、地銀のシステム共同化の枠組みを超えた新たな協業モデルとして注目されています。この考え方は金融業界に限らず、あらゆる業界・産業に応用できると考えています。

製造業
サプライチェーンの最適化

製造業では、工場のIoT化やスマートファクトリー化が進んでいます。PBBを活用することで、各拠点間のデータ通信を高速かつ安全に行なえるようになります。例えば、生産計画や在庫情報をリアルタイムで共有し、需要予測にもとづいた最適な生産調整が可能になります。また、IoTデバイスから収集される大量のデータを、セキュアな環境で分析センターに送信し、製品品質の向上や予防保全に活用できます。

小売・流通業
オムニチャネル戦略の強化

小売業では、オムニチャネル戦略の実現が課題となっています。PBBを利用することで、実店舗、オンラインショップ、物流センターなどをシームレスに接続し、在庫情報や顧客データをリアルタイムで共有できます。これにより、顧客の購買履歴や嗜好データをリアルタイムで分析し、パーソナライズされた商品推奨や効果的なマーケティングキャンペーンの実施が可能になります。災害時など緊急の際にも、安定したネットワークを通じて事業継続性を確保できます。

エネルギー
電力需給の最適化

エネルギー業界では、スマートグリッドの普及が進んでいます。PBBを活用することで、発電所、変電所、大型施設および大規模プラントなど電力高需要家をつなぐ安全で信頼性の高いネットワークを構築できます。これにより、電力需給の最適化やエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの効果的な活用が可能になります。

医療・ヘルスケア
医療サービスの向上、遠隔医療の実現

医療分野では患者の個人情報を含む機密性の高いデータを扱うため、セキュアなネットワーク環境が不可欠です。PBBを活用することで、病院間や診療所と電子カルテや医療画像などのデータを安全に共有できます。また、高速で安定した通信環境を利用して、高画質な医療画像の送受信や遠隔手術支援など先進的な医療が提供可能になることに加え、遠隔医療の拡充を通して、地方や過疎地域における医療環境の改善にも寄与します。さらに、在宅患者のモニタリングデータをリアルタイムで医療機関に送信し、迅速な対応を可能にします。

教育
ハイブリッド学習環境の構築

教育機関では、対面授業とオンライン学習を組み合わせたハイブリッド型の教育が注目されています。PBBを利用することで、キャンパス内のネットワークとクラウド上の学習管理システムを高速かつセキュアに接続できます。大容量の講義動画や教材データをスムーズに配信し、学習の進捗状況をリアルタイムで把握することで、個々の学生に適した学習プログラムの提供が可能になります。また、複数の大学や研究機関をつなぐ共同研究プラットフォームの構築にも活用できます。

今後の展望

DXの加速にともない、各業界におけるネットワークインフラへの要求は、ますます高度化・複雑化していくことが予想されます。PBBは、単なるネットワークインフラの提供にとどまらず、企業・組織のデジタル変革を支える重要な基盤となります。こうした需要に応えるために、IIJの各種ネットワークサービス、クラウドサービスやセキュリティサービスと組み合わせることで、その価値をさらに高めていきます。

PBBは今後も、柔軟性、拡張性、信頼性の高いネットワークソリューションとして、さらなる進化を続けてまいります。そして、金融、製造、小売・流通、エネルギー、医療、教育など、さまざまな業界でPBBの活用を推進することで、多種多様な業界のDXを支援し、豊かで効率的な社会の実現に貢献してまいります。

IIJプライベートバックボーンサービスイメージ図

  1. *1https://www.IIJ.ad.jp/biz/pbackbone/
  2. *2https://eng-blog.IIJ.ad.jp/archives/28305
  3. *3https://www.IIJ.ad.jp/news/pressrelease/2024/1001.html

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