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グローバル・トレンド デュッセルドルフから見た欧州の今

IIJ.news Vol.187 April 2025

執筆者プロフィール

IIJ Deutschland GmbH

岳尾 裕樹

2024年4月よりIIJドイツ法人に赴任し、1年が経とうとしています。春の爽やかな新緑から、どんよりと曇りがちな冬まで、欧州らしい四季の移ろいを感じながら、デュッセルドルフでの生活を満喫しています。今回は、この街の魅力や日々の発見、さらに現地から見える経済やデジタル化の現状についてお届けします。

デュッセルドルフは「ファッションとアートの都」として知られ、洗練された街並みと落ち着いた雰囲気が魅力的です。ライン川沿いのプロムナードでは、ジョギングを楽しむ人々やカフェでくつろぐ地元の方々が織りなす穏やかな日常が広がっています。また、欧州有数の日本人コミュニティが存在し、毎年5月末に開催される「ジャパンデー」には各国から60万人もの参加者が訪れ、日本文化を紹介する大規模なイベントとして賑わいます。茶道や武道といった伝統文化のデモンストレーション、夜空を彩る壮麗な花火大会は、地元住民との交流を深める特別な機会となっています。

ITの視点で見ると、ドイツにはSAPをはじめ、ミュンヘンにはGoogleやマイクロソフトといったグローバル企業が拠点を構える一方、一般企業においてはADSLがいまだ多く利用されるなど、光回線の普及が遅れています。デジタル化に関しては官僚的な手続きが根強く残り、インフラ整備が進んでいなかったり、電車が時刻通りに運行されないといった課題も目立ちます。先進的な一面と古き良き文化が共存しているのが、ドイツらしい特徴とも言えるでしょう。

経済面では、自動車業界が大きな変革の渦中にあります。電動化やカーボンニュートラルへの取り組みが進むなか、大手メーカはEVや水素自動車の開発を加速させていますが、同時に内燃機関の縮小や中国、米国製品との競争、さらにはエネルギー価格の高騰といった課題も浮き彫りになっています。なかでも昨年のVW(フォルクスワーゲン)工場閉鎖のニュースは国内外で大きな波紋を呼び、ドイツ経済の未来をめぐる議論が活発化しています。

生活面では、ドイツ独特の文化や習慣に驚かされることもしばしばです。例えば、日曜日にはほとんどの店が閉まるため、週末の買い物が計画的でないと困ることや、深夜の静寂を守るためシャワーや掃除機の使用が制限されるなど、生活のあらゆる部分に独自の価値観が浸透しています。こうしたギャップに戸惑うこともありますが、それを受け入れることで新たな価値観や視点が得られるのも、異国生活の醍醐味だと改めて感じています。

デュッセルドルフの花火大会

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